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5/31/2013

英語教育ヤクザ

ヤクザの目にも涙...

「英語教育界で最もヤクザなペア」に乾杯.

5/29/2013

口を閉じろ!! 出っ歯を言い分けにするな。

その気になって、本気になって指導してみると、m でしっかりと両唇を閉じない(閉じられない)日本人英語学習者は、本当にかなりの割合に上る、ことがわかる。

男も女も比率は大差無いように思える。

そして学生も、現職英語教員も、比率はそれほど変わらないように思える。

MもPもBも、両唇を使って出す音だ、という意識が希薄なのだろうか。しかし、

long-term outcome のそれぞれの語尾で唇がくっつない、というのはどういうことなのだろうか。どういう感覚なのだろうか。

意識せよ、と閉じさせてもことさらに一生懸命しないと密封しないようだ。

英語ネイティブと対比した場合、日本人特有の現象なのだろうか? 俗に子音が弱いといわれる日本語のためかもしれない。

国語、というか、日本語教育を小学校低学年でもっと頑張ってもらいたい、とも思う。日本語であっても子音がいい加減でいいわけがない。


また歯並びと大きな関わりがあるケースもある。

人種的 and/or 文化的な要因か、日本人のほうが歯並びは悪い。俗にいう「出っ歯」の人の率も多い。

意識しないと前歯が邪魔になって唇と唇が重ならないので、普段の日本語では、マ行もパ行も、labio-dental で発音していて、英語でもそのくせが持ち込まれている。

結果的に100%の閉鎖音でなく、破擦音程度の音になっている。

持って生まれた前歯の形状は本人の責任ではない。しかしたとえそうであっても英語教師である限りは、努力して密閉の動きを自動化し、bilabial 両唇音はきちんと唇を密閉して発音することを、自分の口の動きをもって生徒に display する職業的責任があると考える。

意識すればできるのだから。

5/27/2013

パネルディスカッションの申込みが開始されました

前のポストでチラシを貼りつけたベルク研究会ですが、申込みは




http://www.velctest.org/misc/130728_lecture/


ほかのパネリストの方の発表要旨を拝見しましたが、いや、このパネルディスカッションは、自分で言うのもなんですが、かなり面白くなるかも。。。

是非お運びください。

セミナー受講者の感想です

昨日、名古屋でアルク主催の発音セミナーをさせてもらいましたが、とても楽しくできました。One Thing はノリノリになれますね。受講生の方にも喜んでいただけたようで良かったです:


盲点になりがちな発音のポイントに注目することができた

・歌は苦手だが、リズム感を養うには有効だと思った

・日本語を使って英語の音を混ぜることによって違いが際立ち、英語の音がよく分かり、それに楽しかった。指導に生かしたい。

・音節とリズムの関係が分かってよかった

・教師自身がよい発音ができないと生徒もその雰囲気にはならない。あらためて教師の英語力があらためて大切だと思った

・靜先生から「マル」「good」と言われた時の達成感は大変大きく、生徒にもぜひ味わってもらいたいと思った

・グルグルは明日の授業から実行したい

・「あいまい母音」の練習パターンは生徒も楽しく実践できそう

・グルグルを自分が体験してよく分かった

・生徒へのモデルとしてふさわしい発音になるよう練習を続けたい

・先生の著書を読んで、きっと厳しい指導だろうと覚悟していましたが、実際はとても優しく丁寧に指導いただけて感謝しています


むむ。。。よっぽどコワイ人という印象を世間には与えているようですね。。。 いやまあそうかもしれませんが、いまやほとんど受講者は自分より歳下、つまり経験年数が少ないわけで、しかもなにかを学ぼうとして会場に来てくださっているわけですから、もちろん優しく丁寧に(男性の方なら必要に応じて唇をつまんで)ご指導いたします(^^)


5/25/2013

8月20日のグルグル発音トレーニング免許更新 あと一人だけ

定員にあと一人だけ余裕があります。5月末日が申込み締め切りですので、是非どうぞ。


http://www.daito.ac.jp/education/license/renewal.html

授業が楽しい、と言う教え子の話を聞くのが楽しい

「単なる」大学生、大学院生だった教え子たちが、数年を経て実際に英語教師になり、授業に、部活に、生活指導に、行事に忙しく活躍している話を聞くことほど嬉しいことはない。

