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10/27/2017

英語スピーチコンテスト行います

どうぞお運びください。


スピーチはペラペラ話すな

スピーチコンテスト出場者各位

同じテンポでペラペラ話すのではなく、緩急が大切です。

ここぞ、という部分では、とくにゆっくり一語一語区切って発音したり、大切なことを言う直前には「間」をとって、ため、一瞬聴衆に考えさせたり、というのが必要です。

あなたは何十回も唱えているスピーチも、聴衆は初めて聞くのです。言っている内容が、ひとりひとりに理解されているかな、ということをモニターしながら話そうとすれば、自然と、テンポも調整されるのです。

あらかじめ暗記している内容を高速でぶちまけるのでなく、その場にいるひとたちに、その場で「語りかける」つもりが大切です。

英語教員志望者対象特別講演会、開催しました

セバスこと、小林翔先生をお招きし、特別講演会を開催しました。

以下、大東文化大学のHPから引用:

http://www.daito.ac.jp/education/foreign_languages/department/english/news/details_23723.html
2017年度の英語教員志望者対象特別講演会は、東京都立白鷗高等学校・附属中学校の小林翔先生をお招きし、「『趣味は授業。夢は日本一の英語教師を養成すること』に魅せられて」と題して講演していただきました。 
小林先生が母校の関西大学大学院で本学科の靜教授から刺激を受けて以来、ご自身で温め膨らませてきた現場で活用できるアイデアの数々をふんだんに盛り込んだ参加型のワークショップで、参加学生たちは、小林先生の玉手箱から次々と出てくる活動の数々に実際に取り組みながら、生徒を積極的に動かしながら活動を進める方法を体験していました。後半では、小林先生の実際の授業映像を交えながら、教室でどのような活動を行っているかもご紹介いただきました。 
最後に、学生たちからはさまざまな質問が出され、小林先生にアドバイスをいただきました。学生たちは小林先生の「現場マインド」と熱い思いを受け、教職を目指す気持ちもさらに高まったと感じました。


40名ほどの学生たちは真剣に参加し、最後に出された質問はどれも的をはずさないもので、我々の普段の努力も実を結んでいるな、と感じられ、大変うれしく感じました。

------- 以下ポスターから  -----

「趣味は授業。夢は日本一の英語教師を養成すること」に魅せられて
   東京都立白鴎高等学校主任教諭
   小林翔 先生
概要
私が日本一の英語教師を目指そうと思ったきっかけは1冊の本「英語授業の大技・小技」である。ここからアイデアを盗み、アレンジし、新たなアイデアを創造してきた。少しずつ見えてきた答えの1つが「生徒からのフィードバックが授業改善にはとても役に立つ」ということである。宿題をしない、遅刻する、取り組まない、寝ている、これらは全て教師の責任である。
「樽いっぱいのワインにスプーンいっぱいの汚水を注ぐとそれは樽いっぱいの汚水になる」という言葉があるが、たった一言でも「自分の生徒はできない」など否定的な言葉を発してしまえば、たちまち教室の空気は悪くなる。
今日もとても楽しく授業ができたと感じる。授業終了のチャイムと同時に、「え、もう終わり?」の声が鳴り響く。笑顔で始まり笑顔で終わる授業。毎日このような体験をしていたら、「趣味は授業、夢は日本一の英語教師」と言えるのではないか。

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本講演では、授業の映像や指導例を紹介しながら実際に体験してもらうワークショップ形式のため、汗を拭くハンカチをお忘れなく。

10/25/2017

シュワの習得のための、母音字省略の試み

最近は指導の力点のひとつを、シュワの習得にしている。

以前は、ターゲット文のすべてのシュワの母音字をハイライトして表示し、注意喚起したこともあったのだが、自分で見ても学生から見ても、「あいまいに弱く言う」べきところが、真っ黄色にハイライトしてある、というのがどうも counter-intuitive で、発音しにくかった。

では、というので、今度はシュワの母音字のフォントの色を薄いグレーなどにしてみた。これはそれなりに良いのだが、そうするのが結構面倒くさい。コスパが悪い。

で今はいくつかの海外発音指導書からヒントを得て、その母音字を削除してアポストロフィを入れる、というのを始めた。

これは結構いけるような気がする。

memory を mem'ry

pronuciation を pr'nunciation

などとするのである。(tionもシュワだが、ロングエスにあたる部分の文字列がどうもぴたりと同定できないのでこのまま。)

学生に出した音読課題文も今回は、シュワの目安として、次のような表記にした。さて、効果はあるかな。

Drawing a map’f the world is a task th't requires a good mem'ry.
One comm'n error is the tend'ncy to make the home contin'nt too large.
F'r example, a Br'zilian tends to enlarge the contin'nt of South America.

