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9/16/2011

恐るべし韓国SAT と韓国文部省

韓国シリーズの続き。

日本のセンター試験にあたる通称 Korean SAT は、100語程度のパッセージにひとつの設問 というのが50題(だったか40題だったか?)。

で、現在までに収集した高校の定期試験を見ると、どの高校も教科書題材を使って、それとほぼまったく同じ問題形式。

瑣末な問題やミニクイ問題や韓訳問題はゼロ。

「では個別大学は独自試験はしないのですか?」

「しません。文部省が許さないのです。それをすると、予備校通いが加熱しますから。」

むむ。

すばらしい。

同じ強権発動でも、「英語は『勉強』してはいけない。文字は見せてはいけない。無理に繰り返させてはいけない。発音を直してはいけない。覚えなくてもいいのです。」などのオイオイ発言ばかりを繰り返す日本のauthority (オカミ)とは何たる違いか。

やっぱりトップがまともな場合には、「トップダウン」だと物事がいい方向に進むんだね。

2002年の『テスト作成の達人マニュアル』では、大学入試から英文和訳をなくして、リスニングを5割にすれば全国の高校生の英語力は確実にアップする、と書いたのだが、わが国ではいっこうにそんな気配はなし。

さらにさらに、数年後にはその全国版 韓国SATに、なんとスピーキングテストを導入すべく着々と準備している!

「どうやって全国の学生をスピーキングテストを受けさせるのですか? PCでしょうけど。」

「はい。PCでやるのですが、会場をいくつも用意しておいて、年に数回受けられるようにします」

「なるほど。すると一回一回の問題(スピーキングのテーマ)が違うのですね?」

「そうです。そして採点は pass / fail だけなのです。」

「なるほど。それなら実行可能ですね。で、誰が採点するのですか?」

「私たち、高校教師です。いま、高校教師を選抜して、採点トレーニングをさせられています。採点者間信頼性と採点者内信頼性が確保されるように。」

なるほどねえ。それなら十分全国レベルでも可能だよね。一定レベルのスピーキングなら合格にする、資格試験みたいな感じか。

だけど日本の状況を見ると、高校生にスピーキングテストを導入するまえに、英語教師にスピーキングテストを受けさせて、ダメなら合格するまで教員免許を取り上げたくなるような連中のほうが方々も多いので、そこから始めたほうが良さそう...