そして口々に、


本当に授業は楽しいです! 
生徒が、先生の英語スゴイ、発音ネイティブみたいだ、と感嘆してくれるのが快感です! そうすると、生徒の目が全然違ってくるんです!
多少やんちゃな子もいますが、それを何とか教室に入らせてこっちを向かせて、というプロセスが楽しいです! 
ビシバシやってます! 
やっぱり発音に自信がないと授業にも自信がもてませんね!


と言うの聞くと、この人たちを教えて本当に良かったなぁ。。と思う。




7月28日 パネル・ディスカッションをします



5/24/2013

パネルディスカッション「いかに大学の英語授業を活性化するか」


学生を(授業に)参加させましょう

靜 哲人

要旨

「いかに活性化するか」というタイトルが設定されること自体が多くの大学の英語授業の現状を暗示している。私個人に限って言えば大学教員として15年間、自分の授業の活性化が必要だと感じたことは一度もない。逆に学生の側からは「先生の授業は独特で『学生参加型』だ」という声が毎年必ずでる。つまり普通の大学の授業は「学生が参加しない」のがnormということなのか、と複雑な気持ちになる。

私の英語授業が大学では珍しいのは私が大学教員になる前は15年間中学高校(含む高専)で13~18歳の生徒を相手にしていたことと無縁ではない。中学高校の教員は、基本的な姿勢として「生徒は放っておけば怠けて(あるいは集中力を切らして)しまうから、あの手この手でこちらを向かせるのが自分の仕事だ」という意識がある。例を挙げると、自分の授業で寝ている生徒がいた時、頭からペットボトルの茶をかけ、「親の金で学校に来させてもらっていてよく寝ていられるな」と凄み、その結果「ありがとうございました」と言わせる、といった実践も現実にある。私自身もペアワークを指示した時、携帯をいじっていた学生の頭をおもわず叩き、その後5秒ほど睨み合ったことがあった。また私の授業をさぼって野球の試合を見に行って、次の授業に何食わぬ顔で出席していた学生の机を蹴り倒したこともある。これらはそういう「暴力」が良いということを言いたいのではなく、13~18歳を相手にする教師は時と場合によってはそういう厳しい対応も辞さないという気合と(下手をすれば問題になってもしかたないという)覚悟をもって教室に臨んでいる、ということが言いたいのである。そしてそういう気合は生徒にももちろん伝わるのだ。

だから大学教員の口から「私語が多かったです」とか「寝ている学生がいました」といった脳天気なコトバが出てきた瞬間に、私の中でのその人に対する教師としての評価はゼロになるのだ。それらのコトバは私の頭の中で自動的に、I wasn’t doing my job. と翻訳されるからだ。英文学、英語学、英語教育学研究者としてどんなに優れていようが、(たかが英語の授業程度の人数の教室で)私語をしている学生、寝ている学生を放置しているようでは人間の教育者としては失格であるし、学生のためにはならない教員である。私語をしていたらやめさせよ。寝ていたら起こせ。そして私語をする隙がない、寝ている隙がない、あるいは私語をする気にならない、寝る気にならないような授業運営を考えよ。

授業を「活性化」しようと思うのなら、まずは自分の責任対象である教室内の学生の全員に「英語の力をつけてやるぞ」という「念」を持つことが第一歩である。「オレはお前たちに英語の力をつけてやるために全力投球するから覚悟しろ」ということである。そうすればおのずと学生に対する目も変わってくるし、学生も「お、この先生はまじめにやらないとまずいな」(I need to take this class seriously.)と感じる。大学生であっても、教員がどういう教員であるかによっていかにやる気と態度が180度変わるか、は本当に驚くほどである。学生が「やる気を見せる価値がある」と思える教師にならねばならない。

