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6/30/2011

I'm possible という「アリエナイ」CM

PCのダイナブックのCMで、

Impossible



アポストロフィー (')

を付けただけで、

I'm possible

に変わる、

というのがある。

趣旨を推測するに、「不可能」はちょっとしたことで「可能」に変わるんだ、と言いたいのだろう。

しかし、困るのが、おそらく、このCMコピーを考えた人間が、

I'm possible. は「私には(なにかが)できる!」

という意味だと思っているらしい、という点である。

言うまでもないが、I'm possible to do this.  というような英語は生徒や学生がよく書く典型的な誤りの一つである。

I'm possible.

の意味を無理に考えるなら、

「私のような人間が存在するのは可能である」

というわかったようなわからないようなことになる。

こういうレベルでいい加減に英語を使う、というが日本の社会では多いような気がする。

このCMがなんとなく頭に残っていたために、

I'm possible to ....

のような英語を書いて☓をもらう中高生、大学生も必ずいるのだろう、と思えば罪な話だ。

育毛剤の サクセス

のCMで、

クセス

と発音しているのが頭に残っていたために、success のアクセント問題を間違えた、と文句を言っていた学生が実際にいた。

他人の授業を見ると腹を立てる生意気な若手

「いい加減な授業、生徒に対する態度が甘い教師を見ると、むかむかして腹がたつ、腹がたつからなるべく見たくない」

という生意気なことを言う新人に出会った。

う~ん、この言いぐさには....




























親近感を感じるねぇ...

このブログを始めたときに最初にアップしたポストが、それと同じ趣旨だし。

あとは、ただのホラ吹き、身の程知らず、ということにならぬよう、精進してもらうだけだ。

歌を通して英語を好きにさせたい、という勘違い

ずいぶん前、ある県の英語教員の研究大会に講演で呼ばれた時のこと。

その県でその年、新規採用になった新人が、一言ずつ全体に対して挨拶する、という場面があった。

その中のひとりが、ギターを片手に、「ボクは英語の歌を通して英語が好きになりました。だから、生徒にも歌を教えて、英語の楽しさを伝えたいと思います!」

と言ったあとに有名な歌を弾き語りで熱唱。

それがまあ、th も f も r も l も、どうしようもないひどい発音。

勘違い教師に教えられた勘違い生徒が教員になって、また勘違い生徒を育てる、という負のサイクルを絵に描いたような場面。

そういうデタラメ英語を話していて「楽しい」と思う人間を育ててはいけないのである。

そのことは翌日、確か本人にも言ったと思う。

今は5年選手くらいにはなっているはずと思うが、どういう先生になっているか?負のサイクルを正のサイクルに変えてくれただろうか。

Sherry was feverish

The reason why Sherry had stopped eating food and drinking water turned out to be that she had fever. Ah, that explains. At one moment she became so weak as not to be able to support her body on her legs. That made us worry like hell. She still has fever but that's not as high as yesterday, and she can stand. The injections seemed to work.

6/29/2011

韓国英語教師、恐るべし

ソウルで二人の若い英語教師と話した。

英語が非常にうまい。発音はほとんど問題ない。流暢性はばつぐん。いままで話したすべての日本人高校英語教師よりも、たぶんうまい。

発音の問題点は、z が言えないこと。Shizuka がどうしても、Shijuka になるし、English only zone が、English only jone となるので、最初は分からなかった。

あとは母音がわかりにくいことがあった。 ae を過度に e に近く、かつ十分な長さがなく発音するので、分からないことが何度かあった。

が、繰り返すが、あとは非常にうまい。

韓国政府が昨年から、英語教師を、TEE 証明書というもので、格付け始めたそうである。TEE すなわち

teaching English through English

という意味で、TEE-M(aster と、TEE-A の2ランクがあるそうだ。

学校の定期試験には、韓訳はゼロ。なぜなら、統一試験にそんなものが出ないから、定期試験にもださないとのこと。

ただし、授業では、必要に応じて韓訳によって、理解させる、と。しかし、テストには出さない、と。それは政府も望まない、と。

すばらしい。

しかも、2015年を期して、全国的に大学入試としてスピーキングテスト(キューに対してスピーチを録音するもの)を導入する計画で準備をすすめている、そうな。

ますます差が開くな。

6/26/2011

KOREAN AIR の英語

今日、羽田からソウルに飛んできたが、機内で聴いたフライトアテンダントの英語、機長の英語は、いままで日本航空と全日空のどの便で聴いた英語よりも、まともだった。

韓国の英語力が日本のそれをはるかに凌駕してきているという事実の、これも小さな表れか?

