ある場面で、英語ネイティブが日本語で、
「. . . 印象は良かったです」
と言った(少なくとも本人の意図はそう)とたん、一瞬笑いが起こった。
それは一瞬の誤解にもとづく笑いであった。
周囲は、「印象」を、「委員長」と聞き間違ったのだ。この場面でこの話者が「委員長は良かったです」というのは、上から目線のユーモラスな発言にきこえたので、周囲は笑った。実は話者自身はそんなつもりはなかった。
なぜ、印象が、委員長に聞こえたのか。
(1)強勢を、最初の「い」に置いたこと。
(2)英語ネイティブの御多分にもれず、「い」と「いー」の区別ができず、「い」が「いー」になっていたこと。
そして、なによりも、
(3)「ん」を、英語の N で言ったこと。
である。Nは舌先を歯茎につけるので、INSHO と言うと、事実上、 INCHO に近くなるのである。
干渉 は、 浣腸 に、観衆 は、 寒中 に、聞き間違えるような音になるだろう。
逆に言うと、日本語母語話者も英語では、Nでは舌を歯茎につけねばならない。つければ、
PRINCE は、 PRINTS に、 ONCE は、WANTS に、非常に近い音になる。