教育実習生の授業を見に行って95点をつけたのが、2016年6月。あれから4年と4ヶ月。あの時のサッカー大好き少年は、いまや故郷の青森に戻って専任教員をしている。
きょうその彼に、Zoom越しにではあったが再会することができた。大東文化大学の教職課程センター主催「教員養成コロキアム」の卒業生登壇者として迎えたのである。
打ち合わせでは1〜2度話はしていたのだが、いざパブリックな場で彼が話し始めると、声のトーンや態度だけでなく、話の内容があまりにも大人びたものに成長しているのに驚いた。
学生時代のワチャワチャした感じが影を潜め、そこにいるのは自信に満ち、しかし日々試行錯誤しながら子どものために努力する、授業に軸足を据え、自分のアイデンティティ=武器は音声面の指導だと言い切る、愛情に満ちた若きプロ英語教師だった。
オーストラリアでの2年間の「自分探し」の中で様々な経験をし、たとえるならば360度回った末に、やっぱりもともとの出発点であった「子どもたちのスピーキング力をつけたい」という気持ちを実現できる仕事についたのだ、と解釈する。
あれだけさまざまな経験をつんだ教師に教われる生徒は幸せだ。曰く、自分の生徒は自分のこどものように思っています。ごく最近リアルでも父親になったばかりの彼の言葉は説得力がある。
当時のサッカー大好き少年が、サッカー&子どもたち大好き青年教師となったのを確認し、じんわりとした嬉しさをかみしめた秋の一日。