ご自身の約20年間の中学教師としての歩みを振り返り、その時々に力を入れていた活動を紹介しながら、授業に対する考え方の変遷を解説する、という形で講演は進みました。
個々の文法事項に応じた様々な導入の創出に力を入れ小道具に凝りながら会話練習に重点をおいていた初期から、一斉授業での習熟度別の活動、ライティング指導、発音指導と「意味順」、と興味・関心が移ってきて、現在は「内容先渡し」という考え方に行き着いている、とのことでした。
大きな流れとしては20年間でバラエティ豊かな華やかさを求める姿勢が、英語のコアを見極めてそれをシンプルに追求する姿勢に変わってきた、ということであったように思います。(そのことについて、靜の『大技・小技』と『心・技・体』の関係(前者は華麗な技のオンパレード、後者はよりコアな「地味」な部分に焦点)とのアナロジーを感じている、と言っていただきました。光栄です。)
聴衆として英語学科を中心に55名の学生と4名の教員が集まり、熱心にお話に聞き入りました。今年教育実習を終えた学生には自分の体験を振り返って考察を深める機会となり、来年から教壇に立つ学生、教育実習に行く学生たちにとっては、使ってみたいアイディア、授業づくりのヒントがたくさん得られた90分間であったと思います。