その上で、具体的には、「講義」をしようという態度は潔く捨てたほうがよい。英語に関して今更「教える」ことなどは多くはない。知識を伝達するのではなく、いままでに蓄えた知識と材料を使ってみる機会を提供する場が授業だと思ったほうがよい。

講義をする「エライ先生」ではなくて、サマーキャンプで子どもたちに活動を指導する「指導員のお兄さん」のようなつもりになることだ。全員に対して教師が何か働きかけている「一斉授業」の局面と、学生同士が英語を使ってなにかやり取りをしている「ペアワーク」の局面と、教師がひとりひとりの学生をコーチしている「グルグル活動」の局面を、学生が飽きないように使い分け、この3つの局面がおおよそ3分の1ずつになるくらいが望ましい。座学はやめて、学生に立って何かをさせる(英語を言いながらステップを踏ませてみたり、身体を動かさせてみたり)のも大切である。英語の歌を歌わせるのも(私にとっては)必須である。必ず「歌わせる」。私は基礎セミナーで名作購読でも音声学概論でも英語化教育法でも英語2Bでも、必ず毎回、「今月の歌」シリーズで歌を歌わせている。今のお気に入りはOne Directionである。イケメンなので特に女子学生のクイツキは「ハンパナイ」。

英語自体の授業ではないが、昨年度の私の「英語教育学概論」の授業の紹介文としてある学生が、「英語教育学概論はほとんど立ちっぱなしの楽しい授業です」と書いていた。「ほとんど立ちっぱなしだ」と感じるような授業をすればどんな学生でも(VELCスコアが300でも700でも)活き活きと活動する。

5/23/2013

文法の教科書の例文の音読はコミュニケーションだ

英語でも日本語でも、ことばは、ある特定の誰かが、特定のあるいは不特定の誰かに、何らかの状況で、何らかの意図をもって発する。

文を音読する時、どんな人が、どんな人に対して、どんな場所で、どんな気持ちで、どんな意図で、言っているのかを必ず考えよ。

おのずと読み方がわかってくる。

それがコミュニケーションというものだ。意図の伝達というものだ。

文法の本の例文を、単なる機械的な死んだ例文にするのか、生きたコミュニケーションの発話にするのかは、音読する人間次第なのだ。

単なる記号を音読するな。文字から話者の気持ちを再現して表現せよ。

肝に銘ぜよ。

5/22/2013

夢ナビ: 英語を歌って英語上手に

夢ナビという高校生向けの大学紹介のサイトに、自分の考えを少しだけ書きました。

http://yumenavi.info/lecture.aspx?GNKCD=g005839


是非、高校生、中学生に紹介してください。

一致したらハイタッチ! ゲーム

きょうやってちょっと楽しかった活動を紹介します。

言い分け・聞き分けペアワークの1バリエーションですが、

例えば、boat / vote なら、AさんもBさんも目をつぶります。

Aさんが、boat あるいは vote を発音し、同時に、目を閉じたまま、そのジャスチャー(ボートを漕いでいるのか、投票箱に投票用紙をいれているのか)をします。

BさんはAさんが発音したと思うほうのジェスチャーをします。

一拍置いて、せーのっで目を開けて、ジェスチャーが一致していればOK,というもの。

合っていればハイタッチする、とかしても楽しいですよ。

5/21/2013

トモズ と ロヂャース と ゴールデンゴールズ

突然だが、薬局のトモズは、Tomod's である。



ので、ズ の部分はスペリングを英語読みすれば 破擦音 /dz/ である。

それを

トモズ、トモズ と言うのが気になってしょうがない。

トモズ なら

Tomo's

にしてくれたほうが安らかになれる。

Tomod's なら、トモヅ でしょ。


次に気になるのが、埼玉大に行く途中のバイパスでいつも見ていた、

ロヂャース

の看板。




普通に考えると、

Roger's

なので、

ger の部分が破擦音であることを「ジャー」でなく「ヂャー」という表記が表している、わけではないだろうが、ピッタリである。

そして、ロヂャース であって、ロヂャーズ でないのがまた渋い。

Roger's の語尾は、空白が続く場合、つまりこの単語で文やトーンユニットが終わる場合は、ほとんんど無声というか、only partially voiced なので、

