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3/30/2020

あと3人に授与!

先日来られなかったゼミ生が今日3人来てくれ、靜流英語授業道の仮免許や3年ゼミ生からの色紙と記念品を渡すことができました。


君たちのこれからに幸あれ!

3/26/2020

新型コロナ感染拡大の始りはグルグルの終わりか?

COVID-19の拡大が止まらないように見える。この状況では少なくとも今年の前期はイベントはもちろん、普通の対面授業すら教員も学生もおっかなびっくりになりそうだ。

いわんや「50センチの近距離で相対し、お互いに何かを発音して目に見えない飛沫をとばしあい、時に m やpの両唇音であるべき音で両唇をきちんと合わせない学生(男子限定ですが)の唇を教員がむんずとつまむこともある」などという、大学授業の形態の中では最も接触度が濃厚なグルグルメソッドは、ちょっとそのままでは使えなくなってしまうかもしれない。

COVID-19の猛威の前にグルグルは滅びてしまうのか?!

そうとも限らないように思われる。対面距離の50センチはあくまで理想的な「圧」をかけるためのものであり、2〜3メートルくらい離れても実は十分に発音は「見える」し「聞こえる」。マスクをしていても発音の成否は判定可能だ。そもそも視覚的にダメな発音は、その状態で生成される音がダメだからダメなのであって、視覚データがマスクによって遮られても、聴覚データで判定できるのである。というか、聴覚データ的にOKならば視覚がどうであれ、その発音はOKなのだ、というほうが順序は正しいだろう。

さらに遠隔の装置さえあれば、画面を隔ててもグルグルは問題なくできる。スマホであっても小さい画面を注視するのは疲れはするが、判定に問題はない。以前ちょっとだけNHKのRの法則に出演した時、たしかAKBだったかの誰かに Let It Goの発音をコーチするのをスマホ越しにやったことがある。問題なかった。

また知る人ぞ知る「メールグルグル」というのがある。音声ファイルをメール添付で提出させて合格するまでダメ出し返信を繰り返す、というもはや物理的にグルグルすることはない帰れまテン的なシステムであるが、これもそれなりの効果はある。

要は、ひとりひとりの音ときちんと聞いて、それについてきちんと評価する、というのがグルグルの本質であり、そのほかの部分でのバリエーションはいろいろあり得る、ということなのだ。

新型コロナ感染の拡大は、新型グルグルの誕生の原因となるかもしれない。

先日、卒業生にもらったグラスセット
ビールを入れたり、ワインを飲んだり

3/23/2020

仮免許授与式を挙行!

魚撃さんに揮毫していただいた各自の決意表明色紙、靜流英語授業道の仮免許証、そしてゼミ3年生からの寄せ書き色紙と記念品を、卒業してゆく4年生に渡すミニセレモニーを研究室で行いました。

なかなか全員いっぺんには集まれないし、集まれたとしてもあまり大人数では集まらないほうがよい、という状況のなかで、たまたまこの時集まったのは教員として巣立ってゆく10名のうちの8名です。

<各自の決意を手に>

<3年生からの寄せ書きを手に>

それぞれ個性と力のある、生徒を幸せにできる教員になってくれるはず。

♫ Look out 'cause here they come! And they're marching on to the beat they drum! (The Greatest Showman 替え歌)

3/20/2020

還暦グルグラー!

本日、2020年3月20日、還暦を迎えました。英語教師としての36年目が終わり、37年目に入ります。キャリアの最後まで、一英語教師として一隅を照らしてゆきたいと考えています。色紙の文言はいろいろ悩んだ末、以下といたします。




3/18/2020

靜流英語授業道の仮免許を作成!

