<自らの著書を手に微笑む小林翔氏>
パラパラとブラウズしてみると、いわば私の『英語授業の大技・小技』(研究社)のセバス版という感じで、若い中堅教師が、これでもか、と自分のノウハウを惜しげもなく公開している本に仕上がっているようだ。
私が38歳で『大技・小技』を出したのが1998年。それから約20年経った2017年に34歳の弟子のセバスが出したのがこの『活動アイデア50』。
この約20年間で、英語授業の「技術」はどのくらい進歩したのか(しかし本質は変わっていないのか)、ぜひ読み比べてみるとおもしろいだろう。
『大技・小技』の著者自己紹介で私は「趣味は授業。夢は地上最強の英語教師を育てること」と書いた。そして小林氏は本書のあとがきで、自らのことを「趣味は授業。地上最強の英語教師になるのが夢だ!」と書いている。
柔道経験者で、「受け身」(=もちろん受動態のことですが...)の導入のために、柔道着で教室に乗り込んでいきなり「受け身」の実演から入って生徒の度肝を抜く、といったパフォーマンスのできる小林氏は、まさに「地上最強の英語教師」への道を一直線に進んでいると言えよう。
パラパラと読んで、「お!」と思ったのは、
15 音節とリズム感覚を養う Limericks (p. 90)
である。これはやられた。。素晴らしいね、セバス。
少し前のポストで、噂に聞くと随分物議をかもしたらしい、高校は「クソ」でした に出てくる高校英語授業とは対極にあるような、うっとおしいくらいに熱い熱い授業を展開する東京都でもいまや主導的な立場にある中堅高校教師の渾身の一冊なので、とくに若手の、やる気のある高校の先生、是非手にとってみてください。勇気がわいてきますよ。書店に並ぶのはもう少し先になるとのことです。
**** 以下、心の声 ****
『大技・小技』は若林先生に読んでいただくことはできたが、『英語テスト作成の達人マニュアル』(大修館)のときにはタッチの差で天国に旅立ってしまわれていた。オレはセバスの二冊目を見るまで元気でいるぞ。