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8/31/2011

ひでぇ英語 その2

日本の英語教育の中では、最も prestige の高い学会の「50周年記念大会」に来ている。

研究発表は(ほぼ?)すべて英語。

だが.....

う~んんんんんんんんんんんんんんんんんん(以下省略)

この業界の有名人の英語を初めて(←であること自体も問題なのだが...)聞いて、

おいおい。高校生がワザとふてくされて、日本語的にボー読みしてんのかい!?

アンドーって、何?  安藤?  まさか and のことじゃないよね?

という感想を持たされる発表がひとつやふたつではない。

アカンなぁ...

それから、思うのは、

最近 World Englishes とか Lingua Franca Core とかって言うけど、少なくとも東アジアの英語の中で、日本の英語が、ダントツに聞きづらい。母語を同じくする私でさえ、Japanese English がダントツに聞きづらく、分かりにくかった。

とにかく、子音だけでもいいからキチンと clear に発音せよ。

とくに、LとNが盲点だぞ。

I am participating in an academic conference that is the most prestigious in the field of Japanese EFL teaching.  Fortunately, most, if not all, presentations are made in English, but the bad news is that some big names in our field, whose English I hear for the very first time, turn out to be no better than those teenagers who deliberately talk in Japalish because of peer pressure that makes it uncool to sound cool.   What a shame.    People say that we are living in the age of World Englishes where native speaker varieties are not the norms to aim at, which I totally agree with, in principle.  But every English speaker needs to be good enough to be COMFORTABLY intelligible.  And I must admit that the typical Japanese English is the least intelligible of all the varieties of non-native English in Eastern Asia. Work, in particular, on your consonants.  Clearly pronounce /l/ and /n/ to be easy on your listener.  We have a long way to go.  Sigh...

8/29/2011

迷惑なCM その3

マクドナルドのCMで、

390円 というのを、さん・きゅう = サンキュー = Thank you!

にかけて連呼するのが流れている。

たちが悪い。

以前から、390円セットを、サンキューセット、という言い方で売るのはあったのだが、今回とくにたちが悪いと思うのは、前に書いた、ドレッシングの、

フ、フ、フ、フレッシュ

の時と同様、白人の外国人に、Thank you!  でなく、あえて、Sank you!

と言わせていることだ。

Thank you. を Sank you. にかけたギャグだな、と分かるわれわれはよい。

しかし、たぶん世の中の人々の半分以上、とくに中高生は本気で分からない。分からないどころか、

ああ、Thank you. は、3・9 と同じ発音なんだなあ、ガイジンも言っているし...

と思うはずである。

ったく、いい迷惑だ。

日本マクドナルド! 売れれば何でもいい、というわけではないぞ。

企業倫理が問われているぞ。

8/25/2011

おびえさせるのがいいことだ

小学生に対するグルグルの様子を発表した後、知り合いに、

「でも、そんなふうにすると intimidate することもあるんじゃない?」

と質問されて、心の中でため息をついた。

***

もちろんそうですよ。intimidate するからいいんじゃないですか。

という答えも可能だし、

いや、intimidate なんてしませんよ。楽しんでやりますよ。

という答えも可能だ。

どちらも真実だ。

わかるでしょ?

***

しかしお稽古事でもなんでも、小さい子どもでも厳しくレッスンする分野は枚挙に暇がないと思うだが、どうしてこの言語教育の分野だけは、みなさん、 

楽しく、リラックスして

という固定観念にとりつかれているんでしょうか。

8/24/2011

音読指導とオーケストラとシャドウイング

私のやる音読指導(コーラス)と他の人の音読指導(指導になっていないことが多いと思うけど)の一番の違いは、一回一回、生徒の発する音声を真剣に聞いて、ピンポイントのアドバイスをするかしないか、だと思う。

生徒が一斉に発音していると、合っているかどうか聞き分けられない、とよく言われるが、聞き分けられないというほうが信じられない。その気になって聞いていれば、実によく聞こえる。

