Taylor Swift の Blank Space のサビに、
It's gonna be forever
というフレーズがあるのだが、be forever の部分で苦戦する学生が続出した。
be の b で両唇を閉じ、forever の f と vで、下唇のみを歯にあてる、たったそれだけ(と、英語に慣れきった私には思えてしまう)の筋肉動作がうまくできないのである。
forever で両唇閉じるな~!と言えば、be から下唇のみになって、 ve forever と発音し、
be はちゃんと唇閉じろ~!と言えば、こんどは、be foreber と発音する、
という調子。
たしかにそれだけの動作だが、f/v に慣れていない初学者には難しいのだな、と改めて納得した次第である。残念なのは、彼らは英語の初学者ではなく大学1年生であり、その初学者の状態で、中高6年間ずっと放置されてきたことである。彼らを教えた中学、高校教師のことを思うと大変に嘆かわしい。
have you ever been to .. などの表現で中学からさんざん出てきているはずなのだが唇の動きなど指摘されたこともないのだろう。
それはさておき、自分自身は b / v の切り替えなど自動的にできる、というのはまったくの思い上がりであると思い知らされることがある。
苦戦中のドイツ語である。
「競技会」という意味で、 Wettbeverb という語がある。ドイツ語はwは/v/を表すので、
ヴェtベヴェアp
という発音だ。前置詞と定冠詞が一緒になった am が前にくると、
am Wettbeverb
なので、このフレーズはアmヴェtベヴェアp
という(私にとっては)「あり得ない」発音になる。
スペリングを見ながらゆっくり言えば /m/ /v/ /b/ の切り替えはできることはできるが、顔を上げて速く言おうとすると、もういけない。こんがらがってしまって、どこが /v/ でどこが/b/だかわからなくなる。。。。
上の、be forever で苦労する学生たちと大して変わらないではないか。。。
しかし、これとても、ドイツ語上級者になれば、「なにができないのかわからない」ような、簡単な動作なのであろう(と推測する)。
ということで、何事も初心者というものはそのようなものである、という認識を新たにしよう。
かりに /b/ 自体、 /v/ 自体は慣れていても、その出現する順番や音声的環境が慣れないものになると、うまくできないこともあるということだろう。
そして、そのような初心者が、いつか中級者に、そして上級者になってゆくためにはもちろん本人の努力が一番だが、指導者の存在も大変に大きいものである、という認識を新たにしよう。