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10/20/2017

大分県教育庁チャンネル英語授業についての論評 その(1) 信じがたいほどに質の低い発音

大東文化大学 英語教員養成担当 靜 哲人

YouTubeに公開されている以下の授業の、担当者の英語発音について論評する。




はじめに

ことさらに、一高校の一英語教師を取り上げて、このように公開で批判するのはいかがなものか、大人げないのではないか、という気持ちはある。

しかし、これは授業をした側(大分県公立学校および教育庁)が自らYouTubeに公開した映像であり、かつ県立高校の授業であり、教師は公務員である。そしてこの授業の発信もとの官庁である大分教育庁が、キャプションで、

学力向上支援教員・指導教諭らによる優れた授業をノーカットでお届けする「シリーズ授業まるごと!」

として、この授業を endorse している、となると、日本の英語教育の質の向上という公益を願うものとして、看過できない。

このように、公開の場で、明示的に批判し、その問題点を指摘することは、公益にかなうものであり、価値があり、適切であると判断し、ここに意見を公開する。



意見(結論):

この授業担当者の発音は、あまりにも不適切であり、その1点だけで、「優れた授業」とはとても考えがたい。授業の内容や運びがどうであっても、それをすべて帳消しにするほどの、質の低い発音であり、英語教員であるとは信じたくないほどのレベルである。

英語教員を養成している立場として、この授業を見て「優れている」と感じるような学生を絶対に育ててはならないし、世の中の英語教師にも、この授業をみて「優れている」とおもって欲しくないと心から願う。

幸い、私の教えている学生、過去に教えた学生、私の知っている現職教師には、この授業を見て、発音の質の低さに唖然とし、憤りを感じる者はいても、「優れている」などと感じる者は皆無だろうと思われる。ただ残念ながら世の中には発音を軽視している英語教師は多いので、この公開授業がそれらの発音べたな教師たちに、「あれでもいいのだ」と、一種の免罪符というかお墨付きになってしまうことを危惧するものである。

また、この授業は2014年に公開されているが、もし現在も、同授業者がこのレベルの英語発音で授業を続けているとするならば、担当してる生徒たちに質の悪い英語発音を毎日のように浴びせているということであり、公教育の現場として極めて望ましくない状況である。その後、精進され、今はほとんどカタカナ発音での授業はしていないことを願うのみである。

また、大分県教育庁のご担当者においては、ここで指摘したこの授業の問題点を認識され、すくなくとも、これが「すぐれた授業である」という形での YouTubeでの公開は、日本の英語教育の質の向上という公益に鑑みて、一日も早く中止されることを強く望むものである。


エビデンス(各論):

以下、最初の4分間のなかで、特に不適切である箇所をリストにした。実際に確認していただきたい:

0:47 あたり(以下全て同様)
At first のつもりで、At farst と言っている。発音もカタカナだし、しかもここは「まず」という意味なので、At first は英語として不適切。正しくは、First と言うべきだった。

0:49
ask you to change your way of thinking sinking と言っている

from Japanese to English で、Japaneseは、ジャパnese と日本語。EnglishEngrish
というよりも、ほとんどが単にカタカナで発音している。

0:54
So, all stand up please.は、映像がなければなんと言っている聞き取れないほど不明瞭な英語。standaupuも同じ母音。pleaseは完全な日本語。ひとつひとつの音を音声学的に描写するのも面倒になるくらい、ようするに、すべて日本語の音素を使って英語を話している。


0:57
So pase take out ザ 音読 sheet . 

1:06
the first paragraph ザファースパラグラフ このあたりまったくカタカナ発音で、英語教師とは思えない。

2:10
OKサードパラグラフ

2:35
OK フォースパラグラフ まったくのカタカナ発音。

3:02
Sit down プリーズ

3:11
Let me exprain today’s project ,.. Lの音がまったくできない。おそらく発音しようという意識もない。

3:17
・テンプラチャー・アラウンざわーるd is..

