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2/19/2017

気持ちをことばにのせて

もう10年近く前だが、非常勤として勤務していた中学校(関大一中)で行われた暗唱コンテストで審査委員長を務めたことがある。

当時お世話になっていた先生から、今年もまた暗唱コンテストを行うにあたりあの時に私が書いた挨拶を是非パンフレットに載せたい、という要望をいただいた。

光栄なことであり、もちろん使ってください、と返信したが、その挨拶を改めて読み返してみて、我ながらなかなかよいことを言っているように感じるので、ここに載せる:

―英語暗唱コンテストによせて― 
名誉審査委員長
大東文化大学 教授 靜 哲人 
人は気持ちを言葉にします。言葉とは音声です。だから音声は気持ちなのです。 
暗唱とは決められた一節を「暗記して唱える」と書きますが、不思議なことにうまく暗唱するコツは暗記しないことだ、と言われています。もちろん最初から覚えていないのではお話になりませんが、一度完璧に覚えたらいったんそれを忘れてしまうことです。そしてその白紙の状態から、自分の「気持ち」を言葉にのせて相手に伝えようとして語ることが、結果的に聴く者の心を打つ暗唱につながるのです。 
「うまく」「すらすら」「間違えずに」暗唱しようとする必要はありません。それよりも、できる限り聴いている人たちひとりひとりの目を見ながら、自分の気持ちを言葉にこめて相手に伝えよう、としてみてください。気持ちが言葉に乗ったとき、優れた暗唱が生まれるはずです。 
出場者のみなさんの「気持ち」を受け取るのを楽しみにしています。

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今年、実際に中学生のパフォーマンスを見にゆくことはできないが、きっと気持ちののった英語を届け合うコンテストになるだろう。