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8/24/2017

大阪場所2017   暑〜い!!

毎年恒例の大阪場所ナウ。

いつもながら、始まる前には会ったこともない学生たちと連日昼から夜まで濃密に時間を共有すると、二日間だけ終わった現在で、すでにかなりの emotional/personal attachment が感じられるのは集中講義ならでは。

あと2日も濃密に楽しもう。


8/23/2017

『英語は英語で、しかもリズミカルに教えたい!』について

みなさんこんにちは。靜哲人(大東文化大学)です。

「英語は英語で教える」ことが言われています。が、「英語で」行われている公開授業を見てみると、単なる指示(クラスルームイングリッシュ)が英語、オーラル・イントロダクションだけが英語、理解の確認のためのTFが英語、であることがほとんどのように見えます。

つまり単なる授業運営のための指示や、本文理解後の「ポスト・リーディング活動」だけは英語でなされていますが、本文自体を細かく読み解いてゆくという、本当は英語授業の核である部分は、たんにスラッシュをつけて音読して終わり、のように、ほぼ無視されているのが現状のように思えます。

また音読の大切さは言われていますが、その指導に関しては、立って音読させるとか、前、右、後ろ、左を向いて音読させる「4方読み」とか、ペア音読、とか、繰り返し音読させるための、いわば「小手先」のテクニックが多く、音読を繰り返した結果、生徒の口から出てくる音声の質が、より英語らしくなる、ためのノウハウはほとんど取り上げられていないと思います。

「アクティブ・ラーニング」の名のもとに、見せかけは「生徒の動きが派手な」、授業、たとえばゲームやらディベートやらをメインに据えた授業は多いですが、その「アクティブ」に活動している生徒の口から出ている英語は、音声的には泣きたくなるほどお粗末である場合がほとんではないですか?

そのような現状分析にもとづいて、この度、DVD2枚組『英語は英語で、しかもリズミカルに教えたい!』を制作いたしました。

検定教科書を使いながら、英語で授業をすすめ、そのなかで生徒の英語音声のプロソディを向上させるためのノウハウを提案する、のがコンセプトです。

中学編と高校編があり、どちらも中学ないし高校の検定教科書の本文(各1パラグラフ程度5レッスン)とオバマ大統領の広島スピーチから5箇所(各50語程度)をとりあげ、(1)「英語を英語で噛みくだく」「英語プロソディを意識させるリズミック音読」という2つを柱としています。

各レッスンの構成は:

(1)本文を私が音読
(2)本文を1文ごとに英語でかみくだき
(3)生徒役をたてて実際の授業風インタラクション
(4)本文のリズミック音読

です。
(2)「英語でかみくだき」では、

(a)難しい語を別の語で言い換える、
(b)長く複雑な文はそのもとになっている構成要素に分解する、
(c) 抽象的な内容は具体例を出す、
(d)行間にあるものを補う、
(e)身振り手振りを活用する、

などを行っています。たんなるClassroom Englishだけの「なんちゃってオールイングリッシュ授業」から一歩踏み出すヒントにしていただくことを意図しています。

私のかみ砕きを視聴してから、2度目は音声を消して画面にあわせて「かみ砕き」をご自分なりに再現してみる、などの使い方もできると思います。

また高校編では使用しているパワーポイント画面も工夫しました。高校では1文が長いため、修飾関係を立体的に表せば生徒にも理解しやすくなります。しかし凝った枝分かれ図を毎日の授業に準備していられないでしょう。

そこで、単に長い文をベタ打ちしたものチャンク毎に改行し、かつその行頭の位置を工夫することで、文の中の階層構造を表すシンプルな方法を考案しました。

作成も手軽で、かつ単にチャンクを縦に並べたものよりも格段にわかりやすくなっています。ぜひ実際に御覧ください。

(3)「授業風インタラクション」は、

「意味を重視したやりとりをしていると、発音指導までできない」と誤解している先生に是非見ていただきたいです。内容理解のやりとりや発表をしている最中でこそ音声的フィードバックをしないと、生徒の発音は永遠に変わりません。流れをこわさない、それぞれ1秒で終わるピンポイント発音指導を、インタラクション中に入れ込んでゆく実際を是非盗んでください。
(4)「リズミック音読」は