ほんとうに、それこそ、これぞ「ザ・カタカナ英語」だ、というほどのカタカナ英語。

3:22
emission エミッション  schwaがない  典型的なカタカナ発音。

3:45あたり
question クエッション   ションション言ってはいけない。schwaを使うべき。

3:46
If there were only two countries  完全にカタカナで イフ ゼアわ~

3:51あたり
developed / developing countries 完全にカタカナ発音で、デベロップ デベロッピング

3:53
So in that case が、in ザット case…

3:55
CO2を、she oh tsoo と言った。


 これ以上は見ても、無駄に辛く・不快になるだけであるり、ここまでで充分な発音サンプルを検証したと判断されたので、ここで視聴終了。

以上


10/18/2017

ゴジラ と Godzilla

ゴジラはアメリカに輸出され、Godzilla になった。

















dzだから破擦音である。 ガッヅィラ だ。

日本の「ゴジラ」に最も近い発音を英語つづりで表すなら、

Gojilla

だろうか。L/R は無視。 しかし、jだからやはり破擦音なので、正しくは、ゴジラではなく、ゴヂラだろう。破擦音の強調で、

Godgilla としてもいいか。

もしつづりが

Gozilla

なら ガズィLa だ。zだから摩擦音である。

この3(4)種類の「ゴジラ」のつづり:

Godzilla
Gojilla / Gidgilla
Gozilla

を、スペリングは音を表す、という話のときに例に出している。






10/13/2017

千葉県、さらにもう一人合格報告来ました〜!

彼女はまず間違いないとは思ってましたが、良かったです。
嬉しいなぁ!

倒錯的発想としての名誉毀損認識

自分の授業をYouTubeで公開する。それは不特定多数の閲覧者に自分をさらすということである。

閲覧者のみかたは必ず、様々だ。ポジティブなものもあればネガティブなものもある。

しかるに、ネガティブなコメントをネットにアップされると、「名誉毀損」だというのは、いかがなものか。

さまざまな見方やコメントの対象になるのが嫌ならば、そもそもネットに授業公開などすべきではないのではないか。

「いいね!」だけしかつけてはならない、とでも言うのだろうか。発想が幼くないか。

質が低いものは質が低いのである。

デンタルのTH音であるべきところで舌先が前歯についていないことが客観的な事実・真実であることの証明は容易い。接近音であるRであるべきところ、舌先が歯茎に接触してたたき音になっていることは、客観的な事実・真実であり、音響音声学的な手法を用いて証明される。

そして、そういう音をだす英語教員は、質が低い。私の考えでは、給与をもらって教壇にたち、生徒の前で英語を口から出すための、必要条件を満たしていない。

法律論はともかく、そもそも質の低いものに「名誉」があってはいけない。評判は悪くなければいけない。その評判が悪くないならば、消費者が騙されている。

そんな生産者・製造者の「名誉」云々よりも、現実に、質の低い商品を毎日それと知らずに消費させられている生徒たちの、まともな商品を享受する権利を回復することこそが、喫緊の課題であり、「公共の利害に関する」事柄である。

なんといっても税金を用いた公教育の現場なのである。

その商品の質の低さを公に指摘することは、かつて『暮しの手帖』がおこなっていた、有害な、危険な、欠陥のある商品の公表と、本質的に同じことであり、「もっぱら公益を図る目的」のためになされていることである。

ネットに公開された公立学校の授業は公務員の公務執行の様子である。公務員であるならば、その公務執行の様子について国民から質の低さを指摘されたならば、謙虚に受け止め、改善することを考えよ。

質の低さをありがたくも指摘していただいた商品の質はその後、改善されたのだろうか?

向いている方向が違う。自分の生徒のほうを向け。生徒のためのベター、ベストを考え るべきだ。

自分のメンツや保身しか考えられないなら、もうそれは「教師」ではない。

10/12/2017

千葉県もふたり受かりました!

やりましたね〜!! おめでとう!!

今秋は誠に豊作である。


こんなところに! 英語教室Andy

おお! 足立君! 

これは私には初めてのパタンです。かつての教え子が、英語教室を始めているのを、ネットで発見しました。

英語教室Andy

https://englishschool-andy.jimdo.com/

代表・講師の 足立 鋼治 君は、関西大学大学院での私の教え子です。という言い方はおこがましいかもしれませんね。私の外国語教授方法論を履修してくれていた中で、ピカイチの実力の持ち主でした。英語自体も、英語の教え方も。Andyは彼の愛称です。

その彼が中学校の教諭を経て、今年の5月に自分の城をオープンしたということですね。教室の説明にはこうあります。

身につく3つの力
  • 正しい発音に矯正して、正しく話せる&聞ける力をつける!
  • 「話す」「読む」「書く」「聞く」「考える」の5技能が身につく!
  • 一人ひとりにあった効果的な学習法を伝授!
いいですねぇ。

Andy足立君は、ネイティブと変わらない発音と、抜群の英語運用技能を持ち、かつ大学院レベルの言語教授理論にも精通した、英語を教えるプロです。

「英語教室Andyの先生は、「英語ができる先生」ではなく「英語を教えるプロ」です。私たちはみんな日本語を話せますが、必ずしも外国人に日本語を上手に英語を教えられるわけではありませんよね。「英語が得意」「英語が母国語」という先生はよくいますが、実は英語の教え方について専門的に学んできた人は少ないのです。英語教室Andyの先生は、ネイティブに劣らぬ確かな英語力に加え、英語の効果的な教授法について大学院で専門的に学び、小中学校の現場で教諭として教えてきた「教えるプロ」です。」

