(学生向け)
学生によくある誤解を正したいので書いておきます。それは、私は発音や音声を重視する英語指導を提唱していますが、アメリカ人(だけにある)発音を真似することを目指しても求めてもいない、ということです。
目指し、求めているのは、英語という言語が英語であるための最低限の音声上のコアです。国際語としての英語(Englsih as an International Language; EIL)を目指し、求めていると言っても(私にとっては)同じことです。
だからアメリカ英語だけにあってイギリス英語にはない特徴や、オーストラリア英語にだけある特徴や、イギリス英語だけにある特徴などの習得を生徒に求めることはありません。
この観点ならみて、英語を教える時の最も頻繁にみられる誤解は以下のふたつです。
(1)Rはいつでもどこでも大事だ、と教える誤り
日本語ネイテイブが英語を学習するとき、日本語にはひとつしかない流音(=ラ行音)を、LとRに分化させることは何よりも大切です。しかしRというスペリングがあれば機械的に「Rだ!気をつけよう!」と生徒に呼びかけるのは誤りです。
後に母音が続くR (例 rain)はどの英語でも発音されますが、母音の後に続くR(are, fair, door, core, there, here)を発音するのはアメリカ英語だけで、イギリス英語やオーストリア英語では発音されません。よって国際英語の観点からは習得は必須ではないのです。
もちろん「アメリカ発音を真似したければこうだよ」と教えるのはいいのですが、それはあくまでアメリカ発音だけの特徴だということをわきまえておかなければなりません。いわんや、グルグルでの発音チェックのポイントにするなどは的外れだといえます。Rを言わないなら言わないでも立派な英語なのですから。
(1)Tはラ行で発音せねば本物の英語でない、と教える誤り
Let It Go は「レリゴー」と表記されました。Letの語末のTが、有声化してたたき音になり、日本語のラ行とほぼ同じ音になっている現象を、カタカナで表記したわけです。同じ現象が、partyが パーリ betterが ベラ not at all が ナラロー と聞こえるときに起こります。
しかしこのT音の有声化はイギリス英語では起こりません。イギリス英語ではTは「きちんとした」無声音として発音されるので、Let It Goは、「レティ...」ですし、partyは「パーティ」(しかもR音はなし)、betterは「ベタ」です。つまり国際英語の観点からはこのTの有声化も習得必須項目ではありません。
これもアメリカ人っぽい発音になりたい生徒には教えてやればよいが、そうでもない生徒味は必要ない項目です。
そういう発音がなされるアメリア英語を聞く機会はおおいので、リスニングの観点から聞いてなれておくことは必要ですが、発音のフェイズにおいても「これが本物の英語だ」的な姿勢で生徒に習得を強制するのは根拠がありません。
まとめ
リスニングの指導のときに様々なタイプの発音に触れさせるのは大切です。しかしスピーキングに際しては、まずはすべての(ネイティブ)英語タイプに共通な音声項目に絞って習得させましょう。「アメリカ人っぽい発音をしたい」「イギリス人っぽくしゃべりたい」「オーストラリア人を真似したい」という個人的希望に応じるのは、あくまでその後、オプショナルなことがらです。母音後のR音、有声化するT音は、英語のコアに含まれていない、「お好みでどうぞ」のオプションです。
発音ザムライ、ジャパリッシュ英語教師を斬る! 寄るな触るな、触れなば斬らん! 斬り捨て御免で御意見無用! (Part of the Caption by Courtesy of Madame Satoh)
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2/24/2020
2/23/2020
リスニングの教科書、ゲラ刷り校正に入りました!
1月に脱稿した『リスニングの教科書』ですが、PDFでのゲラ刷り校正の段階に入りました。300ページの力作になっております。我ながらなかなかいいんじゃない(^^)?
同時にシリーズ第3弾、『単語の教科書』も強力な著者を得て(私は監修役)順調に進んでおります。音声を基本にすえた単語集は本邦初でしょう。
どちらも乞うご期待!
同時にシリーズ第3弾、『単語の教科書』も強力な著者を得て(私は監修役)順調に進んでおります。音声を基本にすえた単語集は本邦初でしょう。
どちらも乞うご期待!
2/21/2020
小学生英語に特化した英語発音動画シリーズ完了しました!撮影が ...
