◆第8回英語力UPゼミ ご案内ページ
=第一部のみ=
http://www.alc.co.jp/event/13/
=第一部・二部セット=
http://www.alc.co.jp/event/13/
発音ザムライ、ジャパリッシュ英語教師を斬る! 寄るな触るな、触れなば斬らん! 斬り捨て御免で御意見無用! (Part of the Caption by Courtesy of Madame Satoh)
私は友人の誘いで小学校6年生から英語というものを学び始めました。当時はひたすら先生の発音した単語を復唱するだけでしたが、それでも「リンゴ」を「apple」と言えただけで嬉しくて仕方がなく、英語が話せることをとても楽しいと感じていました。
(中略)
しかし、中学校に進学してみると、同じ「英語」という分野にもかかわらず、その内容は英文和訳と文法問題が中心。そこには、私が好きだった「話す」英語はほとんどありませんでした。先生たちが気にしていたのは生徒の成績ただ一つ。成績さえ良ければ、英語らしい発音なんか出来なくても、英語に興味を持ってもらわなくても関係ない、今思えばそういう態度で授業をしていたように感じます。いつの間にか私自身も成績重視の考え方になっていて、英語を話す楽しさなんかすっかり忘れてここまで来てしまいました。
初めて英語を学ぶ子供たちにとって、目の前にいる英語教師こそが英語そのものであり、その教師の英語力がそのまま子供たちに反映されます。生徒を大切に思うのなら、最初からしっかりとした英語を教えるべきです。しかし、今の私にはそのための十分な力がありません。万が一教師になれたとしても、このままでは私の大嫌いだったあの先生と同じように生徒を苦しめることになります。そうなるくらいなら、今すぐ教職をやめて他の道に進んだ方が良いのかと悩みました。
でも、靜先生の授業を受けて、こんなに面白い英語の授業をする人がいるのかと心底驚きました。今までの人生で、こんなに自己流の授業を展開してくる先生は他にいなかったので。ですが、20歳を目前にして、初めて生きた英語を学んでいる気がします。正直なところ、英語を書くこと話すことが極端に苦手な私にとって、先生の授業はかなり辛いです。でも、それを克服して生徒たちに「最初から」こんなわくわくする授業をしてあげたい。
生徒たちに胸を張ってちゃんとした英語を教えられる教師になり(中略)、生徒たちに英語を学ぶ楽しさを伝えたいです。
大阪府の小学校で35年間教師をしています。(中略) 靜先生の授業を受けるまで、「私にはRの発音は無理」だと思っていたし、「Lは日本語のラ行で問題ないだろう」と考えていました。きちんとした指導を受ければだれでも身につけることができると今では思います。
小学校英語というといつも指導者の問題が取りざたされます。小学校教師に求められる英語の力はと聞かれたら、私は「アルファベットの一つ一つの音が正確に出せて、易しい絵本やチャンツ、歌が正しいリズムで読めたり歌えたりすること」と答えます。これができないから小学校での英語教育に反対だという先生もたくさんいます。これが今の日本の英語教育の大きな問題点であって、個々の教師の怠慢といえるものではないでしょう。
でもこの点について今さら中高の英語の先生をうらんでみてもはじまらないし、文科省の研修も期待できそうにありません。まずはLとRから始めて見ませんか。具体的には、マザーグースでも歌でも絵本でも簡単なものでいいので、自分の気に入ったものを選んで教師自身がモデルを徹底的にまねて覚える、というのを勧めます。そしてターゲットの語を決めて教える。小学校教師は音を大事にした入門期の文字指導の経験を持っているし、楽しい音読指導の方法もたくさん知っています。「あ」の一文字だけで45分の授業を組み立てられる力もあります。それらは英語の指導にも必ず生かされます。
今、一年生を担任していて、運動会のダンスで使った「under the sea」の歌を一緒に歌っています。RとLだけ、サビだけと思っていたのに、一つの音にこだわってみると、また次の音が気になってきます。帰る前に1、2回歌うだけですが、「今日はbetter とwetter の違いに気をつけて歌ってみよう」といった感じで、日に日にうまくなってノリノリになっていく子どもたちを見るのは楽しくてしかたがないです。実はその前の晩には必死になって「w」の音を練習しているのですが。子どもを鍛えるつもりが私自身が鍛えられている毎日です。まだまだこれからです。いっしょにがんばりましょう。