その気になって、というのは、L1 Japanese EFL learner の発音の傾向を踏まえて、その部分にあらかじめ注意を集中して聞く、ということだ。

the を za という者がいないか。いないことのほうが珍しい。

like を rike と言うものがいないか。いないほうが例外的だ。

40人全員が、the と言っている時の音と、中の3人が za と言っている時の音は、明らかに違う。

like と rike はもっとよく分かる。

それを指摘して、全員が意識して再度発音したときの音は、明らかに違う。

それから、生徒が話している時、あるいは歌っている時、いつでもどこでも何度でも、躊躇なくそれをストップしてフィードバックをするかしないか、だと思う。

どうも、

「生徒様が気持ちよく話しているのを止めては失礼なのではないか」

「お子様が頑張って歌っているのを途中で止めては心を傷つけてしまうのではないか」

「学習者様がせっかく話しているのに、くだらない些細な点で『注意』したりしては、萎縮してしまって悪い影響がでるのではないか」

さらにはっきり言うと、

「ヒトサマが話しているのを途中で止めたりしたら、ワタシのことを嫌いになってしまうのではないか。嫌われるのは嫌だ。それはコワイ....」

という、「英語の」教師としての仕事を履き違えているというか、大きな勘違いというか、小心というか、情けないというか、保身というか、だからダメなんだよ、馬鹿げているというか、そういう心理が働いているのかも知れない。

オーケストラの練習を見たことがあるだろう。指揮者は気に入らない部分があれば、かならずタクトを譜面にたたきつけて演奏を止め、不満な部分を指摘し、何度でも練習するだろう。

あれとまったく同じである。

アドバイスをしないのだったら、わざわざ人間の教師がモデルを示す必要はない。CDで十分だ。

そしてもしかすると、近年の、シャドウイングブームと、自分で音読「指導」をする自信がない教師が多いのと、関係があるのかもしれない。

自分のコトバでダメ出しをしたり、アドバイスをしたりする力がない、あるいは自信がない、あるいは生徒に嫌われるのがコワイ、ような教員が、

「CDについて一緒に発音させておけばぐんぐんうまくなる魔法のメソッド」「自分で『手を汚さなくても』生徒がうまくなる都合のよいメソッド」

に、これ幸いと飛びついている、という面があるのではないだろうか。

そうでない、なら幸いだけれども、残念ながら、おそらく当たっていると思う。






8/22/2011

ひでぇ英語...

いやあひどかった..

あれで「英語の授業はこうやって英語でやればいいんですよ」って言われてもね。

ああではいけないという見本みたいな状態。

あれが一般人の英語学習者ならいいですよ。自信たっぷりに、余裕をもって、ユーモアを交えて。

しかし英語教師があれじゃあね。あれで何年も実践している、というのだから絶句。

TH も L も R も V も 母音も、おまけにリズムも英語じゃないしね。

それを生徒が、この先生は英語がうまいから好きだ、って思っているのが哀れ。というか、なんというか。

あの先生より、オレが教えた小学5年生のほうがよっぽど英語らしい英語を話すぞ..... 使っている構文も同じだし。

もうひとりのほうも、あれもあかんね。なまじペラペラと流暢性はあるのだが、子音が全部ほぼカタカナで、いい加減、unclear   sloppy  などの形容詞がすべて当てはまる。

CLT って she得るティー  か?  思わず吹き出した。 おいおい..... 心・技・体の「シーアーチン事件のS君」を地で行っているじゃん。

だいたい、英語教師が英語学習の話をしていて、English を Engrish と言ったり、

learning が、子音も母音もいい加減だから running だかなんだか文脈がなければまったくわからない、っていうのは、

滑稽+哀しい+バカバカしい+笑いたくなる+泣きたくなる+状況が哀れ...

