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8/05/2011

フレッシュな犯罪

まえ、クセスというストレスの育毛剤の罪の話を書いたが、また迷惑千万なCMがあった。

食品メーカーが、

フ、フ、フ、フレッシュ! 

といいながらドレッシング?を広告するのだが、これがひどい。

ご丁寧に、白人のタレントを動員して、

f...f...f... fresh ではなく、

わざわざ、

Hoo..... Hoo....Hoo.... Hoo-lesh

というように Hoo の部分で、口唇を突き出させて、円唇化して強調して、現実にはあり得ない発音で言わせているのである。

まったく許せん。

日本人のタレントを使っておなじことをするなら、まだ、カタカナだからということいいのだが、白人の口をあんなふうにしてあんな音を出させるとは。

本当にああいう発音なのだ、と思ってしまう子どもが必ずいる。

毎日、教室で、いかにして /f/ の出し方を習慣化させようかと、時に女子学生の下唇をあやうく掴みそうになるくらいの勢いで、奮闘努力している私のような英語教員からしてみると、あんなCMを作るメーカー商品の不買運動を起こせ! と言いたくなるほど迷惑である。

フザケルナ。

英語ディベートコンテストの基準を変えよう

というか、英語スピーチコンテストの審査基準と同じような基準を、学習者による英語ディベートコンテストに採用すれば問題は解決する。

スピーチは、概ね

content
pronunciation
delivery

(この delivery が何を指すのかいまいち不明だ、というのはさておくとして)

で採点されるのだから、それにならって、ディベートも

logic
pronunciation clarity (segmental)
pronunciation appropriateness (suprasegmental)

などとして、すくなくとも、英語の音声面の適切性を、50%とか、60% の比重で評価するようにするのである。

考えてみれば当たり前の話だ。あくまで英語学習者が、英語がうまくなるためにやるディベートなのだから。

いや、そうではない、ロジックの切り返しなどのディベーティング自体のトレーニングが目的なのだ、というなら、ああそうですか、それならどうぞご自由に、といいたいところだが、どっこい、少しでもまともな英語を話させるようにしたい当方としては、デタラメ早口英語を奨励されるのは迷惑千万である。

それなら、日本語でやっててくれないかなぁ..

8/04/2011

ディベートって、意味あんの?

外国語とか第2言語学習者が、その言語熟達度を上げるためにやるディベートは果たして意味があるのだろうか?

あるのかも知れないが、少なくとも私(高校教員時代にはESSの顧問としてディベートの試合も何度となく観戦したし、日本の全国大会クラスだという大学生ディベーターとも英語で話したこともある)が過去に直接見聞きした日本人(高校生と大学生)ディベーターで、うん、こうなれるなら確かにいいなあ、と思える英語をしゃべっていた者は、ただのひとりもいない。

端的に言うと、カタカナ発音・早口・屁理屈大会、としか思えん。

しかし、ネイティブのディベーターを見ると、なるほど、こうなりたい! と思うような話し方をする人ばかりである。

当たり前である。ネイティブだから、言語自体の運用力はあるので、あとは話し方とか論理の切り返しなどを鍛えるのがディベートの目的なのだ。

しかし、ノンネイティブ(学習者)が、本来ネイティブのためのディベートをやるとき、時間内にできるだけの論点を述べる、というルールのために、不完全な言語運用力が、歪んだ形に収斂していくのはさけられないだろう。

発音はどうでもいい、リズムもどうでもいい、とりあえず内容が伝わればいい、(あるいは、うがった見方をすれば、相手チームにわからないような発音で話せば有利になるのか?)というルールでやるために、日常生活にもどせば、聞きづらい、レベルの低い、やたら早口の、自分は英語がうまいのだ、という勘違いの上に成り立っている英語にしかならないのではないだろうか。

これが私の無知による結論であれば、それは嬉しいことだ。学習者ディベーターで、まともな英語を話している人がいるのなら、それは嬉しいことだ。一度、そんな人に会ってみたいものだ。本当に。

しかし少なくとも、現在の高校英語教育の実態を考えた時、特別な活動として、特別なルールのもとに聞きづらい英語を話す訓練をするディベートという名前の活動などよりも、やることはもっともっとある、ことは間違いない。

ふつうに、まともに音読できる、ような生徒、ふつうにまともに read and look up できる生徒、を育てるのが先決だ。

8/02/2011

エレック講習会の参加者感想

をアップしました。

https://sites.google.com/site/zukeshomepage/publications/invited-talks/289-kanso


最近私は、英語のリズムについて語る時に、4拍子だとか、3拍だ、とかいう表現を多用し、タクトのように見える棒を振り回すため、多少音楽をやっていた人間で、音楽理論をもとに英語のリズムを語っている、と思われているフシがあり、そのために、「そんなこと言われても、こっちは音楽なんか分からないよ!」と、先入観で受け入れを拒まれてしまうことがある、と、」今回のコメントを読んで気づいた。

まったくの誤解です。

楽譜はまったく読めません。

カラオケが好きなだけの、ただの素人です。

タクトに見えるのは、200円でかった菜箸をサンドペーパーで先端を丸くしたものです。

だから、決してそんな難しいことは言っていませんから、先入観を捨てて聞いてください。

速音読って...

速く音読すると「英語脳」が作られる..とかいう説が巷間に流布しているのだそうな..

こまったもんだねぇ..

ゆっくりまともに音読できない人間が速く読むのは絶対反対、というか、別に他人のやることに口出すつもりがないですが、そういうのをさせられる生徒は可哀想ですね。

速く音読しようとするのはよいですが、それには、すべての音をキチンと発音して、リンキングして、英語の stress-timed rhythm で読みながら、という条件つきです。

その部分をすっとばして、デタラメ発音早口音読をやって、なにか益があると思うほうがおかしいだろうが。

そういう指導を中学・高校で受けてきた犠牲者がうちの大学にもたくさん入学してきます。みな英語が得意だと思っている学生です。その擬似英語を全部 unlearn して、正しい筋肉習慣を一から learn するのですが、当然、非常に大変な作業です。本人たちも中学高校の英語授業を振り返って憤っております。そして、自分たちのような犠牲者を出さないために、自分はまともな英語教師になろう、と決意を固めます。

シャドーイングにしろ、速音読にしろ、巷に流行る「とんでも理論」にはなにか共通点がありますね。

普通の指導が満足にできない、自信のない教師の心のすきま、弱みにつけこんで、とんでもないものを売りつける、という点では、霊感商法に似ていなくもない。

音読は、まず、ゆっくり、きちんと、一音一音噛み締めながら、正確にしなさい。それができたら、徐々にスピードをあげなさい。ゆっくり読めないうちに速く読もうとするのは、100年早い!

中学の授業ふたたび!

秋から2年半年ぶりにまた....


中学生を教えられる


ことになりそうである。

おお神よ、ありがとう!

Great!!

Just perfect!!

8/01/2011

生徒は萎縮しませんか?

今日の教員研修での質問と回答:

質問: 先生みたいに、こまかく発音をチェックすると、生徒は怖がるというか、英語を話すことに対して萎縮しませんか?

回答: します。そしてそれはいいことであり、必要なことです。間違いを恐れずに話せ、というのは大きな間違いです。間違いをしないように、気をつけて話さなければ、いつまでたっても上達はありません。

教師がダメ出しをしないと、生徒はそれでいいと思います。そうして3年、6年と英語を学習しながら、実は自分の英語がダメ英語であることに気づかずに過ごします。

そうさせるのは、教師の罪であり、サギ行為です。