10/22/2017

発音の研修、させていただきます。

今回、特定の授業の特定の授業者を取り上げているのは、状況としてそうせざるを得ないからであって、授業者個人を攻撃する意図はありません。罪を憎んで人を憎まずと言いますが、公教育の現場であの英語で授業が行われている、いや正確に言えば、あの日に行われたという事実(そしてその録画が「優れた授業」としてネットで繰り返し視聴されている)自体を問題にしているのであり、面識もない授業者個人を批判したいわけではありません。

こんかい取り上げている授業者にしても、音声の質は低いですが、おそらく同じ程度に質の低い英語を使っている英語教師は、残念ながら全国には大勢いるのだろうと考えています。

当然、それらについて逐一論評することはできませんし、その必要もありません。

ではなぜ今回特定の授業をとりあげて結果的に授業者が特定できる形で、こうして公に論評するに至ったかといえば、

(1)当事者側が公開しているYouTubeに学校名と科目名と担当者名を公表しているからであり、また

(2)公の機関である大分県教育庁が、これが「すぐれた授業」であるとしてPRしているように解釈される

からです。

大分県には国立大学の教育学部があり、地域の教員養成および公教育の質の向上、授業の改善に責任を持って取り組まれていると推察します。この「チャンネル」には県内外の多くの方々が関わっているのだろうと推察しますが、英語授業に関してどなたがどのように関わっているのかを知る由もありません。

しかし結果的になんらかの事情で、大分県の現有の体制では、英語音声の質が担保されない授業を世の中に送り出さざるをえないのであれば、私に改善のお手伝いをさせてください。

依頼をいただければ、できるかぎり都合をつけて出張し、対面で教員のご指導、研修をさせていただきます。向上心さえある受講者であれば、効果は保証いたします。

一人の教員の英語音声の質が向上すれば、県内の、その数百倍の数の生徒たちに益があることは改めて指摘するまでもありません。

連絡をお待ちいたします。






「王様は裸だ」と言えない業界の深い闇

べつに今回だけが特殊な事例ではない。

そもそも英語教育研究大会でも、研究授業の後の協議でも、英語教員のあつまる研究会でも、教員の英語(とくに音声面)の質が問題とされることはほぼ皆無である。しかし現実には音声面に問題のある発表(公開授業含み)は決してめずらしくない。

英語でなされているなんらかの会を司っているそのMC(当然、英語教員である)の英語、質問する者(当然、英語教員である)の英語の音声面に問題がないことのほうが、むしろ少ないのである。

そういう場面に遭遇した時に、あなたの英語はダメですよ、そんな英語じゃ生徒が可愛そうですよ、そんな英語を教えて対価に給与を得ているのですか、それと知らせず不良品を売っているような行為と同じではないでしょうか、というようなことは言えない雰囲気というか、言ってはならないという不文律があること自体に、根源的な問題があると私は考えている。

そこには教育者の集団としての矜持が、良心が、誠実さが、感じられない。

そんな集団は、職業集団として、腐っているのではないか。

業界として自浄作用がないといえるのではないか。

授業の組み立てがどうの、運びがどうの、教え方がどうの、などという高級なことを言う以前に、英語自体の質が水準以下の教員がいたら、同じ業界人の職業的、倫理的義務として、大変失礼ですけれども、あなたの英語は水準以下です、と指摘すべきである。

言いにくいことを申し上げますが、あなたの生徒のために、ぜひ水準以下でなくなってください。その水準以下の英語で教壇に立ち続けるのは、倫理的な意味での「犯罪」です。あなたの生徒にももちろん罪ですし、「日本の英語教員」の評価・評判・名誉をおとしめる、われわれの profession 全体にとっても大きな迷惑です。

そういうことを言い合って、全体としての品質を保とう、高めようとする体質がないのは、消費者たる生徒に対する背信行為だ。

そういうチェック機能がないから、われわれの profession の全体レベルはいつまでも変わらず、いつまでも低いままなのではないだろうか。

そういうことに向き合わず、毎年、手間と暇と金をかけて「行う」ことが自目的化しているような「イベント」として、◯◯英語教育研究大会などを、各県持ち回りで実施しても、なんの意味もない。

そういう腐った業界の流れに竿をさして、公開された授業の質の低さを指摘する whisltle blower 的な存在こそが、何よりも貴重なのだ。

そういう貴重な良心の告発者を、権力をかさにきて恫喝するようなことは、ゆめゆめあってはなるまい。それは、先般の加計学園問題にからんだ、義家文科副大臣の、国家公務員法(守秘義務違反)での告発云々、という発言にも一脈通ずる発想である。


