試験監督たるもの、
一 少なくとも還暦を迎えるまでは、意地でも座るべからず。30代、40代で座るなど、30年、20年早い。
ニ 試験の間中、受験生を鋭い視線で見ているべし。監督業務としての作業がある場合を除き、下を向いているなど言語道断。
三 この監督者がいるのでは不正行為などとうていできそうもない、と思わせるオーラを出すべし。その結果、全員が適正に受験するような環境を創りだすことこそが仕事である。
四 歩くときには決して音を出すべからず。歩くときに音の出やすい靴を履いてくるべからず。
五 複数の監督者は、常にお互いにほぼ等間隔を保ち、受験生群に対して満遍なく視線を配れるようにすべし。お互いの位置関係を常に意識し、バランスを保つべし。
六 ひとところにとどまらず、常に超低速で、(無音で)移動すべし。超低速とは、秒速1センチメートルである。
七 無音で、超低速で移動すると、下半身の筋力トレーニングにもなり、一石二鳥である。
八 移動しながら視線はランダムに動かせ。あの試験監督は後ろにも目がある、という印象を与えよ。
九 受験生にはソフトな、しかし毅然とした、印象を与えるような話し方をせよ。
十 テストを受けるというストレスのかかる状況にいる受験生に思いやりをもて。