題材は Steve Jobs氏のStanford Commencement の Story of Connecting the Dots.
事前準備として音声を1文ずつ切り分けて、スクリプトを見ながら再生できるように、パワーポイントに貼り付けたものを作っておきました。
最初の15分くらいをつかって、一斉形式で音声の確認・指導をごく軽く行いました。ターゲットを1チャンクごとに再生して、参加者ひとりひとりにとりあえずリピートしてもらい、ごくさらりとダメ出しをする、というのを行いました。
マイクをフロアに渡しておいて、マイクが回ってきたら自分の順番として音読し、それに私がフィードバックし、それを全員が聞く、というプレッシャーのかかる状況をあえて作り出しました。
ただ英語音声レベルは本当に玉石混交で、かつほぼ一期一会で、かつ「子ども」から高齢の方までいるので、本格的な指導はせず、ごく軽く、その人の様子とスキルに合わせて、「RとLの区別がだめですね〜」という一言で済ませるのから、何度か言い直させてみるまで、フレキシブルに行いました。ただし基本は軽く、お急ぎで。
で、いよいよ2段階グルグルです。これは5人の靜ゼミ生が、9名ずつのグループを担当して第1段グルグルをし、そこで合格してきた受講者を私が第2段階の「本番」グルグルをする、というものです。
教室環境としては、部屋の中央部分のみ、可動式机を6本部屋の外に運び出して空間を作りました。ゼミ生が担当する5グループはその周辺で、小さな5つの輪っかをつくり、合格した受講者が、スペースの空いた中央部分に立っている私のところに来て、私のグルグルチェックを受ける、という形にしました。
対象が44名で5グループなので、物理的にどこかで「渋滞」がおこらないかが懸念されたために、次のようなルールにしました。
(1)第1段階ゼミ生グルグルで3回続けて合格しなかった場合は、あきらめて次の文に進む。この場合は、その人は第2段階の靜本番グルグルには来ない。
(2)第1段階ゼミ生グルグルで合格したら、靜のところに来てチェックを受けるが、靜の判定を受けられるのはその文については1発勝負。つまり、マルであってもバツであっても、おわったらすぐまた自分のグループに戻って、次の文に移る。
こうすることで、私の周りに人が渋滞してしまうことを防いだのです。
という段取りをつけて開始しました。もちろんその仕込として、5人のゼミ生はかなり鍛えて、まずまず師範代としての役割を任せられるようにしておいたことは言うまでもありません。アドバイスとしては、一人にかける時間は2〜3秒にせよ。文の途中で駄目な点があったら最後まで聞かずそこで切ってダメ出しせよ。
さあいよいよ始まりました。最初はなにをどうすればいいのか戸惑っていた参加者に、形式は read and look upなので発音するときには原稿から目を離すこと、などから説明し、5人の師範代、それぞれ奮闘を始めたのを、部屋の中央で私が眺めています。
と、そうこうしているうちに、ひとり、またひとり、と私のところに第2段階チェックを受けるために参加者がおずおずと近寄ってきます。私からしてみると、自分の周囲、5方向から誰かが来るので、そちらを向いて発音を聞いて判定する、という形になるわけです。
一つのグループはこんな感じ
やはり私のチェックは1発勝負としておいたのは正解で、そのために渋滞は一切起こりませんでした。もちろん時間が多少でもあればなるべく秒数をかけて、コーチすることもありましたが、周辺の視界に次の挑戦者が来ていることが見えている場合には、コーチは一切せず、「Lになってない!」とだけ言ってその人の相手は終わりにし、くるりと方向転換して次の挑戦者のほうに向く、という形にしました。
私のところでマルがでると、やった!とガッツポーズをする中学生や、「やる気でました!」と喜んでくださるご年配者もいて、老若男女とわず、いつものグルグルの雰囲気が出ていました。参加者はグルグル初体験でしたが、グルグルはやっぱりグルグルワールドを作り出してくれるのです。
あっというまに60分間ほどが過ぎ、終了まで4分で私が「終了〜!」と声をかけ、最後は、スクリーンに無音声でながれるリアルタイムのジョブズの映像プラス大きな字幕をみながら、全員で音読。つまり音声のないシャドウイングですので、ジョブズとまったく同じスピードで読むことが求められます。けっこう参加者の声は大きく、まずまず読めているという印象でした。
終わったときには思わず拍手が。長机を室内に戻すのを手伝って欲しいと告げると、「え、もう終わり?めっちゃ早かった。」という声が高校生から出ていたのが印象的でした。おそらくちょっとつらかった昨日の講義(ペアワークは取り入れましたが、基本は座学の一斉講義でしたからね)との対比もあって、90分が早く感じたのでしょう。
以上、初めての試みの2段階グルグルは、大成功の部類と言っていいでしょう。ボランティで参加してくれた師範代の5人、おつかれさま!
夕食後のセルフスタディで参加者の高校生3人組と話す機会がありましたが、「学校にはネイティブの先生がいるが、何をいってもExcellent!という感じで何も直してくれないので上達がない。でもきょうははっきりダメ出しをしてもらえて上達が実感できた。」とのこと。そうでしょうとも。やっぱりグルグルの哲学は初対面でも伝わるのです。
師範代5人と開始前の記念撮影。
よくできました👊
よくできました👊