という彼の自己紹介は、まったくその通りだと思います。

静岡県島田市のみなさん! 英語なら英語教室Andyだと思います。塾より、予備校より、会話学校より、本質的な、4技能バランスのとれた英語力プラス思考力を養成できる、骨太の英語学習スペースだと思います。

私自身は教室を覗いたわけではありませんが、私の知っている足立鋼治君なら、絶対に間違いありません。会話に偏らず、テスト対策に偏らず、英語指導の王道を謳ってくれているのが何より私は嬉しいです。

足立君、教室開設、おめでとう! 多くの生徒さんを幸せに導いてやってください。




10/11/2017

スピーチコンテストを審査して 2017

今年も中学生のスピーチコンテストの県大会の審査をさせていただいた。

会場の開場前に外で、それぞれの出場生徒を囲んで指導の先生とALTが最後のアドバイスをしながら最後の練習に余念がない様子を横目で見ながら、「しっかりとジャッジしなければ . . .」という責任を痛感しながら会場入り。

どの生徒も(指導の先生も)、構想からドラフト執筆、添削、改訂、練習、フィードバックという気の遠くなるような時間と努力を経て、この県大会に至っている。そういう努力の集大成を見せていただくというdutyを毎年頂いているのは本当にありがたく、しあわせなことである。

スピーチコンテストの審査で、最後は内容の(トピックの選択、その論理的な展開、論の深め方、聴衆に対するrelevanceなど)勝負になるのは当然である。その段階では英語的には甲乙つけがたいからそうならざるを得ない。しかしそこにいたるスクリーニングの段階では、「英語」スピーチコンテストである以上、英語の勝負になるのもまた当然といえる。

そして即興でないpreparedスピーチの宿命で、そのスクリプトには生徒本人の力を超えて、すでに指導者の力も200%加えられており、英文の誤りや不適切さは皆無と考えて良い。そこに残るのは音声の質のバラつきである。

スピーチコンテストの県大会のレベルであるので、/ r / や THができないケースは、私個人は pronunciation に関しては最低点をつける。つぎは / l / ができないケースである。真剣にスピーチを聞いているものにとって、flight が fright になったり、free が flea になったり English が Engrish になったりすると本当に「ズッコケル」のである。せっかくの内容に集中できなくなってしまうのだ。

L/Rの使い分けは、指導の先生にはなんとしても「命をかけて」指導していただきたい部分である。とくにそのスピーチのキーワードにL/Rが含まれていて、その誤りを連呼するようでは致命傷だ。

午後の決勝に進む生徒の中にはそのレベルの発音ミスはなくなる。しかし決勝レベルになってもまだまだあるのが、(語頭、語中、語末の)破擦音の問題だ。今回たまたま、かなりの人数の出場者が、 Imagine. という命令文をつかっていたが、gが破擦音として言えていた生徒はひとりもいない。Japanese の Jも、摩擦音で発音している場合がほとんどだ。large や huge や page などの語末環境でも放っておくと生徒は破擦音でなく摩擦音を使う。ネイティブであるALTは違和感を感じているはずなので、そこまでは無理だろうと最初からあきらめずに指導していただきたい。指導すれば必ずできるようになる。

音声面の評価は、まずまず一次元的にできるので比較的 straightforward だが、内容つまりcontent の比較は本当に難しい。グローバルイッシューが、ご近所イッシューよりも評価が高いとは限らないし、また低いとは限らない。emotionalにならざるをえないトピックの選択も、rational  にならざるを得ないトピックの選択も、どちらも by and of itself としては一概にはプラスであるともマイナスであるとも言えないだろう。

しかし、結果としての評価と連動したともしなかったとも言えないが、審査しながらもおもわず私個人が emotional にならざるを得なかったスピーチが確かに存在した。また審査を離れて、純粋に聞くのを楽しめた、これを聞く機会があってよかった、と思わせてくれるスピーチも確かに存在した。

いずれにせよ、今回は例年にも増して、聞いていて楽しくなるスピーチが多かった。一部の生徒の声色の使い分けや表情の豊かさに、純粋に魅了された。

入賞し、全国大会に進む皆さんには、ぜひ上にあげた破擦音までマスターし、母音弱化をマスターし、プロソディに磨きをかけ、さらに英語らしい英語で、聴衆を魅了されることを望みます。頑張ってください。