ロヂャース

がむしろ原音に近いのである。

そして、野球のゴールデンゴールズ。




ゴールズから、Golds を連想するのはかなり無理ですね。

せめて ゴールヅ

にして欲しかった。


以上、トモズさん、ロヂャースさん、ゴールデンゴールズさんにはどうでもよいことなのだが、摩擦音と破擦音の区別を一生懸命授業で教えている立場としては、気になって気になって仕方がない3つの固有名詞のカタカナ表記を取り上げた。



5/20/2013

アルク「音」シリーズ3部作の商品紹介ページが出来ました

「音」シリーズ3部作の紹介ページができました。


http://home.alc.co.jp/db/owa/eng_sensei_high_materials_list?cateid=16

で、トップページに行きます。




それぞれをクリックすると、それぞれの説明ページに飛びます。


音トレーニングドリルは見本誌OKとのこと。



音ティーチングブックと、



音ティーチングDVDは、


英語教員対象ですので、個別にお買い上げいただくことになります。

音ティーチングDVDについては、

「あのDVDはすごい!」

とアルク社内でも評判だ、という情報が伝わって来ました(^^)

出演者本人から見ても、編集製作者からみても内容が良い、のですからこれ以上確かな評価はありませんね。

自分史上でも最高の出来栄えだと思います。

一校に1枚、いや、1学年に一枚そろえて、是非ご活用ください。







5/19/2013

役人と教育者

○○教育課とか○○教育センターで働いている人々は、公務員、役人なのか、教育者なのか。

ご本人たちに聞けば、教育公務員です、という回答が返ってきそうな気がするが、印象では、

教育公務員 でなく

教育公務員

という感じがする。

宮仕えの身として上意下達にキュウキュウとせざるを得ないのは痛々しいし、かわいそうである。

もともと全員、目の前の生徒こととを第一に考えていた教師だったのに。

そういう資質をもったもともと「教育者」だった人材から、一人一の考え(を表明する権利)を奪い、

「オマエラはお上の方針を民百姓に守らせるのが仕事だ! 自分の考えなど要らん!」

というニュアンスの命令を出すのは、それを押しつけられる中間管理職にも不幸だし、民百姓たる一般教員にも不幸だし、なにより民百姓におそわる生徒たちが不幸だ。

5/18/2013

/ r / が出来ない子を出来るようにする、ことについて

アルクの


音声指導入門
音ティーチング授業DVD
生徒が変わる、英語の「音」の教え方
(アルク)

のなかで、二人の高校1年生に対して発音の個人教授をしている場面がある。

テキスト本文を題材に1文ずつ音読させながらすこしずつ発音を矯正してる場面である。製品になっているDVDのなかでは一人数分~5分程度に編集されているが、実際にはその何倍も長く指導した。なかなかうまく読めなかったからである。撮影現場でもひとり15分くらいしか使えなかったと思うが、本当はその2倍くらいやりたかった。どうしてもうまく読めるようにしてやりたかったからである。

どうしても / r / ができない、/ l / ができない、/ f / ができない、あるいはできることもあるのだがすぐもとの発音に戻ってしまう、という生徒がいた時に、それを「だいたいいつでもできる」という状態に持って行くには時間がかかる。その日はできないかもしれない。何日も、何日も、少しずつ繰り返し前進することが必要かもしれない。

こういうことを言うと、「そんなに時間をかけてひとりひとりの発音を見ている時間はない」と思う教師が多いと思う。

しかし、こう思えないだろうか。

中学、高校、大学と英語の授業をやるが、通算何時間になるだろう。すぐは計算できないくらいの多くの時間だ。何百時間か何千時間か。

その何千時間の中で、先生が個人的に向き合ってくれる時間が1時間だけでもとれないのだろうか。

何千時間のなかで「たった1時間」でも使って、/ r / が出来ない子が出来るようになったとしたら、それは素晴しいことだ。一生の財産になる。

逆に、通算何千時間も費やしながら、/ r / / l / も/ f / も発音させられないとしたら、その何千時間の意味は、なんなのだろうか?

