「撮影やりました!」から3か月。
3度目の撮影を本日行いました。本当は1月にやった2度目の撮影であとは編集作業に入っていただく予定だったのですが、2度目の撮影の出来に満足できず、ジャパンライムさんに無理をお願いして、予定外の3度目をやらせていただきました。
2度目の撮影がイマイチだったのは、すべて私の力不足です。スクリプトをがちがちに書いてしまったのが裏目にでて、そのスクリプトを覚えてそのままデリバーしようとしたために、表情の硬い、不自然なものになってしまいました。
これでは、教科教育法の学生に胸を張って見せることができない。。。
悩んだ末にお願いしたのが、今回の撮り直しです。
今回のDVDの仮題は、「英語は英語で解説し、かつリズミックに教えよう!」
英語は英語で教えねばならぬ、と文科省が(遅ればせながら)言い出したせいで、各種研究会の公開授業はいまやすべて「オールイングリッシュ」です。しかし、(ほとんどの場合)そこにぽっかりと抜け落ちているものがあると思います。
それは、「本文の精読」です。文法訳読法の授業であれば、1文1文、構文を確認し、意味を確認し、という作業が授業の中核になっていたはずですが、「オールイングリッシュ」になったとたんにその部分がまったくなくなっているのです。
しかしそれこそが、特に高校においては授業の「肝」であるはず。そこを避けて通って表面的な「オールイングリッシュ」を謳ったところで、それ、ごまかしでしょう。
ということで、その「なおざり」にされている部分に真正面から斬りこんだのが、今回のDVDです。
料理した題材は、中学および高校の検定教科書の本文、そしてオバマ前アメリカ大統領のあの広島スピーチです。
今日はその、本文を1文1文英語で解説して精読してゆく、という部分を撮影しました。
実は今回の企画を思い立ったきっかけは、ある教え子の「泣き言」です。彼は高校の中堅教員ですが、自分の学校の生徒たちには難しすぎる教科書を学校が選定するせいで訳読しかできない。。と訴えていました。
言いたいことはわかります。しかしちょっと待てよ。いくら難しそうに思えても、現実の世の中にそういうレベルの英文が存在しているのは紛れもない事実。その事実に背を向けて、訳読しかできないからそういう英文は教材として忌避する、という態度に私は瞬間的に違和感をもちました。そしてその場で彼が「訳読しかできません」と訴えていた本文を、それなりに英語で解説してみました。
本文がむつかしければ、よりやさしい英語で説明すればよい。構文がむつかしければ、それを分解してよりシンプルな文の組み合わせであることを示せばよい。無生物主語が難解ならば、同じことをより明快な生物主語の文にしてやればよい。内容が抽象的であれば、身近な例を挙げてやればよい。どれほど抽象的で難解な内容であっても、そのポイントを簡単に言えないことはないのではないか。
それを彼を教えてやりたい。だから、俗に進学校向けと分類されるCommunication English II や IIIの教科書の本文を使って、それが可能であることを実証してやりたい。
それが今回の企画の源でした。
発売は年度があけてかなり経った頃になると思われますが、ぜひ、ご期待ください。