10/20/2017

大分県教育庁チャンネル英語授業についての論評 その(1) 信じがたいほどに質の低い発音

大東文化大学
英語教員養成担当
靜 哲人

YouTubeに公開されている以下の授業の、担当者の英語発音について論評する。



はじめに

ことさらに、一高校の一英語教師を取り上げて、このように公開で批判するのはいかがなものか、大人げないのではないか、という気持ちはある。

しかし、これは授業をした側(大分県公立学校および教育庁)が自らYouTubeに公開した映像であり、かつ県立高校の授業であり、教師は公務員である。そしてこの授業の発信もとの官庁である大分教育庁が、キャプションで、

学力向上支援教員・指導教諭らによる優れた授業をノーカットでお届けする「シリーズ授業まるごと!」

として、この授業を endorse している、となると、日本の英語教育の質の向上という公益を願うものとして、看過できない。

このように、公開の場で、明示的に批判し、その問題点を指摘することは、公益にかなうものであり、価値があり、適切であると判断し、ここに意見を公開する。



意見(結論):

この授業担当者の発音は、あまりにも不適切であり、その1点だけで、「優れた授業」とはとてもいい難い。授業の内容や運びがどうであっても、それをすべて帳消しにするほどの、質の低い発音であり、英語教員であるとは信じたくないほどのレベルである。

英語教員レベルを基準として発音を評価するならば、ABCDで間違いなくD、100点法であれば30点程度である。およそすべての音が日本語の音素であり、母音も子音も、英語音素はほとんど聞こえない。すなわちほぼカタカナそのままで「英語」による「英語」の授業を行っている。

英語教員を養成している立場として、この授業を見て「優れている」と感じるような学生を絶対に育ててはならないし、世の中の英語教師にも、この授業をみて「優れている」とおもって欲しくないと心から願う。

幸い、私の教えている学生、過去に教えた学生、私の知っている現職教師には、この授業を見て、発音の質の低さに唖然とし、憤りを感じる者はいても、「優れている」などと感じる者は皆無だろうと思われる。ただ残念ながら世の中には発音を軽視している英語教師は多いので、この公開授業がそれらの発音べたな教師たちに、「あれでもいいのだ」と、一種の免罪符というかお墨付きになってしまうことを危惧するものである。

また、この授業は2014年に公開されているが、もし現在も、同授業者がこのレベルの英語発音で授業を続けているとするならば、担当してる生徒たちに質の悪い英語発音を毎日のように浴びせているということであり、公教育の現場として極めて望ましくない状況である。その後、精進され、今はほとんどカタカナ発音での授業はしていないことを願うのみである。

また、大分県教育庁のご担当者においては、ここで指摘したこの授業の問題点を認識され、すくなくとも、これが「すぐれた授業である」という形での YouTubeでの公開は、日本の英語教育の質の向上という公益に鑑みて、一日も早く中止されることを強く望むものである。


エビデンス(各論):

以下、最初の4分間のなかで、特に不適切である箇所をリストにした。実際に確認していただきたい:

0:47 あたり(以下全て同様)
At first のつもりで、At farst と言っている。発音もカタカナだし、しかもここは「まず」という意味なので、At first は英語として不適切。正しくは、First と言うべきだった。

0:49
ask you to change your way of thinking sinking と言っている

from Japanese to English で、Japaneseは、ジャパnese と日本語の母音。EnglishEngrishとLがR

というよりも、ほとんどが単にカタカナで発音している。

0:54
So, all stand up please.は、映像がなければなんと言っている聞き取れないほど不明瞭な英語。standaupuも同じ母音。pleaseは完全な日本語。ひとつひとつの音を音声学的に描写するのも面倒になるくらい、ようするに、すべて日本語の音素を使って英語を話している。

0:57
So pase take out ザ 音読 sheet . 

1:06
the first paragraph ザファースパラグラフ このあたりまったくカタカナ発音で、英語教師とは思えない。

2:10
OKサードパラグラフ

2:35
OK フォースパラグラフ まったくのカタカナ発音。

3:02
Sit down プリーズ

3:11
Let me exprain today’s project ,.. Lの音がまったくできない。おそらく発音しようという意識もない。

3:17
・テンプラチャー・アラウンざわーるd is..

ほんとうに、それこそ、これぞ「ザ・カタカナ英語」だ、というほどのカタカナ英語。

3:22
emission エミッション  schwaがない  典型的なカタカナ発音。

3:45あたり
question クエッション・クエスチョン   ションとかチョンとか言ってはいけない。schwaを使うべき。

3:46
If there were only two countries  完全にカタカナで イフ ゼアワ~

3:51あたり
developed / developing countries 完全にカタカナ発音で、デベロップ デベロッピング

3:53
So in that case が、in ザット case…

3:55
CO2を、she oh tsoo と言った。

これ以上は見ても、無駄に辛く・不快になるだけであり、ここまでで充分な発音サンプルを検証したと判断されたので、ここで視聴終了。

以上