今年のうちのゼミからは10名の学生が英語教員として巣立ってゆくことになりました。私の8年間の大東史上最高の豊作です。ということで。以前、埼玉大のゼミから卒業生を送り出す時に一度だけやったことのある、靜流授業道の仮免許の制作・発行を8年ぶりに行うことにしました。

あくまで仮免許なので、5年以内に授業を見せてもらって合格であれば晴れて正式な免許にアップデートする、というものです。10人それぞれについて、仮免許の使用条件を指定してあります。




写真用紙に印刷して→切り抜いて→ラミネートして→切り抜いて、と結構な時間がかかりましたが、新型コロナのために学生が来られなくなって静まり返ったキャンパスの研究室での作業は楽しいものでした。

この仮免許を本免許にアップデートする日が楽しみです。

3/11/2020

グルグルの見える化に関する論文を公刊しました!

靜哲人・淡路佳昌・小山内滉(2020)
『大東文化大学紀要』 第58号 <社会科学> pp. 311-329

考察

本研究は靜(2009)が命名・紹介したグルグルの実態をより詳細かつ客観的に理解するために、 図表および数値による見える化の可能性を模索したものである。あるワークショップの一環として 実施したグルグルのデータを記述、分析した結果、以下の図表および数値がグルグルの見える化に 役立ちそうである、という感触を得た。

(1)カスケード・テーブル:学習者別に周回毎のGEの時間情報、内容、結果をエクセルのセル に入力してカスケード(小さな連続する滝)のような外観となる表。

(2)ミルフィーユ・チャート:GEの所要時間を縦軸に、周回数を横軸にとり、すべての参加者 のGEの所要時間を積み上げ面グラフにしたもの。

(3)MMMチャート:GE所要時間を縦軸に、周回数を横軸にとり、グループでの最大値、最小 値、平均値を折れ線グラフにしたもの。

(4)ブランチング・ダイアグラム:目標文番号を縦軸に、周回数を横軸にとり、全参加者の折 れ線グラフを重ね、枝分かれしてゆくような外観となるグラフ。

(5)プログレス・デイフイカルテイ・インデックス(PDI):参加者がグルグルセッションで経 験したGE数すなわち周回数を、その中で合格して進捗した目標文の数で割った値。

これらの図表や数値により、講師を務めた第一著者と第二著者が自分たちでも認識していなかっ た事実や傾向を発見することができた。また感覚的に認識していたに過ぎなかった傾向を視覚的、 数値的に再確認することもあった。見える化はある程度成功し、また見える化の効果も確認できたと言えよう。

魚撃に行きました。

四谷の「魚撃」さんは稀有な店です。店内は書道家でもある店長が渾身の毛筆で書いたメッセージで埋め尽くされています。またリクエストした言葉をその場で色紙に書いてくれるという特別サービスもあります。

5年前、淡路先生を大東に迎えた時に二人で祝宴をあげ、それぞれの思いを店長に揮毫してもらったのが始まりでありました。


以来、我々のもとから英語教員として巣立っていく学生たちを、毎年この魚撃を会場にして既卒教員も集まって壮行し、それぞれが期する思いを色紙にしてもらう、というのを年中行事にしてきました。

今年も3月14日に開催すべく、昨年から店を予約して準備万端だったのですが、2月に入って新型コロナ感染の猛威。。。さらにはとうとう一斉休校という未曾有の事態にたちいたり、出席者が現職教員と教員予備軍であるということに鑑み、苦渋の選択ながら今回の壮行会は中止としました。

しかしこれから教壇に立って戦いを始めるあの子らに、あの力強い色紙をもたせてやりたい、という思いは諦めきれません。毎年やってきた通過儀礼を、特に有望株が多い今年の卒業生にだけできないのでは、残念すぎる。

そこで過日、個人的に訪れ、事情を話し、なんとかならないだろうかと相談したところ、なんと来店はできない9名の新卒教員たちのための色紙を用意することを店長が快諾してくれたのです!

