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6/10/2021

「主体的で対話的で深い学び」というスローガンのなす100害

 本日の実習生の授業を巡って感じたことのひとつは、例のなんとか省が言っている「主体的で対話的で深いナンチャラ。。。」という空虚な文言が独り歩きして、すくなくとも英語という教科は結構迷惑を被っているな、ということである。

どういうことかと言うと、今日の実習生授業はかなり忠実に指導教員の授業を模倣しており、その授業がどちらかというとトラディショナルであったのだが、それを見た管理職が「(文科省がめざしている方向に照らして)いかがなものか」という批判的な姿勢だった、という構図だったということだ。

学習の一般論として、受け身よりは主体的、一方的よりは対話的、浅いよりは深いほうがいいのは当たり前である。が、それを一律にすべての教科や科目に押し付けるという発想がおかしい。

「主体的」に学ぶのはお題目としてはいい。が、それが教師主導のトレーニングを否定的にとらえるためのお題目になるならば、有害だ。生徒に達成感をもたせれば、もっともっと上達したい、と主体的になる。教師が「引いて」しまっては意味がない。

「対話的」もべつに授業が対話的である必要はまったくない。とくに英語や体育や音楽のような実技的、スキル養成的要素がつよい教科では、内容的な対話、問答は出る幕がないことも多い。教師のほうが100倍スキルが上である(はずな)なのだから、思い切り上から一方的に効率的に知識と技能を伝授するのがよいのである。

「深い」学びもなにも、現代社会や母語である国語とはわけが違う。外国語である英語はまず単語を増やして文法を覚えて使い方に慣れて、というような読み書きそろばん的な問答無用のトレーニングが大切であり、理屈をこねる前に腕立て腹筋100回やれ、という話が重要なのである。そうでない、という英語教員がいたら、たぶんその人は腕立て腹筋100回ができない人だろう。

私の教え子教員たちには、自信と確信をもって、指導者主導で、一方的に、とりあえずの表面的な知識でもいいから単語の意味や文法事項の使い方を、ガンガン問答無用で注入してほしい。

理屈をこねるのは例えば3000語が使えるようになるといったthresholdを超えてからでよい。読み書きそろばんを一段下に見ているのか?スキル科目の教師を馬鹿にしないでもらいたい。


4/24/2021

生徒/学生の「聞き間違い」を活かすフィードバックと発音カタカナ表記の話

<学生へのLINEのコピー> 

きのうの、What if I ....を、What define ..と書き取った人がいます。

これはとても貴重な情報なのですよ。つまり、what if I ...が、自分の耳にどう聞こえたのか、つまりどういう音で発音されたのか、に関する非常にいいヒントです。

(もし自分の生徒が、こういう書取をしたら、たんに「間違い」で片付けてはだめ。)

どういうことか。  What if のtは、アメリカ発音だと、d化することがおおい。 whad if → wha  dif 

そしてもちろん  if i は、  i fi  イファイ のようにつながる。

だから、 define のように聞こえたのは、ある意味正解なのです。

そう聞こえた「耳」は正しかった。その耳からの情報を、ただしく  What if I ...と解釈する「脳」が足らなかった。

普段から自分でも、 what if I ...を、ワディファイ..と言っていれば、すぐにわかるようになるのです。

それから英語教員志望者向けの話: 一般論として、こういう発音のカタカナ表記は、こうやってピンポイント的に(正しく)使うと、非常に有効です。 とくにリンキング部など。

教育実習で場合によってはプリントで、ところどころ英単語にカタカナを振らせる場合があるのですが、そういうとき、なるべく「よい」カタカナをふりましょう。

私は小学5年生のとき、ラジオの基礎英語をテキストなしで聞いていたとき、 あとから思えば、 Yes, it is. だったのを、音だけから、 イェ〜s  ィリエ〜z と聞いていました。

 a lot of apples アラーラvエァポウz   とかね。

音声学に裏付けされた、「役に立つカタカナ表記」を身に着けましょう。





4/04/2021

Speak Out!【Kindle本出版のお知らせ】

Speak Out!: Connecting the Four English Skills がようやくKindle本として出版にいたりました。CreAid Learning 社としての最初の出版物であり、その著者になれたことを光栄に思っています。