とにかくひどい。

しかしあれが現実なんですね。

小学校の教師だけでなく高校教師までどうしょうもないのだから、まあどうにもしょうがないね。

また、ひどいという自覚がないから堂々とやってくれるから困る。

というか、お互い英語を教えるプロ同士なのだから、そのあたりをお互いに指摘しあって気づきあい、高めあう、という相互作用は起こらないのか?  気づいても黙っているのか、それとも気づかないのか? 気づかないなら、授業をして金を取る資格はないだろ。マジで。

自分の保身、お互いのメンツだけを考えないで、その人に「英語」を教わっている何百人の生徒たちのことを思うべきだろ。




8/21/2011

神奈川ワークショプ「レディガガと入試長文で音節感覚を養う」の参加者感想


○実践的で普段の授業などで応用できそうである。教師の練習が必要であるが。

○リズムの大切さを感じた。音声だけでなく、長文でも役に立つことが分かった。内容のレベルが高くしんどかった。

○音声の重要性、音素、リズム、意味との関連付け指導など、参考になりました。また英語の歌をちゃんと歌えないとそれを使って指導するのはムリということが体験できました。

○音節については午前中にまとめ上げて、午後は別のお話の方がよかったです。

→音節は半日で体得できましたか? 単なる「話」をするつもりはありません。ひとつでもふたつでも、「できる」ようにして差し上げることを目標にしています。

○今まで全く知らない内容で新鮮でした。リズム感がなく苦戦しましたが音感のよい若い世代の生徒には楽しみながら英語の音を体感できるように感じました。

○歌を使うと音節を意識するので、面白いアプローチの仕方だと思いました。歌う際には嫌でも音節を意識せざるをえないので、ただ曲の聴き取りをするよりはずっとよいと思いました。入試長文の方は少々難しいと思いました。もう少し易しい英文がよいかもしれません。
→易しい英文でやると、「俺たちは入試に対応するもっと難しい題材を使っているので、こんなのは関係ない」と言われます。どうすればいいの?


○歌うことは楽しいと思った。歌うことは娯楽にとどまらず強弱リズムの練習、音がつながること等に触れることになるので授業内の付録や息抜きではなく中心教材として認識されるべきだと思った。
→その通りです。実践あるのみ。


○英語のリズム感については日ごろ指導に取り入れていますが、複雑な文構造のものについての指導法など具体例があり、とても参考になりました。

○英語のリズムについて改めて気付かされた。

○音声についてもっと学ばなければいけないと思った。

○細かい発音指導をされるのが新鮮でした。’th’  ‘l’  ‘n’ など。“今風”の歌(レディガガ)は自分では利かないので勉強になった。でも1人でアカペラで歌うのは難しそう。メロディが覚えられない。

○本の内容が実践的に理解できて非常によかった。生徒側の雰囲気が分かった。

○自分のリズム感のなさが残念な感じでした。普段読む時にもやってみたいことがたくさんあり。うまくいけばとっても盛り上がる気がします。

○リズム・音節の指導について書籍では分かりにくい体験型の講演で大変参考になりました。

○前半の説明は少し長過ぎたが、後半はとても参考になった。特に単なるリズム練習ではなく、文構造の理解につながっているところが感心した。飽きない程度の導入はどのくらいが適当か、考えさせられるところ。
→?説明した覚えはないが...


○音節を意識して授業するという観点が面白みがありました。授業で少し取り入れたことはありましたが、すぐにつまってしまいましたが、今日ヒントを得ることができました。

○“リズム読み”の面白さを体験できた。私の勤務校でも靜先生のメソッドと(と似ている)で授業をしている同僚がいるが、「生徒を引き付ける授業の展開には学ぶことが多い。

○発音、イントネーションに関して耳の痛い内容でした。後回しにしていた音節の重要性を痛感したので、できる限り生徒に還元したいと思います。

○行動しながらのリズムの習得は興味深い。

○音節という概念に、改めてその重要性を感じました。今後の指導に役立たせると共に、自分自身の発音を正し、リスニングの向上にもつながると思いました。

○まずは自分の英語の訓練に役立てようと思います。

○面白かった。イントネーション改善、授業に役立てたい。内容がフォーカスされているので、ブレなくて良かった。体力的にハードだったので、先生はかなり鍛えられているのでは・・・!!

