/s/や/z/その他で終わる以外、もし名詞語尾が有声なら複数形語尾は /z/だし、無声なら/s/である。
songsは /z/だし、tigersは/z/ だ。
が、こういう当たり前のことを誤解している学生が少なからずいる、ということに最近気付かされ、ちょっと愕然とした。
カタカナの、「ソングス」「タイガース」「ドジャース」をそのまま信じている、ということなのだ。
ン〜。。
中学1年で英語を始めたその日から、いかに音声をいい加減に教えられてきたか、ということのひとつの証かもしれない。
これはたぶん氷山の一角で、もっと他にも有声無声を誤解されている名詞はあるだろう。
と思っていてふと、最近読んだ本、『日本の分断:切り離される非大卒若者たち』吉川徹(光文社新書)を改めて見ると、非大卒若者を表す Lightly Educated Guys のアクロニム、LEGs に、著者が「レッグズ」ではなく「レッグス」とルビを振っているではないか!
吉川氏は大阪大学大学院の教授であり、まちがいなく最高レベルの知識人である。そのような方が本気で LEGsを レッグ「ス」と読むと思っているのだろうか。あるいは英語としては本当は レッグズだが、一般読者に合わせてあえて レッグス としたのだろうか。
後者であれば、その判断に賛成はできないにせよ理解はするが、前者だとしたら、日本の英語教育全体の恥である。まあ英語教育の恥は他にもたくさんあるが、音声面から眺める私には、そう感じられてしまう。
まあ街には baked をベイクドとしたレストランは多いのはわかっていたが、/z/なのに/s/だと思っている人が結構多い、というのは今回初めて認識した。
目に見える些末なスペリングにはこだわるが、耳に聞こえる音声はほとんど無視、という状況の、another piece of evidenceのように思う。