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9/17/2021

9月26日 13:00-14:30 Zoom発音セミナーやります。

お申し込みは、→ 語研のサイトから 

ア・ラ・カルト講座㉑「これならできる!コロナ禍下での発音指導」


日時:9月26日(日)13:00〜14:30
(申込締切9月23日(木))

講師:靜 哲人(大東文化大学)


新型コロナ感染症により、現在授業では教員・生徒ともマスク着用が普通です。その状況でも効果的に発音指導を実施するためには、口が見えなくとも音声だけで瞬時にクオリティを判定する力が大切です。発音指導の心・技・体をおさえた上で、英語教員としての発音指導力を向上させるお手伝いをします。練習の題材にはスピーチと歌(著作権フリー)を用います。


講師プロフィール
15 年間、中・高・高専で教えた後、大学に移って 24 年目。大東文化大学で英語教員養成にあたっています。主に音声技能の向上のさせ方に関心があり、一斉授業内の個別指導方法としての「グルグル メソッド」、実際に英語の歌を歌わせることでの発音練習、のふたつを提唱しています。主著は『英 語授業の心・技・体』(研究社)。今年から学生支援センター所長なので、標語は『私、学生の味方 です』。

参加費:会員 1,000 円 非会員3,000円 (学生は各半額)

開始時間 13時00分
予約締切時間 2021/9/24 0:00

9/11/2021

「絶滅危惧種教員」の件、補足です

 「絶滅危惧種教員」のポストが無用のご心配を生んでしまったようなので、背景説明および補足をさせていただきます。

あの↓ポストを読んで、「自分のことを絶滅危惧種と呼ぶなんて、靜さん不本意な出来事があったのかな」「自分の指導スタイルについて自虐的になっているのかな」と思ってくださった人が少なからずいたようです。ミスリーディングだったようですみませんが、まったくそんなことはありません。

学内の書道系の研究所が出している定期刊行物の「巻頭言」を依頼されたので、「書道と英語発音指導を関連させてなにか書けないかな」ということで書いてみたのがあの一文、ということです。それ以上でも以下でもありません。

「絶滅危惧種」という表現を私自身が聞いたのは、実はかの松坂ヒロシ先生からです。先生と会食させていただいた際、「我々のように発音指導に注力する教員は絶滅危惧種と言われているらしいですよ。そんな時代ですが、ひきつづき頑張って参りましょう!」(要旨)という文脈で「絶滅危惧種」という表現を使われていたものです。

松坂先生も、発音指導教員が絶滅する運命にあるグループだとは思っていらっしゃらないと拝察しますし、少なくとも私自身もまったくそう思っていません。ですので、みなさま、今後とも今まで通り、よろしく(何を?か不明だけど...)お願いいたします。

9/09/2021

「ダメ出し」をする絶滅危惧種教員のつぶやき

私は特に発音指導に力を注いでいる英語教員です。発音は舌、唇、あごといった調音器官の動かし方の巧みさによって決まります。脳がそれらの調音器官を上手く動かす力(細かい運動技能)に関わりますので、知識として知っているだけではだめで、実際に舌や唇がそのように動かせるかどうかが問題となります。この点で、腕、手、指などの動きによって決まる(と素人には思われる)書道実技とかなり共通する部分もあるのではないでしょうか。

書道でも同じだと思いますが英語発音においても誰もが最初から完璧に上手いということは当然ありません。というよりも上手くない段階だからこそ教室という場にいるわけです。そこで指導が大切になります。ところが現在の英語教育界では発音の指導には人気がありません。人気がないどころか時代錯誤的であると思われているフシさえあります。

ひとつの原因は、英語が世界中に広まって特に発音に関して様々な変種が生まれた結果、「発音なんかそれぞれでいいじゃないか」という考えが主流になったことです。書道に喩えるなら「文字の見かけなんかそれぞれでいいじゃないか」とでもなるでしょうか。

もうひとつは「学習者は褒めて育てるべきで、パワハラと言われかねないダメ出しなんてやめよう」という考えです。書道に喩えれば、「学生の書いた書はとにかく褒めるのが大切で、足りないところを指摘するなんてもってのほかだ」となるでしょう。

どちらの姿勢も私に言わせれば馬鹿げています。発音の様々な変種のなかにも「これだけは外してはならない」という最大公約数は厳然として存在しますし、指導にあたっては良いものは良い、ダメなものはダメだと明確に伝えて上達のヒントを示すことこそが教師の最大の責務と考えるからです。

ところがこういう姿勢をもった英語教員はどうやら「絶滅危惧種」のようです。それは残念なことですが、私個人には関係ありません。種として絶滅しようがしまいが、私自身は最後の最後まで「ダメ出し」を続け、自分の受け持つ学生たちの英語の質をできる限り上達させる責務を全うするつもりです。