「教科書の本文でどうやってリズムの指導をしたらいいだろう」「高校は本文が長いから音読なんか暇がない」と思っている先生に見てほしいセクションです。本文中の重要文を抜き出して、徹底的にリズムを重視した音読練習を楽しく行います。リズムを体感するために、

  • l   バレエ風の踊り、
  • l   柔道のうちこみ、
  • l   空手の正拳突き、
  • l   剣道の素振り、
  • l   指揮棒を使った指揮、
  • l   楽器のボンゴ、
  • l   サッカーのリフティング、
  • l   縄跳び、
  • l   ペアでの花いちもんめ、


などさまざまな身体動作を取り入れています。ご自分のキャラにあったもの、ご自分の生徒にあいそうなものもきっと見つかるでしょう。
是非手にとって御覧ください。
また過去に作成した以下のDVDもきっとお役にたつことと信じています。あわせてご利用ください。

『英語発音の達人ワークアウト「Englishあいうえお」(全2枚セット)』
主要な母音、子音を楽しく身につけるための、他では決して見られないユニークなエクササイズの数々。「Englishあいうえお」「English五・七・五」「English三三七拍子」などなど。エクササイズの作り方を盗んでオリジナルのエクササイズを作ってみてください。

『リズムで体感!重要構文~ABCから仮定法まで~(全2枚セット)』
入門期から高校レベルまでの題材を使って、What、Howなどを使った疑問文、不定詞、比較級、現在完了、仮定法などの主要な重要表現を、すべて「リズムを体感」しながら身につけよう、というもの。投げ込み教材の宝庫といえます。

『英語授業の3形態:一斉、ペア、そしてグルグル(全3枚セット)』
研究社から出した『英語授業の心・技・体』の内容を著者として実演したものです。一斉授業、ペアワーク、グルグル活動でコツや注意すべき点を、実際に生徒役を立ててデモンストレーションしています。書籍だけではわからないテンポを理解していただき、ぜひ「グルグル」にチャレンジしてみてください。


(以上)

8/20/2017

明日は教員免許更新講習やってきます。

--> 英語で英語を教えるトレーニング 
--ただしクリアな発音にこだわって--


諏訪土産、いただきました。

8/18/2017

日本における「英語ディベート」という名の『化け物』

という、ちょっとやりすぎのタイトルをつけたくなるものを、期せずして見てしまった。

今日、某県で前のポストのような趣旨の講演をしたあとでの、「研究発表」のひとつ:

題して、「英語ディベートについて」。

つまりこの大きな教育大会の「英語部会」には講演と研究発表があり、講演を私が担当し、その後に現場の先生による研究発表が2件あった、という構図である。

この県の英語ディベートの最先端?のとりくみを発表する、というような趣旨のようだったが、内容は、教員が二人きて解説しつつ、なんと高校生が9人会場に来て、その場で昨年?どこかの大会で実践したディベートの様子をライブで再現する、というもの。

事前に配られたスクリプトによると、論題は、日本に basic income 制度を導入すべきである、という、かなり社会性が高く、経済についての知識も必要なもの。

実はディベートというと、良い思い出がない。30年前、大妻高校のESSの顧問として何度となく試合を引率・観察した。結論は、日本における英語ディベートというものは、ざっくりいってしまうと、

デタラメ発音を如何に早口でまくし立てるかを競う無意味な大会

だ、というものだった。

あれから30年。

状況は(きっと)変わったに違いない。。。と思いたかったのだが。

こんなふうに(個人的に嫌な予感とともに)始まった生徒によるライブ発表、。。。だったが、司会役の生徒が口を開いてものの数秒で、「これはヒドイ」。  zaの嵐。

つぎに、肯定側、否定側それぞれ3人の生徒による自己紹介が。。ヒドイ。sunk you の嵐。

あとは延々、手者とに用意したディベートのスクリプトを6名の生徒たちが入れ替わり立ち替わり、時にボソボソ、時に早口で、読み上げたのである。30分だったか、40分だったか、50分だったか、あまりのことにこちらは憤死寸前、朦朧としていたので、よくわからない。

