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2/09/2011

気持ちのよい授業

2年ぶりくらいに非常に気持ちのよい授業(公立中学1年)を見た。

まず教師の英語がうまい(語末のNと破擦音、のふたつしか問題はない)。人間としての圧力をもって授業する力がある。

生徒の発音がうまい。足らない点はもちろんがあるが、よくよく鍛えられて、かなりうまい。しかも男子まで声をよく出す。

教室の正面には、特大の、

NO PRONUNCIATION NO ENGLISH

のサイン。

手順は完璧である。活動から活動にテンポよく進む。活動の内容もよく練られてすばらしい。

正の字リピーティング、last sentence dictation、カチカチリーディング(クラス全員で教師と一緒にボールペンをカチカチやり続けながら、それに合わせて本文を音読していく)、ペアワーク、グルグル、flip writing と、よい活動ばかりをやっている。

もちろん、ここはこうしたら?という提案はあるが、基本的には、あれだけいい授業は本当にレアだ。

あんな田舎(失礼!)であれほどの授業を受けている生徒たちは幸せである。

I was lucky to have a chance to observe an outstanding class at a public junior high school in a rural area; the teacher speaks good English, students speak English exceptionally good in the Japanese EFL context, the tempo is good enough to keep students always busy; activities are all designed to improve their command of the target language.  Those students are lucky to have her as their teacher.


2/06/2011

できる生徒には教師はいらない

ちょっと前の「全員が起きてる授業って珍しいのか?」に関連して:

とくに高校では、「本人の問題だから」とか言って、授業中に寝てる生徒を放っておく教師がそう珍しくないように思う。

本人の問題でもあるが、その教師の問題でもある。人と人との関わりとして、放置しておいては絶対にいけない根源的な問題ではないだろうか。

だいたいこれだけ教材と情報があふれている世の中で、英語ができる生徒には教師はあまり要らない。放っておいてもどんどん自分で勉強できる。

教師の存在価値は、どちらかというと、やらなくちゃとは思っているがついつい怠けてしまうようなごくフツーのレベルの生徒を、グイグイ引っ張ってやることにこそあるのである。

寝ている生徒を放っておくような教師は、それだけで人間として最低だし、インターネットの英語教材にはマネの出来ない、生身の人間教師としてのじぶんの仕事の最も中核的な部分を行っていないのだ。

High school teachers who keep on talking in class, ignoring some students sleeping with their heads down, are neglecting one of their most important jobs, which is teaching what is and is not permissible as a human being.

2/05/2011

御礼:グルグルDVDのご紹介

ハレイさんが、私のジャパンライムのグルグルDVDを紹介してくださっています。

http://foreignlanguages.blog29.fc2.com/blog-entry-86.html

最後に、「多くの教師がこのDVD見てもっとこのメソードが広まるといいと思います。」

とのお言葉。ありがとうございます。そう言っていただけると大変嬉しいです。

ペアワークよりもグルグルのほうがやり易い、というご指摘はその通りと思います。

ペアになかなかなろうとしないクラスでも、グルグルならば教師と1対1なので、クラスの雰囲気に関係なく、こちらのペースに引きこむことができます。

I thank ハレイ-san for referring to my DVD set in his/her blog.  He/she is right in noting that GGM is a powerful method to activate your class.

2/04/2011

皆が予習して、起きている授業って珍しいの?

今回書いてもらった授業の感想で、一番印象的だったものが次:


"この授業は、今までの小中高の英語の授業と全く違っていました。今までの授業は、英語の勉強をしているのに、日本語に訳していくのみで、ほとんどしゃべっていませんでした。当然ながら発音を直してもらうこともありませんでした。英語を話せるようになりたいと思いつつ、日本語に直すことしかできなかったので、この授業で実用的な英語を学ぶことができてうれしかったです。"

"また、英語の授業に限らず、今までのどんな授業よりも効率の良い授業だと感じました。みんながきちんと予習をし、誰1人寝ない授業を初めて受けました。歌も楽しかったです。後輩たちや、これから学ぶ人にぜひ受けてもらいたい授業です! 1年間ありがとうございました。
"


効率が良いというのは学生でも感じてくれるのだなあ、というのと、「みんなが予習してきて、誰も寝ない授業」というのがそんなに珍しいのか...という複雑な思い。ちなみに、本人に確認したところ、これは、中高大すべてあわせて初めてだ、とのこと。

それって大問題だろう。

I got a mixed feeling when one of my students wrote that mine was the first course in which no participant fails to prepare for each session and no one falls asleep in class. Is that that exceptional?

2/02/2011

「つづり」は「スペル」じゃないだろ

「つづり」の意味で、英語教師までがスペル、スペルと言うのが耳障りでしょうがない。

例:「採点は、スペルが違っても音が合っていれば(以下略)」

spell は動詞だ。

つづりミスは、スペルミスではなくて、スペリングミス (spelling mistake)だ。

スペリングというか、日本人らしく「つづり」というか、どちらかにして、スペル、はやめよう。

A spelling mistake is an error in spelling, not an error in "spell."



『達人マニュアル』書評 御礼

モナリザさんが、『英語テスト作成の達人マニュアル』(大修館)の書評を書いてくださっています。

たぶん学校英語教育そのものには直接関わっていらっしゃらない方の書評だからこそ、ありがたく感じました。

生徒に対するスタンスが「優しい」などと書いてもらうと、なんだか面映い感じです。

Be kind to your students. というのは我が師、若林俊輔先生の言葉そのものでもあったので。

I'm really flattered by Ms. Mona Lisa's comment, in the review of my book Tesuto saksei no tatsujin manyuaru, that I am kind to, and considerate of, Japanese learners of English, or more specifically, students who are forced to take teacher-made tests at school.

2/01/2011

ABCはアルファベットじゃない

A とかBとかCとか、Fとか、ひとつひとつの文字のことを alphabet だと思っている教師がほとんどで困ったものだ。

おまけに文部科学省でつくっている文書の中でさえ、「アルファベット」を、やはりひとつひとつの文字をさして使っているように読める箇所があり、さらに困ったものである。

LDOCE によれば、 alphabet とは、

a set of letters, arranged in a particular order, and used in writing

とある。

よって、

The English alphabet consists of 26 letters.

The Japanese alphabet has 50 letters.


ということなのである。

The first letter in the English alphabet is A.

のように、ひとつひとつの文字は、あたりまえだが、letter である。

Japanese EFL teachers refer to each letter in the alphabet as "an alphabet," which is a mistake.  A is not an alphabet.  B is not an alphabet.  They are the first letter, the second letter in the modern English alphabet, respectively.