○歌や入試問題、スピーチなど色々な題材を活用して音節感覚を養う指導法に衝撃を受けました。筋トレなども取り入れてだと靜先生のように実践はできないと思いますあ、歌やtextなどのヒントにしていきたいです。

○興味深かった。刺激的だった。

○このような方法もあるのかと思いました。

○発音に関して自分も靜先生のような姿勢で取り組まねばと思いました。Born This Wayはアカペラで歌えるようになって高1の授業で使いたいです。

○運動部に所属していて英語Ⅱ苦手意識を持つ生徒に適したトレーニングを探していたときだったので、大変参考になりました。

○リズムを使用した学習は記憶に良く残ると思いました。全ては難しいです。授業にも一部利用してゆきたいと考えています。

○一日中動き回って、声をだして過ごさなければならなかったのである意味大変でした。

○音読って大変だと思った。

○音節について、自分が知らなかったことを教わり、目からウロコでした。Lady GAGAが歌えるようになれ、授業で取り入れようと思いました。

○音節を意識した読み方の指導の方法がよく分からなかったがストンと落ちる話を実践でとても役に立ちました。

○先生の著書は拝読していますが実践を体感できてとても良かったです。とても楽しい学びでした。普段音節と言うことを自信も意識せず、ましてやそれを教えるという視点がなかったことに気づきました。

○音楽を使った生徒参加型のプログラムで大変興味深かったです。

○日ごろ、あまり授業で取り上げて来なかった音節を意識したreading法(というかspeaking法?)をとても新鮮な気持ちで教わりました。自分自身のspeakingの練習になりました。

○ポンポンパタン、ぐるぐるメソッドの実際が分かり(本では読んでいたが)参考になりました。最後の質問のあとの、”one word replaced”などのテクニックについてもっと教えていただきたかったです。
→『英語テスト作成の達人マニュアル』を読んでみてください。

○音声面で多々示唆を得ることができたように感じます。

○一音節をリズムでとらえることで、スムーズに音読ができるように思いました。リズムの大切さをこの研修で学びました。

○身体を使う、声に出す→音節を意識する自分自身の音節の感覚が弱いという発見がありました。

○大変示唆に富んだ内容でした。音声指導の知識不足を実感しました。ただ、いわゆる「困難校」勤務の身としては、「どのように本日の内容を活かせるのかな?」という部分を感じました。ややハイレベルに感じました。
→そんなことはないですよ。小学校でもやってます。題材レベルを生徒に合わせるだけ。原理は一緒。


<研修内容は今後の授業に生かせそうですか?>

○英語を正確に発音できるようになりたいと思う生徒は多いので日ごろから発音指導もコマメに取り入れたいと思いました。教師が実際に使ってみせないといけないと思いました。

○授業に歌を取り込むことはいくつかの理由でとてもやりにくいです。せめて強弱リズムの練習だけでも楽しく実践してゆきたい。

○リズムをつけて読むことや足踏みをしながら読むことはすぐに実行できそうです。

○夏休み明けに音節をぜひ授業に取り入れたい。

○リーディングの授業で音節グルグルメソッドを実践しようと思う。

○歌いっぱなしではなく音節を意識したリズムからの練習を授業開始後に入れてゆきたい。

○音節を重視した読みを授業に生かせると思います。

○音節の大切さは体感できたので取り入れようと思います。歌は全部歌えなくても一部分切
り取っても十分に読ませ、「歌おう!」という体験を持たせようと思います。
 →そうそう。サビだけでもいいんですよ。


8/19/2011

イラッとした質問 その1

Lady Gaga の Born This Way を高校生に1時間半歌わせた(ことによって、音節の大切さを訴えた)あとの、その学校に来ていた教育実習生の質問:

「きょうは、音節が大切だ、という話でしたが、その他にどんなことが大切ですか?」

答: 

その他にって.. 大切なことはいくらでもあるけど、中でも音節が重要だから今日はその話をしてトレーニングをしたんだよ。その他に、とかって思う前に、きょう言われたことはできるようになったのか?