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6/20/2014

心・技・体の普及率

先週、今週とつづけて地方に講演に行き、感じたことは、『英語授業の心・技・体』を読んでくださっている英語教員は、ごくごく少数派(1割、せいぜい2割)だ、ということである。

そしてそれはとても、とても、残念なことだ。というか、もったいないことだ。

『心・技・体』に書いてあることを実践すれば(できれば)、その人が今やっている英語授業の質が格段に、100%確実に、上がる、からだ。

I truly wish that would happen.

そして、それは11月に刊行される『英語授業の心・技・愛』も、同じことである。

ひとの授業をみるにつけ、授業の問題の解決策は、すべて『心・技・体』と『心・技・愛』に書いた、という思いを強くする。毎回。毎回。


6/19/2014

弾音化

/ t / や /d/ が主としてアメリカ英語で弾音化する、という現象は日本人が習得すべき技能としての優先順位は非常に低い。

そういう現象があると知っていることはリスニングの際には有効だが、自分でもそのように発音する「必要」はまったくない。

きちんとした通常の閉鎖・破裂音でまずいことはまったくない。

better や butter の発音で焦点をあてるべきは、そんな regional な瑣末な現象ではなく、er の部分の曖昧な音価と短さ、ピッチの低さである。

t が r になる、などというミスリーディングな言説があるためか、/ t / が、接近音の [ r ] になる、という誤解で berrer とか burrer のようなありえない発音をする英語教員にも学生にも何度も遭遇した。

教えて諭す、この素晴らしい仕事

『英語教育』7月号の「英語教育時評」に、

日本の教育学部に在籍している時に、「教えて諭す」という名前の職業が嫌だったので海外の大学院に行き (靜注:私は、ついついこれを「逃げ」と読み替えたくなる)、そこで「SLA研究の素晴らしさ」に感動したので、是非、日本の「教えて諭す」職業についている人たちを養成するための教育課程にも、必修科目としてSLA研究を取り入れて欲しい、

という意見が載っている。

教えて諭すのが嫌だ、などという考えの持ち主だったことを(行間から読み取るにおそらくは)誇らしげに、すくなくとも恥ずかしいとは思わずに世の中に開陳するような大学教員/研究者に、一生懸命あるいは一所懸命、授業で、学級で、部活動で、学校行事で、子どもたちを「教えて」「諭す」という substantial な仕事を行っている中高教員に何が足らないか、などを言って欲しくはないし、またそのようにいう資格があるとは思わない。

教諭は教授にはなれるが、教授は教諭にはなれない、とは高校教員時代の教え子が大学に進学してまもなく私に言ってきた名言だ。

冒頭の意見はおごりだと私は思う。



6/13/2014

Can-Do はドコへ行く。。。?

「英語の授業は英語で」、は是非はともかく、させようとしていることは分かる/分かった。

が、今の Can-Do 騒ぎは、させようとしている事自体がよくわからない。

「うちの県は Can-Do 実施率が低いので、実施率を上げるためにテコ入れして云々」

などと、不毛な努力がなされているとのこと。

実施率って何? 何を実施している? Can-Doリストとやらを紙に書いて作った率?

意味はわからない、役にたたないけど、上がやれやれと騒ぐので、しょうがない、作っておけばいいか、的な先生も珍しくないのだろうと推察する。そして、中間管理職たる指導主事も、心のなかは似たり寄ったりのはず。

どんなに忙しくなっても、どんなに作業量があっても、それが意味のあること、生徒のためになることであれば、構わないし我慢できると思うが、意味が不明で、たぶん生徒のためにもならないだろうことで、自分の時間と労力をとられる先生方は、たまらないだろう。


いよいよ放送日が。。。


Rの法則 「話せる英語」
~アナ雪主題歌「Let it go」で発音力&リスニング力アップ!~

NHK Eテレ
6月16日(月)18:55~19:25


あらかじめ予防線を張っておきますと、知らない人が見るとただの「変な先生」に見えるかも。。。

6/12/2014

閉鎖音が続くと開放がなくなる

おはようございます。昨日の授業できづいた一部のみなさんの誤解をときます:

p, t, k, b, d, g を、閉鎖音、あるいは 破裂音といいます。

唇や舌で呼気の流れをいったん「閉鎖」して、その後一気に開放することで「破裂」させるので、こう呼ばれます。

つまり、これらの音は、(1)閉鎖、(2)破裂、という2ステップをとる音です。

ところが、ステップ1は必ずありますが、ステップ2はあったりなかったりです。

閉鎖は必ずしますが、開放はしない場合もあります。

ではどういう場合に開放しない(破裂しない)ことがあるかと言うと、2つの閉鎖音が連続した場合、最初の閉鎖音は開放しません。

たとえば、dのあとにbがきて、db となると、dは破裂しません。

例) I should be studying.  の、 should と be のつながりは、db です。よって、shouldのdは開放しません。shouldのdのために舌を歯茎につけたら、それを離さず、そのまま唇を閉じてbに移り、bで開放して be といいます。

I could go. の、could+go などもそうです。

did not の did+not は、 nも鼻音ですが破裂音の一種なので同じ現象です。


Let it go. で、 it+go は、...tg... なので、tは開放しません。なくなるわけではなく、あくまで開放しないだけです。

単語のなかでも、..kt... という連続では、kは開放しません。 

rejected では、cは、/k/という音を表しますが、ctの部分は、cを開放しません。

よって、apt と act は、ほぼ同じ音になる場合があります。

これからいろいろな授業でCD音声を聞く場合、この点に注意してみてください。また自分で発音するときも気をつけると、英語として自然な音になってゆきます。そのほうが、慣れれば発音しやすいのです。

6/11/2014

『英語授業の心・技・愛』脱稿しました

11月に研究社から刊行していただく予定の、

『英語授業の心・技・ --小中高大で変わらないこと --』
(靜哲人+正頭英和+小林翔)

の原稿が完成しました!

めっちゃいい本になっております。