本年度の教育実習訪問指導キャラバンが終了した。ふたりでそれぞれ8校、一緒に行った学校もあるので、あわせて十数校は訪問した。
振り返って感じるのが表題の「当たりハズレ」である。教育実習のパフォーマンスの質は(1)我々送り出す大学側の指導と(2)当該学生の力量そして(3)実習校の指導教員の方針と力量、の3つの要素が複雑に絡み合って決まる。
実習生に、とにかく頑張ってすべて英語で説明させるべくスクリプトを書かせ、前日に泣きながらでもそれを暗記させて授業に臨ませる指導教員もいれば、生徒の発話ゼロ、先生の英語による解説はおろか音読さえもゼロ、授業はひたすら教員の言うことや板書することをノートに書き写させる自らの授業を模倣することを求める指導教員もいる。
後者のような授業を目の当たりにすると、一概にいいとはまったく思わない文科省の「英語の授業は英語で」という押し付けも、必要な押し付けなのかもしれない、という気がしてくる。
しかし、「ザ・訳毒授業」みたいな授業も、全国の高校現場にはいまだにゴキブリのごとくたぶん大量に生き残っているのだろうな、ということを実感するキャラバンであった。
と同時に、そういう当たりハズレの中で、うちの学生たちはそれぞれ、できる範囲で、許される範囲で目の前の生徒のためにできるベストな授業をすべく、果敢に挑戦していた、ことを嬉しく感じるキャラバンでもあった。