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2/19/2017

気持ちをことばにのせて

もう10年近く前だが、非常勤として勤務していた中学校(関大一中)で行われた暗唱コンテストで審査委員長を務めたことがある。

当時お世話になっていた先生から、今年もまた暗唱コンテストを行うにあたりあの時に私が書いた挨拶を是非パンフレットに載せたい、という要望をいただいた。

光栄なことであり、もちろん使ってください、と返信したが、その挨拶を改めて読み返してみて、我ながらなかなかよいことを言っているように感じるので、ここに載せる:

―英語暗唱コンテストによせて― 
名誉審査委員長
大東文化大学 教授 靜 哲人 
人は気持ちを言葉にします。言葉とは音声です。だから音声は気持ちなのです。 
暗唱とは決められた一節を「暗記して唱える」と書きますが、不思議なことにうまく暗唱するコツは暗記しないことだ、と言われています。もちろん最初から覚えていないのではお話になりませんが、一度完璧に覚えたらいったんそれを忘れてしまうことです。そしてその白紙の状態から、自分の「気持ち」を言葉にのせて相手に伝えようとして語ることが、結果的に聴く者の心を打つ暗唱につながるのです。 
「うまく」「すらすら」「間違えずに」暗唱しようとする必要はありません。それよりも、できる限り聴いている人たちひとりひとりの目を見ながら、自分の気持ちを言葉にこめて相手に伝えよう、としてみてください。気持ちが言葉に乗ったとき、優れた暗唱が生まれるはずです。 
出場者のみなさんの「気持ち」を受け取るのを楽しみにしています。

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今年、実際に中学生のパフォーマンスを見にゆくことはできないが、きっと気持ちののった英語を届け合うコンテストになるだろう。

2/15/2017

「アクティブ・ラーニング」使えず:喜劇?

「アクティブ・ラーニング」使えず=法令では難しく―学習指導要領改定案
時事通信 2/14(火) 17:07配信

文部科学省が公表した学習指導要領改定案では、中央教育審議会の答申がキーワードの一つとして掲げていた「アクティブ・ラーニング」という言葉は使われていない。

同省は「指導要領は広い意味での法令であり、しっかりした定義のない片仮名語はなかなか使えない」と説明している。

(以下略)

--以上引用 --

ザマアミロ(誰のザマかな?)
実にめでたい。これを機会にこのうっとおしいバズワード自体が消えてゆけば多くの良心的な英語教師の精神衛生状態にもプラスである。
ついでに、ファカルティ・ディベロップメント(FD)とか、スタッフ・ディベロップメント(SD)とかのテキトー雰囲気用語も消えてくれればいいが。


2/14/2017

Happy Valentain!

数日前、通勤ルートに某ショップを通りかかった時に見かけたのが、このチョークで手書きの看板。

ありがちな綴りだ。

暇な時間帯でお客もいなかったので、誘惑に堪えきれず、そばにいた(暇そうだった)店員さんに近づき、「◯◯さん(ショップの名前)ですよね。あのぉ。。ボードのバレンタインのつづり違うよぉ~(笑)」とだけ告げ、そそくさと立ち去った。

(変なおじさんである)

あれから3日。

昨日また通りかかってみると、おお、直してくれていました。うっすらとチョークを直した跡がご愛嬌。フフフ。。

2/11/2017

英語も達人で授業にも命がけ

神戸市立外国語大学の野村和宏先生の研究室を訪問させていただきました。

大学院の様子を教えていただくのがメインの目的だったのですが、たまたま見せていただいた学部の授業のビデオにうなりました。

毎時間の授業を録画しそれをDVD に焼いて学生に渡すのをルーティーンにされているとのこと。

英語の達人もいますし授業命の人もいると思いますが、両方の人は非常に少ないと思います。

その意味で今日の訪問は大変 勉強になりました。

野村先生 貴重なお時間をありがとうございました。先生の学生は幸せだと思います。



2/05/2017

入試監督道完遂

告白するとセンター試験の監督の時は少し座ってしまったのだが、本日は、過去に自ら宣言した「靜流入試監督道 十戒」をすべて実践し、一日通して一回も座らずに監督業にいそしむことができた。ひとところに立っているとむしろしんどいので、室内を超低速で巡回する。階段教室の昇り降りで、超低速歩行を実践したので、軽い筋肉疲労さえある。快適で適度な緊張感のある受験環境を作り出すことができたと自負している。最後は、「気をつけてお帰りください。ごきげんよう~」 受験生のみなさん、お疲れ様でした。

2/04/2017

『高校英語のアクティブ・ラーニング: 成功する指導技術&4技能統合型活動アイデア50』(明治図書)

の著者の「セバス」こと小林翔君ができたてホヤホヤの著書を届けてくれた。



<自らの著書を手に微笑む小林翔氏> 

パラパラとブラウズしてみると、いわば私の『英語授業の大技・小技』(研究社)のセバス版という感じで、若い中堅教師が、これでもか、と自分のノウハウを惜しげもなく公開している本に仕上がっているようだ。

私が38歳で『大技・小技』を出したのが1998年。それから約20年経った2017年に34歳の弟子のセバスが出したのがこの『活動アイデア50』。

この約20年間で、英語授業の「技術」はどのくらい進歩したのか(しかし本質は変わっていないのか)、ぜひ読み比べてみるとおもしろいだろう。

『大技・小技』の著者自己紹介で私は「趣味は授業。夢は地上最強の英語教師を育てること」と書いた。そして小林氏は本書のあとがきで、自らのことを「趣味は授業。地上最強の英語教師になるのが夢だ!」と書いている。

柔道経験者で、「受け身」(=もちろん受動態のことですが...)の導入のために、柔道着で教室に乗り込んでいきなり「受け身」の実演から入って生徒の度肝を抜く、といったパフォーマンスのできる小林氏は、まさに「地上最強の英語教師」への道を一直線に進んでいると言えよう。

パラパラと読んで、「お!」と思ったのは、

15 音節とリズム感覚を養う Limericks (p. 90)

である。これはやられた。。素晴らしいね、セバス。

少し前のポストで、噂に聞くと随分物議をかもしたらしい、高校は「クソ」でした に出てくる高校英語授業とは対極にあるような、うっとおしいくらいに熱い熱い授業を展開する東京都でもいまや主導的な立場にある中堅高校教師の渾身の一冊なので、とくに若手の、やる気のある高校の先生、是非手にとってみてください。勇気がわいてきますよ。書店に並ぶのはもう少し先になるとのことです。

**** 以下、心の声 ****

『大技・小技』は若林先生に読んでいただくことはできたが、『英語テスト作成の達人マニュアル』(大修館)のときにはタッチの差で天国に旅立ってしまわれていた。オレはセバスの二冊目を見るまで元気でいるぞ。

2/03/2017

教え子が相次いで本を出した、という幸せ

関大時代の教え子の竜虎のひとり小林翔君が、このたび、単著の単行本が完成しました、と知らせてくれた。

もうひとり正頭英和君のほうはすでに単著単行本世に送り出している(またそれが大変好評とのことで、続編を出すとのこと)ので、これで、竜虎の両方が著書を持ったことになる。

テイストは違うが、ふたりとも逸材だ。若いし、勢いがあるね。かたや小学生を、かたや高校生を、毎日ビシバシしごいている様子が目に浮かぶ。

シズカイズムをまず継承し、それをそれぞれのテイストによってさらに独自のイズムに高めている。

ますますの活躍を期待したい。