ひとりひとりの発音を治すのは時間がかかる。時間がかかるからしない、のはおかしい。時間がかかるからする。時間がかかるから時間を「かける」。時間をかける価値があることに時間をかける。

We should take time on what is worth the time it takes.

1対1で、対面で、生身の人間教師が指導しないと上達しないことがらは、発音やスピーキング関係以外にはほとんどない。あとは自学自習が十分可能だ。

だから、生身の人間がその場で時間をかけなければ成果が上がらないことがらに、時間をかける。

私の priority はそうなのだ。

5/17/2013

ジェスチャリング・スピーキング


昨日、

Global warming is expected to unevenly distribute water to different parts of the world.

という文を、

Global warming 
(両手で顔を扇ぎながら、暑い感じを出す)

is expected to 
(頭を指さす)

unevenly 
(右手と左手を、かなり高さを違えて、レベルの差を示す)

distribute water 
(水を分配する仕草を繰り返す)

to different parts of the world
(教室のあちこちを指し示す)

というジェスチャーをしながら 言う、という活動をさせました。

(ちなみに女子大)

ジェスチャーをするためには、文の細かい意味を考えざるを得なくなるし、なんといっても楽しいですよ。

試してみてください。

鍵は、教師のほうが、なんのためらいもなく、恥ずかしげもなく、心の底から楽しんで、ジェスチャーをしながら英語を言う、ことです。

大学生でも楽しそうにやりますから、小中高生も絶対にやります。

ついて行く気にさせない文科省

英語の授業は英語でやれ、とか、CAN-DO を使え、とか、どれもこれも、文科省が言っていることは基本的にはそれを目指すのが望ましい方向を示してはいるのに、現場がやっていること、現場がいまいるレベルよりも極端にかけ離れたこと、2歩も3歩も先を行ったことをやれ、と言っているために、現場の多くの教員が「よし、ついてゆこう」という気にならないことばかりのように思える。

そしてそういう現場教員がついて行こうという姿勢を見せないので、「指導要領は法律だ! 公務員なら法律を守れ! 守らない奴はクビだ!」と、根拠もあいまいな強権を振りかざさざるをえなくなり、現場は萎縮、あるいは反発を強め、文科省はさらに強権的になる、という悪循環だ。

まるで、生徒が教師について行こうとしないから、「オマエラ校則を守れ!守らない奴は退学だ!」とやたら強権的な生徒指導をして、ますます生徒の心が荒れる、ダメな生徒指導の見本のようなもんだ。

国の教育のリーダーなら、確かにそうだ、これならできそうだ、と生徒(=教員)が思えるような、1歩ではなく、半歩だけ先をゆく施策を打ち出すべきだ。そしてその半歩だけ先をゆく具体的な方法を自ら示すべきだ。

そういうリーダーには自発的について行こうとするフォロワーは増えるはずだ。

視学官とか教科調査官とか指導主事とかが、各学校に行って自ら飛び込みで模範授業をして、これこの通りやればよいのだから、君たちももこうやりなさい!と胸を張って率先垂範し、その授業を現場教師が納得するならば、状況はいい方向に変わるだろう。

そうでなければいい方向には変わらないだろう。

CD音声を虚心に聞く、ということ

CDの音声を、もっと虚心に聴きなさい。

知っている単語だ、とおもって安心せず、虚心に耳を澄まさないと、上達はないです。

おおくの場合、「知っている単語」ではなくて、「知っているつもりでも、本当の発音はあなたは知らない単語」だからです。

p, t, k, b, d, g などの閉鎖音の場合、

(1)解放していない(音が聞こえない)のか、

(2)普通に解放しているのか、

(3)解放したあとにH的な音がでているのか(帯気しているのか)

のどれなのか、聞きましょう。

(※ 帯気は、無声音に限った現象です)

そしてそれをその通り真似しましょう。

5/14/2013

名物に旨いものなし

そして

名人に上手いものなし。。。 

カリスマに碌な者なし。。。

か?


しかしなぜcharisma という特性が、カリスマという人になってしまったか。。

mental という形容詞が、メンタルという名詞になったのとパラレル?

