ジャーン!
50語でミニエッセイを書く、ライティングの教科書を作りました。高校生でも十分使えます。是非、ご活用くださいませ(^^)
Write Your Ideas in 50 Words/50語フリップライティング
(松柏社)
お問い合せは→ http://www.shohakusha.com/mail_form.php?key_m=6
はしがき
本書は、日本で英語を学ぶ大学生が、すでに知ってる表現や比較的やさしい語彙を活用して、身近なことがらや日頃感じることなどについて、等身大の視点から肩の力を抜いて、「50語程度」の長さで書けるようになるために編纂したものです。書いてみるとわかりますが、英語の50語とはパソコン画面上では4行程度です。4行ですから、書き始めるのにそれほど大きな抵抗がある長さではありません。しかし主題文(topic sentence)で始まり、いくつかの支持文(supporting sentences)が続き、場合によって結論文(concluding sentence)で終わる、小さいながらもまとまりのある内容を書くことが十分可能である長さでもあります。
ですから本書は、一文ずつ独立したセンテンスしか書いたことがない人が、より本格的なエッセイ・ラィティングに進む前に取り組むのにちょうど良い「ミニエッセイ」ライティングのための教科書と言えるでしょう。
各ユニットには、導入としてイメージをかきたてる写真に続き、Expressions You Can
Use, Other People’s Ideas, Flip Writing, My Own Ideaというセクションがあり、最後にThings You Might Want to Write
About というコーナーがあります。
ユニットのテーマには「他人の言動で嫌なこと」(Unit 1)とか「今、凝っていること」(Unit 5)など、だれでも必ずひとつやふたつは「言いたい」「書きたい」ことがあるようなものを選んであります。写真も参考にしてイメージをふくらませましょう。
Expressions
You Can Use は、各テーマについて書くとき、第1文すなわち主題文に使える表現を5つリストアップしたものです。英語のライティングで大切なことは、最も言いたいことを第1文でズバリと書き切ることです。50語という短い長さで完結する場合にはなおさらこの単刀直入な構成が大切になります。Expressions You Can Useに載せている5つの表現は、そのまま次のOther
People’s Ideas の5つのエッセイで第1文で使われている表現でもあります。Other People’s Ideasを学習した後にまた戻ってきて確認、整理にも役立ててください。
Other
People’s Ideas は、Unitのテーマについて書かれた5つのミニエッセイです。読めばおおよその意味はすぐに分かるはずですが、そこで油断してはいけません!これらのミニエッセイがすらすら自分で書けますか?この内容をすらすら話すことができますか?これらのミニエッセイには、読み手(reader)としてでなく、書き手(writer)としての視点をもってアプローチすることが大切です。つまり、単に「この文の意味が分かるだろうか」という意識を超えて、「この文を自分で書けただろうか」「この単語を自分はこんな風に使えただろうか」という意識を常にもってください。
このレベルの英文が自分の力で書けるようになるために、まずはこれらのミニエッセイを自然と覚えてしまうくらいまで、何度も何度も声に出して読んでみることが大切です。指示してある①~④のステップを踏んでいけば、ミニエッセイが自分のものになったと感じられるでしょう。
Flip
Writing(flipとは、「裏返す」という意味です。)は、すでにある程度「自分のもの」になったはずの5つのエッセイをもう一度見て、ページをめくって書き写す、というタスクです。1語や2語ごとではなく、少なくとも意味のかたまりのフレーズごとに書くことが大切です。できれば1センテンスごとに覚えてください。このように何かをいったん記憶することを「ワーキングメモリに格納する」と言いますが、どの程度の長さの英文をワーキングメモリに格納できるかが、その人の英語力と密接に関連していることがわかってきています。一気に書ける(=言える)英文の長さが伸びれば、ライティング力はもちろんスピーキング力も向上するでしょう。
My
Own Idea は、Flip Writingで自分のものにしたミニエッセイを参考にして、今度は自分自身の考えを書いてみるタスクです。書き出しは、ミニエッセイのどれかにならいましょう。ミニエッセイのどれかが自分の感じ方に非常に近いならば、場合によってはほとんどそのまま使って一部変えるくらいでも構いません。(昔から「英作文は英借文」と言います。つまり外国語として英語を書く場合は、モデルとなる表現をそのまま「借りて」書くのが良いのです。)
書く内容のヒントとして、ページの下にあるThings You Might Want to
Write About(あなたが書きたいかもしれないことがら)を必要に応じて参考にしてください。いずれの場合にも第1文、すなわち主題文はExpressions You Can Useで学習した表現を使うことで、英語らしい単刀直入なオリジナルパラグラフを書くことができます。
とりあえず第1ドラフト(草稿)が完成したら誰か他の人に読んでもらうことをおすすめします。またあなたが別の誰かのドラフトを読んでみるのも大変良い勉強になります。内容の流れは論理的か、文法・語法のミスはないか、などの点について批判的に読みましょう。だれでも自分のミスには気づきにくいものです。別の人の書いた英文を批判的に読むことで、次第に自分が英文を書くときにも同じような間違いをするのを避けられるようになります。
完成した自分のMy Own Ideaは是非暗唱して発表できるようにしましょう。ひとつの Unit で自分のオリジナルミニエッセイがひとつ完成していきますから、Unit 15が終わった時点では、自分の考えについて15通りのミニエッセイが発表できるようになっているはずです。本書を使って学習するみなさんが、自分の考えを自分の英語でうまく表現できるようになることを願っています。頑張ってください。
著者