ついにやりました。3〜10分 ✕ 72ユニットの、英語発音に苦手意識をもつ小学校の先生向けの動画シリーズの撮影が完了しました。
ひとつひとつのユニットは次のように始まります。
ひとつひとつのユニットは次のように始まります。
Hi guys! What's up? みなさんこんにちは。靜です。Welcome to my English pronunciation workshop customized for Japanese learners of English. このワークショップでは、日本語ネイティブの私が、日本語ネイティブの皆さんの英語発音を、なんとなく通じにくかったカタカナ発音から、文脈がなくてもラクラク通じる英語らしいReal Englishに変えるためのコツを、ゼロから予備知識を前提とせず、お伝えしていきます。単語や例文は小学生に教えるために厳選。日本語ネィティブ視点の面白・発音練習も満載です!子どもたちにも受けますよ!それでは始めましょう。Here we go! 今回のテーマはこちら!
72ユニットの構成はおおよそ次のようです。まず子音と母音の分離から始めて、主要な音素を導入します。子音連結は実に15ものユニットをかけて特に入念に練習して母音挿入を撲滅し、分節要素の後はリンキングもタイプ別に慣れてゆきます。
一通りの音を入れたあとは、トピック別の15のユニット(好きな季節、好きな動物、なりたい職業、行ってみたい国 etc. )で、小学生に教えるのに必要な語彙や構文を使って音を総ざらいしていきます。
さらに3つのユニットでいわゆるクラスルームイングリッシュとして、子どもに指示を出したり、発表を褒めたりする表現を練習。最後はもちろん . . . 歌です。
一通りの音を入れたあとは、トピック別の15のユニット(好きな季節、好きな動物、なりたい職業、行ってみたい国 etc. )で、小学生に教えるのに必要な語彙や構文を使って音を総ざらいしていきます。
さらに3つのユニットでいわゆるクラスルームイングリッシュとして、子どもに指示を出したり、発表を褒めたりする表現を練習。最後はもちろん . . . 歌です。
これまでジャパンライムさんで制作してきた英語教育DVDにはすべてその時々に教えていた学生に出演してもらってきていましたが、今回も例外ではありません。大東文化大のI君と学習院大のMさんのふたりにアシスタント /発音モデルを務めてもらいました。ふたりのキャラクターがうまく噛み合い、狙い通りメリハリとパンチの効いたバラエティに富んだ映像が撮れました!
"Let's take a pause and pose for a photo!"
(長母音の pauseと 二重母音のposeの対比の例文)
映像にバラエティがあるぶん、これからの編集作業が大変そうで、ジャパンライムさんにはご苦労をかけるようですが、完成を楽しみに待ちたいと思います。小学校の先生方も、乞うご期待!
すべての撮影が終わって、「やった〜!」の表情
2/16/2020
小学校で英語を教えねばならないのに発音に自信のない先生、よいニュースです。
小学校で(小学生に)英語を教えているのだが自分の発音にいまひとつ自信のない方はいませんか?そのような方にぴったりの解説・トレーニング動画の撮影を来週開始します。
日本語ネイティブならではの視点による効果的な70ユニット超の動画シリーズとなって配信される予定ですので、乞うご期待!
こういう英語授業関連動画は、これまでその時々で教えていた関西大、埼玉大、学習院大、大東大の学生に出演協力してもらって作成してきましたが、今回は大東大と学習院大の学生のコラボになります。
利用しやすく、役に立つものになるようベストを尽くしますので、乞うご期待!
日本語ネイティブならではの視点による効果的な70ユニット超の動画シリーズとなって配信される予定ですので、乞うご期待!
こういう英語授業関連動画は、これまでその時々で教えていた関西大、埼玉大、学習院大、大東大の学生に出演協力してもらって作成してきましたが、今回は大東大と学習院大の学生のコラボになります。
利用しやすく、役に立つものになるようベストを尽くしますので、乞うご期待!
2/15/2020
ベルクテストデータ収集で他大学生の協力を仰ぎました
ベルクテスト関係の研究のために、現在データ収集を行っているのですが、そのために学習院大学の学生が協力してくれ、大東のキャンパスに来て大東生と一緒にベルクを受験してくれました。
大東の靜ゼミ生と学習院の靜授業の学生が一緒に写っているという珍しい一枚:
大東の靜ゼミ生と学習院の靜授業の学生が一緒に写っているという珍しい一枚:
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