5/13/2013

Lady Gaga は、レディー・ガガ じゃない

英語の音節のひとつの特徴に、第1強勢がくる音節は、そうでない音節よりも長く発音される、というものがある。

よって、

lady は、a の部分は、y よりも長い。

だから、

lady は、レディー ではなく、むしろ レイディ

Gaga は、最初の a が 二番目の a よりもかなり長い。

だから、

Gaga は、ガガ でなく、ガーガ

が正しい。

つまり、

Lady Gaga = レイディ・ガーガ

が正解である。


5/12/2013

クリスタル・ケイが千利休だったら

帯気音がうまく出来ない人が多いのだが、いい例を見つけた:

no more tea time  の tea と time がかなりはっきりキレイに帯気している。

これがお手本ですね。



一隅を照らす

一隅を照らしましょう。きちんと。

「アワード」に選ばれた、と喜ぶ英語教材と英語プログラム

イード・アワード というのがあるらしい。

http://www.iid.co.jp/award/


顧客満足度の高い商品に「章」を与える、という企画。

それは結構ですが、

笑ったのが、英語教材とか英会話スクールとか子ども英語教室部門で選ばれたそれぞれの商品の側が、

うちのスクールは(教材は)「イード・アワード」に選ばれました!

と嬉しそうに宣伝しているケースである。

いうまでもなく、アワード なんて単語はないし、アワードなんていっても、だれも award のこととは理解してくれない。

どこかの馬鹿が award を アワード (しかも、アクセントは、ア にある)と発音したのが定着したのはこの国によくあるレベルの低い現象だが、しかしそれを、こともあろうに英語教材を作る会社や英会話スクールが

ワー

に選ばれた! と宣伝に使う、というのはブラックユーモアですね。

むしろイメージダウンになると思うけど。

うちは「イード・アワード」を受賞しました。ありがたいことですが、しかしもちろんうちでは award のこととアワードと教えるような馬鹿な教育はしてませんので念のため申し添えます

とでも、言ったらどう?

5/11/2013

scarecrow

ブランドの
  威を借るカカシ
      有難がる
         有象無象の
            情けなきかな

<本作品はフィクションであり、実在の人物、組織とは一切の関係がありません>

5/10/2013

(アジアの英語+日本人の英語)÷2 = クリアな英語

ことしは留学生の英語に接する機会が多いのだが、アジアの英語と日本人の英語を足して2で割るとちょうどいいと思うことが多い。

日本人は子音はすべて発音し(その発音の良し悪しはちょっと置いておいて)、その上で要らない母音まで発音する。だから音節数が増える。

アジア人(とどこまでくくれるかは不明だが)は、語頭、語中、語末で、そこにあるべき子音までも自分流に落としてしまう。だからかなり真剣になんの単語だかわからなくなる。

日本人英語のメカニズムは母語の干渉で説明できるが、アジア人英語のほうもそうなのか判断できるほど私にはアジア諸語の知識はない。

いずれにしても興味深い現象である。

生きた英語? 自分で作れ



怒っているのか、驚いているのか、退屈しているのか、嬉しいと思っているのかを表現するのが「音読」というものです。

「生きた英語」などといいますが、世の中に「死んだ英語」などはないんです。

単なる文字を、生きたものにするのか、死んだものにするのかは、あなたなんです。

5/08/2013

発音の上達のキーワード:意識化

いままで無意識に動かしてきた、舌や唇の動きを、意識化するのが、上達の第一歩です。

とくに、教職志望の人。

教壇で英語教師が口にする英語は「商品」なのですよ。

生徒がそれをモデルとして真似するにふさわしいレベルのものでなければ、生徒の前で決して口にしてはいけません。

中学高校大学と、8年間、無自覚に発音してきた単語の発音は、ぜんぶ、やり直しです。つまり、「ああ、この単語は知っている単語だ」と油断して発音しているのが、全部、いいかげんな、インチキ発音、なのです。

そうでないと、あなたたちが教壇にたち、また、いい加減発音の生徒を再生産することになります。

英語教師が英語を話すのは、プライベートで話すのとはわけが違うのです。

両唇閉鎖音 (bilabial stop)は、きちんと両方の唇を使って、完全に呼気を「閉鎖」してください。間から息が漏れていて、ほとんど摩擦音(fricative)状態になっているひとがほとんどです。

自分の唇の動きを意識化しましょう。

5/05/2013

-ben でも鼻腔解放

-ten や -den だけでなく、-ben でも鼻腔解放はよく聴かれる。

きょう、GermanPod101 から配信されてきた例文


 Ich kann dieser Geschichte nicht glauben.


