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8/15/2014

iPS細胞、山中教授の英語は . . .

文科省が制作した、iPS細胞で知られる山中伸弥教授が、タレントのケインコスギさんのインタビューに答えているビデオをちょっとだけ観たのだが、その英語に非常に好感を持った。

発音面も含めて「きちんとしている」「ちゃんとしている」「まともである」などの形容をしたくなる、極めて良質の英語である。彼の風貌からイメージするとおりの、誠実な、端正な英語だ。

海外経験が非常に長いとか、ほとんど帰国子女であるとかいう背景を持った人の、いわゆる国産英語とは質の違う、バイリンガル的なうまさ、ではなく、基本的には国内で学習しながら努力した人が到達するであろう、と思われる種類の、普通の日本人が目標とするに相応しい、EFL 英語である。

ノーベル賞をとった山中教授の英語があれだけ上手い、ということを、一英語教師として大いに喜びたい。

従来、世界的に活躍している、あるいは世界的な業績を上げた、国際機関の役職者とか、ノーベル賞学者というと、英語でのインタビューを聞くとお世辞にも上手いとは言えず、それをもってして、一般人および一部の英語教員が、

「やっぱり発音なんか、どうでもいいんだ。ブロークンでいいんだ。」

というマイナスのメッセージを受け取ってしまうことが多く、私のようなものはその誤った考えを否定するにの躍起になることが多かった。

これまでそのような悪い例ばかりがあったなか、誰が考えても世界で一流の「中身」をもった山中教授が、「外見」も一流であることが、これからの英語学習者に与える良い影響を考え、英語教師である私は心のそこから喜びたい。