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8/20/2010

的外れなワークショップ

ほとんどの教員研修は力点の置き方を間違っている。それは、英語教師として自分たちに何が一番たりないか、を理解していないからだ。

「生徒を惹きつける」言語活動とか、教材とか、「わくわくさせる」導入方法とか、そういう「こじゃれた」「しゃれた」部分を追い求めながら、自分の英語はトンデモ発音、トンデモ文法(←即興でしゃべらせると、スピーキングでトンデモ文法の人は、たくさんいる)で、生徒ももちろんトンデモ英語。

生徒を惹きつける小道具とかマルチメディアとか探すヒマがあったら、まず自分の英語をプロとして聞くに堪えるものにしろ。

心・技・体、というが、本当の順番は、

体>心>技

@確かな運用力があってこそ持てる、厳しい心

@確かな運用力があってこそ、はじめて意味をもつ 技

小手先のテクニックなんか最後の最後でいい。

目標を示して、そのレベルに到達するまで、叱咤激励する。

英語の授業はそれだけでいい。

小学生も中学生も高校生も大学生も大学院生も、すべて同じ。



Most seminars and workshops for Japanese EFL teachers are misguided in that they try mainly to seek after teaching materials, teaching techniques, classroom activities that they believe will attract even unmotivated learners.  I say misguided because they do so when they, teachers, cannot use the language properly themselves; they speak with terrible pronunciation and lousy grammar.  Teaching techniques are effective only when the teacher can speak and write good English.  If you are a good speaker of English, teaching techniques will take care of themselves in time.

8/19/2010

小学生にもグルグルが一番

今月、小学5~6年生に英語を教えた。3時間×6日間連続。

When I grow up, I want to be a doctor.
  O    o    o   O o   O   o   O  o  O o

A doctor is a person who cures sick people.
 o   O o  o o   O  o    o     O      O     O o


What is an animals that has brown fur?
  O    o  o   O o o   o     O      O     O

A wombat is an animal that has brown fur.
 o   O  o   o  o   O o o   o    O    O       O

A rugby is a ball game played with a rugby ball.
 o   O o  o o O   O      O         o   o  O o   O

などを、踊りながら、グルグルグルグル。

小学生はすばらしい。

まねしてごらんと言わなくても、先生の口を凝視して、口のかたちまで真似しようと必死にくらいついてくる。

夢のような、至福の、六日間だった。

中学の先取りはダメだとか、スキルを教えてはダメだとか、発音を訓練してはダメだとか、英語を嫌いにしないように文字は教えるな、とか.....

愚にもつかないことばかり言い続ける「お上」の言うことは、鼻で笑って、まともに英語を教えると、小学生はいいよ! 伸びる! 楽しい! 最高!

Teaching English to young learners is simply an ecstatic experience, if you are a good teacher.  Otherwise, forget it.  They are too good at copying you.   If you are not good enough to be copied,  do not expose them to garbage.

8/01/2010

残念な質問 その2 「生徒はズルしませんか?」

(小)テストの採点は生徒・学生にさせる、とか、グルグルは私が「マル!」と言ったのを生徒に記入させる、という話をすると、決まって出てくるのが...

「生徒はインチキしませんか?」

という質問。

悪気はないとは思うが、この質問をされるたびに嫌な気持ちになる。

そんなこと私のほうは考えもしないから。

私が考えもしないのだから、私の生徒も考えもしないと思います。

だいたい、そういうことを心配すること自体がさもしいでしょ。

つうか、

「この先生の授業は真面目に全力投球しよう。ズルなんか自分としてしたくない」

という気持ちにさせるのが教師の役目だろうが!

One of the questions that dishearten me after I give a workshop on how I give quizzes or GG activities is, "If you let your students mark their own quiz papers, do they not cheat?"   They don't.   That's because--and why--I never even think about that.    They never think about cheating me because they know I am serious about getting them better.

7/31/2010

「間違いを恐れずに」?  アホちゃうか。

間違いを恐れずに、話そう! 

とよく言われる。これは、間違いを恐れるあまり萎縮してしまっては元も子もないので、間違いを気にしすぎずに思い切ってやってみよう! でもやってみたあとは、失敗から学ぶんだよ。失敗は成功のもとだから、きっと次に成功するよ。だからどんどん失敗しよう。いつかそれが糧になる。

という意味であって、

間違ってもいいよ。間違いなんてどうでもいいんだよ。間違ったあとも、気にしなくてもいいよ。

というバカな意味では、当然のことながら、絶対に、ない。いつまでも間違っていていいはずがなかろう。

それを誤解している教員が多いんじゃないの、最近?