の音声の最後の -ben は鼻腔解放だった。

5/04/2013

probably と「スミマセン」の関係

probably は、語中で /b/ があいまい母音を挟んで2回出てくる。

面倒なので、ぞんざいな、あるいは自然な発話では、両唇による /b/ の閉鎖を一回にしてしまった、

pro~bly (プローブリ)

のように発音されることも多い。(辞書にも載っていますね。)

考えてみればこれって、「すみません」がぞんざいな発音で「すいません」とか「すんません」になってしまうのとまったく同じ理屈というかメカニズムである。

sumimasen

は、語中に /m/ が母音を挟んで2回出てくる。両唇を2回閉鎖するのは面倒なので、一回にしてしまい、

suimasen

とか

summasen

になる。

もちろん、英語でも日本語でもきちんと両唇を2回合わせるのが正式で望ましい発音であるのは言うまでもない。


5/03/2013

5月26日 名古屋でセミナーします

詳細はこちら。

http://www.alc.co.jp/event/13/0526e/


参考までに、同内容で先日開講した東京セミナーの参加者の声です:

・細かいところまでご指摘いただけてよかった
・本を読んだだけでは分からない点も理解できた
・歌の素材を提示されたのでぜひ導入したい
・発音は自分なりに得意であったが、指摘を受けて、自己練磨する必要性を感じた
・過去に発音講習を受講していたことがあったが、受講修了後も継続的に練習しないと劣化すると分かった
・歌を使用した音声指導の可能性を見出せた
・教科書の素材を応用して音声指導を取り入れてみたい
・音声指導のヒントが満載であった
・まずは自分の発音練習が必要と実感した
・発音記号や音声指導の楽しく、効果的な指導法を学んだ
・グルグルを通じて、生徒の気持ちや苦労、達成感や楽しさを味わうことができた
・いくつか音の「調音」方法を誤っていたことに気付いた
・教員自身が音声指導においてどのようにアプローチすべきかがよく分かった
・グルグルの実際の指導法が分かった                 

ドイツ語にもたくさんある鼻腔解放

ドイツ語には ...ten で終わる語がたくさんありますが、その部分の /t / から /n/ にかけて鼻腔解放が使われる場合が数限りなくある、ということに気づきました。

Guten Tag! の、Guten だって、はっきり言う時は t を口腔解放していますが、自然に言う時は鼻腔解放になっている音声がたくさんあることがわかりました。そういう場合、Gutenのt で舌先が歯茎についてから、Tagのtで離れるまでずっと接触のしっぱなしです。

しかし当然のことながらそんなことが書いてあるドイツ語の教科書や参考書にはお目にかかっていません。入門書は何冊も読みましたが。

まあ英語の教科書や参考書でもそんなことが書いてある本は、音声学の専門書以外にはないのですから、いたしかたかないのですが。

でも初心者で耳がいい人は、ある時は、Guten の ten が聞こえるのに、ある時は「なくなっちゃう」のはどうしてだろう、という素朴な疑問を抱き、それが解決されないまま学習を続けることになるのでしょう。

英語教育でもドイツ語教育でも、発音教育というのは概して大雑把なんですね。

グルグル免許更新講習 8月20日にやります

グルグルで実際に先生方の音声スキルを鍛える免許更新講習を8月20日に行います。

英語教師のための「グルグル」発音トレーニング講座

http://www.daito.ac.jp/education/license/renewal.html

定員30名ですが、残り僅か、とのことです。

該当の方は是非、どうぞ。

身になる、身につく1日をお約束します。

音ティーチング授業DVD 観てみました

音声指導入門
音ティーチング授業DVD
生徒が変わる、英語の「音」の教え方
(アルク)