曰く、「OEシーD」

曰く、「シックス パーセント」

曰く、「ポーバティ」(解説: poverty)

曰く、「コンシークエンス」(←シーにアクセント) (consequence)

曰く、「タックス late」 (rate)

曰く、「スカラースィップ」 (scholarship)

曰く、「プレビアス」 (previous)

曰く、「ライt?」  (right?)

普通の、「ザ日本人英語」高校生のなかでも、けっこうヒドイ部類なのである。しかも、6名の生徒中、2名を除いては、声も小さければ、覇気もない。

まあ、これを何十分も聞いているのはまさにこの世の地獄だった。こういう生徒の音読を小一時間にわたって、何十人もいる英語教員に聞かせ続けたことの意図はよくわからない。発表者としては、実際の論のやりとりを紹介して、ディベートでの主張や、論駁や、結論のもっていきかたなどを解説したかったように、推測はされる。

しかしそれならば、手元にすべてスクリプトがあるのであるから、それを発表者が解説すればこと足りたはず。あの音声で延々と聞かされるのは、ほとんどすべての単語がスペリングミスの結果、実際にはない単語になっている英文を延々と読まされるのと同じだ。

(あとで、会場にいた若い教員から、「靜先生が途中で、『やめろ、やめろ!』って怒鳴ったらどうしようかと思ってヒヤヒヤしていました。」と言われた。たぶん、あの場に、生徒がいなかったら、そしてあと20歳若かったら、それと同じような行動を取ったかもしれない。)

なぜ地獄だと思ったのか。それは生徒の発音が地獄のようにヒドイから(だけ)ではない。それは、その生徒たちがおそらく非常に熱心な生徒たちで、自分は英語に上達したいと思っていて、おそらく週に何時間もそのために放課後の時間を使って、努力した生徒たちだったからである。

あの一所懸命の生徒たちを、たった1日でもいいから、いや1時間でもいいから、きちんとした英語の教員が、きちんとした英語はこういう音声だから、zaでなくtheだよ、sunk youでなくthank you だよ。。といった指導をしてやっていたら、あの子たちはすぐに劇的に変わり、1年だか2年だかを、デタラメ英語を力いっぱい口から出すことに精力を使わなくても済んだはずである、と思ったからである。

生徒に罪はない。彼ら、彼女らは、人一倍時間とエネルギーをつかって、英語でのディベーをにチャレンジするすばらしい生徒たちである。地獄に落ちるべきは、そのすばらしい生徒たちに、「英語はこれでいいのだ」と思わせて、何年もデタラメ英語活動に時間を浪費させる担当教員である。

Go to h***!!!

と思っていたのだが、さらなる地獄が待ち受けていた。それは、本日の2件の研究発表に関して、「大学の先生」として「指導助言」をせねばならない、という役目があったのである。

言いたいことを言えばいいのなら簡単だ。が、日本的予定調和の中では、セッションの締めでである指導助言は、9割褒めて、1割今後の課題を言わねばならないことになっているのである。いつぞやの某県での全英連大会のまったくの再現ではないか。

あの時も構図とすると、大会全体のメインの講演者として呼ばれ、1日目に、「生徒の英語にきちんとフィードバックしてくださいね」というのを主たるメッセージとする講演をしたと思ったら、2日目の最後のプログラムとして、そのメッセージの真逆をいくような「公開授業ビデオ」を得意げにみせられ、その授業をあろうことか(これも発音がけっこうデタラメな英語で!)指導助言者が褒めちぎり、さあ最後に私の番で、指導助言をどうぞ、という、まるで構成作家が考え出したような喜劇のような悲劇的な状況だった。