Don't be afraid of making mistakes.... say a lot of people, without thinking much about what it means.  If you think the statement means that there is no need to try to avoid mistakes or that you do not have to make efforts not to make the same mistake again, then you are terribly misguided.   Mistakes and errors are to be learned from, not to be disregarded or forgotten.

7/30/2010

残念な発言: b とd の区別 再び

bとdの区別ができない生徒がいて云々...という発言をまた聞いた。

でも、bとdはちょうど形が逆なだけだから、そりぁ最初は混同する子もいるでしょよ。無理もないよ。

それがそんなに重大かよ。non-Japaneseが「上」という字を初めて見て、棒を左側につけたりするのと同じでしょ。そのうちだんだん覚えるんじゃないの?

なんでそんなことがそれほど気になるのかわからん。

しかも前にも書いたが、それは「文字の混同」であって、音の混同ではない。 犬を ボッグ と言うことも、買うを ダイ ということもない。つまり、bとdという「音」はちゃんと区別しているわけ。そのほうがよっぽど重要です。

文字のbとdの混同よりも、注意を注がなければいけないのは、bとvの「音」の混同だ。fとhの「音」の混同だ。thとzの「音」の混同だ。

そういう言語の最も大事な点を放って置いて、スペリングのbとdの混同にばかり目が向くのは、目が向く方がおかしい。

Why not stop complaining some of your students write a "b" for a "d" or vice versa?  Why do you think it's such a big deal? That's because you pay too much attention to letters, as opposed to sounds.  Time will take care of such a minute mistake.   Instead of making a fuss about nothing, take good care to see that your students can learn to distinguish between /b/ and /v/, /f/ and /w/, etc, which is far more important.

7/29/2010

英語教師はゆっくり話せ

(英語教育学のゼミ生に出したメールの内容)

ゼミ生各位

英語を話す時の心構え:

君たちの英語はほとんどの場合、もちろん「通じる」。

しかし、英語教員としてはそれだけではもちろんダメ。

発音はもちろんだが、加えて、冠詞、数、時制、など文法・語法が正しいのが絶対条件。生徒の前で話しているのだから。

うまく説明できないときに、苦し紛れに例を出したり、ジェスチャーを用いたりして、切り抜けるのは、1ユーザーのサバイバルの技術としては正しいが、それは教師としては失敗なので、あとで時間をかけて、どういう表現を使えばよかったのか、振り返り、次に同じ状況だったらきちんと話せるようにしておくことが必要。

ただしい構文と表現で、ゆっくりした口調で落ち着いて、生徒に聞き取りやすいように、話す、ことを心がけろ。(つっかえ、つっかえ話す、のではもちろんない。よどみなく、しかし
ゆっくり話すのだ)

ゆっくり話せるためには、その瞬間口から出ている単語よりも少なくとも5語先くらいまでは常に先に先に頭に用意してあることが必要だ。先まで言うことが、あたまの中に準備してあるから、おちついて話せる。

アップアップして早口になるのは、余裕がない証拠。

「ゆっくり落ち着いて話す」を目標にせよ。

それから、その裏返しとして、英語教師として他人の英語を聞くときは、内容だけを理解しようとせず、発音は適切か、語法は適切か、文法は適切か、を常に意識せよ。

内容だけを聞こうとするのが、一般人。

内容と形式を同時に聞き、必要があればアドバイスするのが英語教師。

As an English teacher, speak fluently but slowly.  When you listen to your students speak in English, always pay attention to both form and meaning, and be ready to intervene whenever the form is less than satisfactory.  If you just listen to the message, you are no different from someone on the street.  You are getting paid to coach your students.

7/26/2010

チャットなんか要らん

グルグルではただ決まった文を言わせて発音指導するだけですか? それではあまり楽しくないのでは? チャットとかはしないのですか? と質問された。

グルグルは単なる「発音指導」ではない。発音とは音を発することで、すなわちスピーキングである。よりよくスピークできる技能と自信を与えてやるのがグルグルなのである。

どこかの相手と「チャット」させる暇があったら、もっともっとうまく言えるように訓練してやったほうがいい。

だいたい、教室の中で本物の「コミュニケーション」をさせよう、という考えが基本的に間違っている。そんなことは教室の外で、各自が勝手に、自由にやることである。そのときによりよくコミュニケーションができるための基礎練習をやってやるのが教室だ。

Never waste your and your students' precious class time by organizing an internet chat session or the like for them in class.  They are free to communicate outside the classroom.  An English class is not a place for that.  It is a place for preparation, not the real thing.   You can't coach them in the real thing, can you?