自分で出演したDVDなのですが、発売されてもうしばらく経つのに、いままで見る暇がなく、きょう初めてゆっくり観てみました。





中学3年生と高校1年生の生徒たち(私とは初対面)を相手に、私の考えるあるべき音声指導を中心とした授業を実演し、かつ解説も加えたものです。

率直に言いますが、これは素晴しいDVDですね。授業の中身が抜群にいいし、生徒たちのリアルな表情によって、「真実」が見えます。

まずモデル授業の部分では、50分間の授業が、各フェイズに分かれて画面に簡単な解説がつきながら展開されます。

音トレーニングドリルを使った帯活動

肉声のみによるオーラル・イントロダクション

CDを併用した本文内容導入

CD音声についての注意喚起

新語の発音指導

きめ細かい音読指導

TFベースのペアワーク

キーワードチャートベースのペアワーク

ペアワークの練習成果をみるチェックアップ

授業の仕上げの短期記憶ディクテーション

などのフェイズで構成されていますが、ある程度、授業を見る目がある先生が見れば、盗みどころが満載です。

授業者本人としては、一斉音読などのときの生徒の音声を教師がどういう表情で、どちらに視線を向けて聞いているか、一斉音声のどの部分にフィードバックをどのようにしているか、に着目してもらうのがよいと思います。

つぎにモデル授業とは別立てにしたグルグルの場面も収録されていて、授業者と生徒個人の間の50センチメートルの空間でどんな空気が流れているのか、フィードバックに生徒がどんな表情で応えているのか、も、目の前で手に取るように見ることができます。

これは仮に私のグルグルを生で見たとしても、教室の後ろから見ていたのではわからず、ずっと私について横で観察していなければわからない細かい部分です。それをカメラマンの人が私と生徒に張り付いて撮影してくれたからこそ見られる映像が詰まっています。

最後には、授業における音声指導のポイントや考え方についてインタビュー形式で私が語っているところがあり、授業を進めるうえで重要な姿勢が理解していただけるようになっています。

音声指導はあまりやっていないので少しでも取り入れたいという先生に、また、オールイングリッシュで授業をしていて、そのため生徒の音声面の明示的な改善指導はしていない先生に、是非見ていただいて、役立てていただきたいビデオです。

是非、ご利用ください。


なんと、サイト回復しました。

なぜ停止されたのか、なぜ回復されたのか、まったく不明。。。

5/02/2013

サイト、突然、一方的に、停止されました

いままで開設していた Zuke's Home Page ならびに、学生用にダウンロードするファイルなどを置いていた Zuke's Downloads というサイトが、1昨日、突然グーグルによって使用停止(disabled)にされました。

アクセスしようとすると、

The Google Account of a site owner has been disabled because of a perceived violation of the Terms of Service. The site owner needs to restore their Google Account before this site can be viewed. Learn more

というメッセージがでます。

一応、グーグル側にコンタクトは試みていますが、こういうケースで応答があった試しがない、ということらしいので、復旧は諦めています。

とりあえず現在の授業でつかっているファイルのみ急遽別サイトをつくりそちらにアップしました。

新しいサイトのアドレス:

https://sites.google.com/site/shizukatemp/


ごらんのようにグーグルでも新しいサイトであれば開設できる、のは妙です。

いつまた停止されるかもわからないので、別の有料サービスを利用する方向も検討中ですが、とりあえず授業が困るので、急場しのぎに作りました。

無料でサービスを利用しているので、たしかに Terms of Service を読むと、グーグル側が生殺与奪の権利を保持する、とは明記してありますが、なんの警告もなく一発退場は、あまりにも一方的だと感じます。

だいたい何の違反をしたのかよくわかりません。

世界中でどれだけ多くの人がグーグルを利用して、その人たちがグーグルの手のひらの上で、踊らされていて、グーグルがその気になれば、どうにでもできる力を保持している、というのは考えてみれば怖いです。