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6/03/2023

中1を教えるにも結構専門的な音声学的知識が要ると痛感した件

教育実習生を訪問した際、対話文に Ms. Cookという人名が出てきた。ところがその部分の音読練習を聞いていると、実習生本人も、そして当然それをリピートする生徒たちも思い切り、[mis] Cook と発音していたのだ。おいおい。。。

事後の講評でそのことを指摘すると、「でも音源では [mis]って言っているんです。。。」と実習生。

なるほどね。後で音源を確認したがもちろんそんなことはなく、ナレーターはちゃんと Ms. と言っている。しかし、直後の [k]の影響もあり、[miz]の[z]はほぼ無声化しており、たしかに物理的には[s]に聞こえないこともない。しかしMs.はあくまでMs.なので、直前の[ i ]は、Miss の場合よりもやや長めに発音されるのである。あれが実際のMs.の音なのだ。zが無声化するときもあり、それにはきちんとした理由がある。しかしこれは結構、専門的な知識と言ってよいだろう。

こういう音源に接した時はどうしたらよいか。日本語ネイティブ学習者の最大の落とし穴の一つ、母音挿入をさせないための、絶好の教材だと私は思う。

「Ms.は、カタカナ的には ミズですが、ズの部分は zuではなくほとんどsみたいに聞こえますよね。だからみなさんもごく軽く発音しましょう。 2拍の「ミズ」(水)じゃなくて、1泊の「ミz 」ですよ。」

「同じように、isも、2拍の「イズ」(伊豆)じゃなくて、1拍の「イz」ですよ。」

違い感じながら、対比して言ってみましょう:

水 / Ms.

伊豆  /  is

一途(イット) / it