Total Pageviews

6/18/2011

意味を理解して満足してはダメ

(授業を取っている学部生に送ったメール)


みなさんは毎週、英語のペーパーを書くのに苦労していると思いますので、ヒントをひとつ。

英語を書く時になってはじめて、書くことを考えているのでは上達には限界があります。

ふだんから英語を聞くとき、読むときにも、つねに「書くこと、話すこと」を考えましょう。

例えば、ある文章を読んですらすらと意味が取れるとき、意味が取れたことだけで満足していてはいけません。すべての単語を知っていて、書いてあることが簡単に分かっても、立ち止まって自問しましょう:

「この単語はすべて私は知っている。しかし、果たして自分はこれらの単語をこのように使いこなして表現できるだろうか?

答えは多くの場合、No のはずです。つまり、単語は知っているのに、そのようには使えない自分がそこにいるのです。そこで始めて、「自分でもこの単語をこのように使えるようになるために、この表現を心に留めよう」という、

書き手(話し手)としての視点

が生まれるのです。

日本人が英語を使えるようにならない大きな理由のひとつは、「英文を読む(聞く)時、意味をとろう、意味をとろう、に集中するあまり、その意味を表現している語句自体を身につけよう、という努力をしないこと」にあります。

ですから、これからは、何かの英語の文章を読む(聞く)時、意味がわかるだけで満足せず、つねに、writer としての目、speaker としての目を持って、表現を盗もう、というつもりで読んで(聞いて)ください。

この意味では例えば、中3・高1レベルの教科書や、英検3級・準2級程度の問題も大いによい教材です。このレベルの理解に困難を覚える人は、みなさんには少ないでしょう。

しかし、みなさんの中に、このレベルの英文を自由に正しく書ける、話せる人も、また少ないからです。

要は、reception をしながらも、常に production のことを考える、ということです。

ネイティブの先生の話を聞いている時も、ふむふむ、わかる、わかる、と満足しているのは第1歩にしか過ぎません。「なるほど、あんな単語をあんな風に使うのか。こんど真似してみよう」という心構えで、聞く、のです。



昔から、英作文は英借文と言います。スピーキングもまた然り、です。


Whenever and whatever you read, read it from a view point of a writer, always asking yourself, "Can I use these (simple) words in this way? I am familiar with all of these words, for sure.  But could I have combined them to produce these phrases and sentences?"  If the answer is No, that is your chance to expand your active vocabulary.