どうする。困った。

せめて生徒たちは退出してくれたので、あとは教員同士、腹蔵なくものを申すしかあるまい。

コメント要旨:

「ディベートはきっと生徒たちの論理的思考力、批判的思考力を伸ばす。エビデンスを重視して実証的に話す手法の練習にもなる。それはプラスである。しかし、L2として英語ディベートをする時には細心の注意が必要である。今日のような状態では、生徒がかわいそうである。児童の世話放棄、ネグレクト、ではないか。ディベートの審査基準にも、スピーチの審査基準と同じような、英語自体の音声的適切さ、を入れなくてはならないのではないだろうか。率直に言って、きょうは、50分間、聞いているのが辛かった。あの生徒たちならもっとずっと伸びたはず(仮定法過去)。きょうの講演でも言ったとおり、ダメなパフォーマンスを褒めても、ダメであり、いいのか、わるいのか、をはっきり教えてやるのが、指導者たる教員の役目である。セッションの最後で、ポジティブなトーンで終えるのが役目なのですが、すべては目の前の生徒のため、ということで、お許しいだければ、と思います」

このコメントの最中でくだんの発表をした「教員」は退席していった。何を思ったのかはわからない。ふてくされての退席なら、すこし大人げないと思う。しかし、あとで知ったのだが、かれは教頭であって、教科は英語ではなかった。単に「特色ある教育」というやつで英語ディベートに目をつけて、(どういうわけか知らないが、英語教員ではなく、他教科教員であった現在教頭の)彼が、中心になって回している、ということらしいということであった。

この情報を得た時、安堵を感じた。もちろん生徒たちに犯している罪は変わらない。しかしその下手人が、すくなくとも英語教員ではなかった。英語のなんたるかを知らない、単なるドシロートが、単に学校の名前を上げたいがためにやっているPRプロジェクトなのであれば、嘆かわしいことではあるが、納得はできる。すくなくとも英語教員はそこまでヒドイのはいないのだ、と思いたい。

その後の懇親会。

「われわれが言いたいけれど言えないことを、あそこまでズバリいってくださって、有難かったです。」

「私は英語が専門ではないですが、それでも、『え~。。。あんなものなのかな』と思っていました。はっきり言ってくださって良かったです」

「眼の前の生徒を愛しているのか、もっとよくしてやるという気持ちがあるのか、ということだと思いました」

といった反応を、ベテラン、中堅、若手教員からも異口同音にいただけたので、よかった。いつぞやの全英連での、2000人から入る会場の全員を敵に回して「袈裟懸けに一刀両断する」ような物言いではなくなったからだろう、と解釈している。

良心のある英語教師なら、今の「日本の英語ディベート」カルチャーを抜本的に変えるべし!

あの「化け物」を退治してやらないと、きょうこの瞬間にも多くの若者たちが犠牲になっているのだ。

心が痛む。








汝の生徒を愛せ

今日、呼んでいただいた講演のレジュメです。

---

英語授業の心・技・愛 小・中・高・大で変わらないこと
           
靜 哲人(大東文化大学)

要旨:英語教師として教科指導にしっかりと軸足を置き、英語における音声の変わらぬ重要さを理解し、生徒をうならせる音声スキルを持ち、見せかけの「アクティブさ」を求めず、ICTに使われず、教科書本文を英語でも教えられる力を持ち、授業の本質は「訓練」であって指導者の最大の役目は「さらに向上するためのアドバイス=フィードバック」を与えることであると認識し、目の前の生徒たちが「授業前」よりも1レベル上がった「授業後」をむかえることを常に目指して授業をするそんな先生が増えるのが、生徒たちのためだと考えます。

ü  教師としての軸足の置き方を間違えないようにしたい
「部活命」でいいのですか?

ü  発音・音声を矮小化しないようにしたい
l r の区別を軽視していいのですか?
日本語リズムの英語で通じやすいのですか? 強勢拍リズムの指導ができるように

ü  英語でも教えられるようにしたい(が、しっかりと母語も活用したい)
単なる指示英語を超えて。本当に「文法」は英語で教えられないのですか?