飲食におとずれた顧客のためのエクストラサービスである色紙を、飲食にはこられない我々の教え子にも作成してくれるという店長の男気に、少なからず心を動かされました。

しかしそのまま単に好意に甘えているわけにはいきません。そして3月中にできる限り個人的に呑みに行こう、関係者にもできる限り個人的に呑みに行ってもらおう、と決意しました。現在の過剰とも言えるかもしれない自粛ブームによって打撃を被っている飲食店を可能な範囲で応援せねばという思いもありました。

というわけで、本当は3月14日に出席予定であった昨年の卒業生に声をかけ、社会人として個人の資格で自己責任で、ということで、本日、少人数で魚撃で会食してきました。はじめて注文したマグロかまの塩焼きは絶品であります。




見事に完成していた9枚の色紙を受け取りましたので、あとは3月中に何らかの手段で彼らに渡すことを考えています。

みなさんも、四谷「魚撃」、是非行ってみてください。



3/05/2020

VELC Test (R) が日本人大学生のプレイスメント等に有効であると確認しました。

2月28日、下記、論文を公刊いたしました。8年間のベルクテストデータを改めて総括的に分析してみたものです。受験していただいている大学の学力レベルに関わらず、個別大学の受験者集団をすくなくとも4つ、場合によっては5つの有意に異なる能力層に弁別していることが確認できました。

靜哲人(2020). VELC Test (R) 2012-19年度実施データの分析と総括.「語学教育研究論叢」第37号, 75-89. (大東文化大学語学教育研究所)
Abstract
The VELC Test®, a 120-item proficiency test developed specifically for L1 Japanese learners of English at tertiary level, has been administered across the nation for the past eight years. This paper analyzes and summarizes the accumulated data in terms of score distribution, item difficulty invariance, item discrimination, and person reliability/separation. Based on the results, it is argued that the test is reliable enough and well-targeted for the intended population of Japanese university students; its practically invariant and uniformly discriminating items separate an applicant group of any given university into at least three and sometimes four ability levels.

Key words: 英語熟達度テスト  VELC Test®   信頼性  項目安定性  受験者分離

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5. まとめ
 本研究はVELC Test®の本実施データが8年分蓄積したタイミングで改めてテストの性能や特性を確認するため、複数年度データに基づいて、(1)受験者スコアの分布状況、(2)項目難度の安定性、(3)項目のラッシュモデルへの適合度、(4)信頼性と受験者分離度、を調べたものである。
受験者スコアの分布については、試行段階のサンプルに基づいて設定した「全体平均が500で標準偏差が100」という開発時の想定からはややずれており、本実施の受験者は平均が475485程度、標準偏差が7080程度で分布していることが明らかになった。これは開発時には最上位クラスも含めて全国からより幅広い層の受験者の協力を得たことによると考えられる。想定した数値とのズレは、この程度のものであれば、本テストに関して特段の問題を提起するものではない。分布形状についてはおおむね正規分布に近く、ターゲットとしている受験層にたいして適正な難度のテストであると確認されたからである。
項目難度については、固定(anchor)を外した状態で別々の集団によって改めて推定した2セットの項目難度の相関係数はr = .980.981と高く、実用上十分な安定性、準不変性が確保されていることが示された。
ラッシュモデルへの適合度については、Infit Mean Squareの値が確認したすべての項目について適正な範囲に収まっており、いずれの項目も測定のために重要な役割を果たしていることが明らかになった。すでにトライアル段階でのべ5,000名を超える受験者のデータにもとづいて取捨選択された項目であったが、本実施されているデータでも改めて項目の適正さが示されたことは価値がある。
信頼性および受験者分離については、複数大学を合わせた大きな集団(N = 1,000)と、個別大学の比較的小さな集団(N = 149319)で検証した。大きな集団で見たときには信頼性は .93ほどで、全体の受験者を5ないし6つの統計的に異なるレベルに分離していることがわかった。個別大学で見たときには、信頼性は .86.92ほどで、当該大学の受験者を4ないし5つの異なるレベルに分離していることがわかった。個別大学については、実際に受験しているなかで最も熟達度の低いレベルの大学(TOEIC® L&R平均 340程度)でも、最も高いレベルの大学(同 620 程度)でも、天井効果や床効果は見られず、おおよそ4階層と、学内のプレイスメントを考えたときには実用上十分な程度の受験者分離に成功していることが確認できた。
以上全体として、VELC Test®は日本の大学で学ぶ学習者の英語熟達度を測定するツールとして有効的に機能していることが改めて確認できたと言える。