6/25/2011

生徒の遅刻を怒鳴り上げた翌朝


石を投げたらその後に

 昔も今も私は遅刻に厳しい。遅刻はある意味で欠席よりも罪が重いからだ。欠席は単に本人が1時間分損するだけで周りに迷惑はかけないが、遅刻は授業の流れを妨害し周囲に迷惑をかける。

 福島高専での朝の1時間めの授業の場合は特に気合いを入れる必要があった。中学高校と違い、高専は事実上朝のホームルームがない。高校のように8時30分からホームルームがあれば、8時40分の授業にまで遅刻する者はそうそう出ないはずだが、放っておくと、学生は授業開始の8時40分を目指して登校してくる。しかも高専では英語などマイナー科目の筆頭なので、学生のやる気がちがう。よって、通常であれば朝の1時間めの英語の授業には開始してからばらばらと遅刻者が入ってくる、という状態になる。

 筆者の考えによれば英語の授業の成否を決める最大のポイントは、授業法がコミュニカティブかどうかではなく、全員が定刻に集まり、教科書を用意してあるような態勢(をとるような気持ちになっている)かどうか、である。

 そのようなけじめある雰囲気を高専で作り出すためには特に厳しい姿勢で臨む必要があった。まず遅刻であることをはっきりさせるために、8時40分の授業開始のチャイムが鳴り終わると教室のドアに内側から鍵をかける。コンサート等で曲の途中で入室できないのと同じである。ドアの外の気配で何人か廊下に集まってきたのがわかる。で、頃合いをみてドアを開け、中に入れる。この後はその場に応じてスピーチをさせたり、させなかったり、少し時間をとって説諭したりいろいろだ。ともかく、そのまま席に着かせることはせず、後ろに立たせる。座るためには自分で手を挙げて授業中の質問に答えなければならない。遅刻に対する抑止力にもなり、授業に集中させることもでき、一石二鳥である。

 ある日の3年機械科の授業で、あまりにも遅刻が多かったことがあり、授業を中断して話したことがあった。お前たちはプロの学生だろ。プロのサッカー選手が9時にキックオフの試合の場合に、9時を目指して会場入りするか?それで試合に勝てるわけがないだろ。着替えてウォームアップができる余裕をもって会場に来るのが当たり前だ。ぎりぎりに来る奴は最初から負けている!云々、という感じでかなり力を込めて怒鳴り上げた。聞いている学生の表情を見ているとまずまず反省かつ納得しているようだ。しめしめ、指導がうまくいった。これでまたしばらくは遅刻が減るだろう、と密かに満足してその日は帰った。

 で、その翌朝、前夜の夜更かしがたたったのか、布団の中で気がついて目覚まし時計を見ると授業開始まであと10分であることに気がついた時の筆者のあわてぶりは想像していただけると思う。昨日あれだけ偉そうに説教した自分が遅刻してはしゃれにならない。福島高専までは車で15分。こういう時に事故るのだ、と自分に言い聞かせながらマーチをふっ飛ばして学校につき、駐車場から直接3年機械の教室に駆け込む。8時54分。がらりとドアを開けると90の瞳が、不可解そうに、あるいはにやにやしながら筆者を見つめる。

 「済みません!寝坊しました!」嘘ついても仕方ないものね。「さあ、どうしてもらおうかな~?」という嬉しそうな声が上がる。そこでとっさに、「じゃあ、罰として後ろに立ってます!」と宣言。ちなみに言っておくといつでも授業はずっと立って行っていた。また幸運なことに高専の教室には後ろにも前と同じくらい大きな黒板がある。「と、いうわけで、今日はここから授業をするから、全員机を後ろに向けろ~! はい、Open your books to page 34.」「え~、何だよそれ、ずるいよ~」という声もなんのその、強引に始めて事なきを得た。

 石をなげたら自分の家を強化ガラスにしないと、というお話である。今でも1時間目の授業がある前夜は緊張する。