大学の入門レベルの学生を対象として、Kindle、音声、動画が立体的に組み合わさった我が国初のマルチメディア英語教科書です。試し読みができますので、どうぞ覗いてみてください。スマホ、タブレット、PCのいずれでも読むことができます。

なお、授業での使用を前提とした教科書であって自習用ではありません。Kindle内でインタラクティブに解答の正誤判定がなされる、ということではありません。正解はあくまで授業で採用してくださった先生を通じて提供されます。

発音練習のための付属アプリ(App Store / Google Playで別途¥250)もありますが、只今、絶賛、最終仕上げ中ですので、少々お待ちください!

よろしくお願いたします。著者


3/24/2021

電子教科書 Speak Out! のサンプル動画と音声が聞けます

クリエイド・ラーニング社から刊行される、大学生用の電子教科書  Speak Out! のサンプルです。スマホ、タブレット、パソコンで利用できる教材で、会話練習や発音チェックのアプリも付属しています。こちらのURLから音声や動画を聞いていただけます。















1/29/2021

「目隠しリピーティング」を紹介してもらいました。

目隠しリピーティングって?

ブログの筆者は私が高校教師時代に担任をしたMamikoさん。英語を教えた高校生がいまこうやってご自身で英語を教える仕事に関わっているのはとても嬉しいことです。

1/13/2021

新刊教科書の紹介のためのウェビナーを1/23に行います。

 金星堂 新刊ウェビナー2021


2021年度英語教科書新刊の中から4点について著者ウェビナーを開催します。
対象は大学・短大などで英語授業をご担当の先生方となります。
(お申込みにはzoomのアカウント登録が必要です)

なお、事前に下記の各教科書のURLより見本をご請求いただき、
お手元に見本をお持ちいただいてご参加いただくと、より一層内容を理解しやすくなります。
是非、事前に見本をご請求ください。

日時:2021年1月23日(土)13~15時(終了時間は予定です)
内容:
13:00~13:30(うち質疑応答10分)
『Active English through Movies / アクティブ・ラーニング型 映画で学ぶ英語4技能』
https://www.kinsei-do.co.jp/books/4125/
登壇者:塩見佳代子 先生

13:30~14:00(うち質疑応答10分)
『World Insiders―Authentic Videos from INSIDER / INSIDERで観て学ぶ 総合英語と世界の深部』
https://www.kinsei-do.co.jp/books/4121/
登壇者:吉田国子 先生

14:00~14:30(うち質疑応答10分)
『Easy Writing Output! / ライティングから始める英語アウトプット』
https://www.kinsei-do.co.jp/books/4122/
登壇者:鬼頭和也 先生

14:30~15:00(うち質疑応答10分)
『AMBITIONS Beginner /4技能統合型で学ぶ英語コース:入門編』
https://www.kinsei-do.co.jp/books/4119/
登壇者:靜哲人 先生

【事前登録はこちらから】

https://zoom.us/webinar/register/WN_ANTN5WCvSWCSSRe4sCy6dg
ご登録後、ウェビナー参加に関する確認メールが届きます。

1/09/2021

デジタル「教科書」の日本語ネイティブ英語教師の英語がこれでは困る

このビデオに出てくる日本語ネイティブ教師役の方の英語発音ですが、もうすこしなんとかして欲しい。シュワもヘチマもない感じある。またLも限りなく微妙だ。「先生」はもっともっと先生らしい英語を話していただきたい。これは「英語があまり上手くない」という日本人英語教師の悪いステレオタイプを敢えて採用しているのか?「教科書」にこれを出すのはいくらなんでも、いくらなんでも....では?