ü  アクティブラーニングを誤解しないようにしたい
アクティビティをやればいいのでしょうか? 教えない方がいいのですか?

ü  ICTについて誤解しないようにしたい
poor teachingICTが救うことがあるのですか?

ü  歌える英語教師でありたい
単なるリスニングや雰囲気づくりだけですか?

ü  褒めて育てる、の意味を誤解しないようにしたい
徒に褒めるのは素人でもできるのでは?「指導」しない「指導者」とは何ですか?

靜哲人(2009)『英語授業の心技体』(研究社) 

靜哲人・正頭英和・小林翔 (2014)『英語授業の心・技・愛 小・中・高・大で変わらないこと』(研究社)

8/17/2017

April が読めない大学4年生

先日、ある4年生の面接練習をしたのだが、そのなかでちょっとショックなことがあった。それは、彼女が April を「まともに」読めなかったことである。

なんと読んだかというと、御多分に洩れず

/ ˈeipril /

と読んだのである。正解はもちろん


/ ˈeiprəl / あるいは / ˈeiprl /

だ。

彼女は少なくとも私の授業だけでも2年次に1年間学び、3年次も他の先生の英語教育系の授業を複数取っていた。まじめで熱心な学生だ。私の授業の中で April という語自体が出てきたかどうかはわからない(おそらく出ていないかもしれない)が、どういう場合に母音が reduced vowel になるのか、とか schwaとはどういう音なのか、などは何度となく口を酸っぱくして言った、と思う。

が、やはり April は/ ˈeipril /だという思いこみを崩すには至らなかった、ということである。自分の指導力のなさに慚愧に堪えない。頭から冷水を浴びせられた思いである。

もちろんこれが大問題なのは、こういう母音弱化vowel reductionは Aprilだけの問題ではなく、あらゆる単語で起こるからである。full vowelを期待していて reduced vowelが来たら聴解できない。 label が「ラベル」とか「レイベル」だと思っている学習者は、「レイボウ」と言われてlabelを想起するのは難しいし、modelが「モデル」だと思っていれば、「マドウ」がなんなのか理解はできない。fossil だって「フォスィル」だと思っていては「ファソウ」に対応できない。

だから、Aprilを導入する中学の先生、/ ˈeipril /なんてデタラメ発音を教えるのはやめてください。CDよく聞けばわかるはず。まさか、先生も / ˈeipril /だと思ってた、なんてこと、ないですよね?

8/16/2017

芦田愛菜さんの英語 「Rの発音」トラブルみたいですね?!

芦田愛菜さんがテレビのインタビュー番組に出ていた。Motherで大ブレイクしたころから我が家では大人気の子役turned女優であり、すこやかな中学生に成長した姿が見られて家族で喜んだ。

彼女の「歴史」を振り返る、というコーナーのなかで、ハリウッド進出してPacific Rimに出演した時、英語で苦労しましたか、という質問に対して芦田さんは

「R(アール)の発音とか。。」

と答えたのだが、それに対して司会者や他の出演者は、

「ア~r」「ア~r」「舌を巻くんだよね。。。」云々、とお決まりの馬鹿げた反応を見せた。

こういう場面で決まって感じるのは、これだけ英語教育がなされているにもかかわらず、ほとんどの一般日本人には、いまだに

(1)アルファベットの各文字の呼び名・名前



(2)アルファベットの各文字の読み方(単語の中でのその文字の発音のされ方)

がごちゃごちゃになっている、ということである。

当然、「日本人はRの発音が苦手だ、できない」と言ったときに指しているのは、(2)の意味での「Rの発音」であって、(1)ではない。Rの文字の名前を発音するような場面は、単語のスペリングを読み上げる時以外には、ほとんどないはずので、(1)が問題になるはずもないのである。

しかし「Rの発音」と言われて反射的に「Rア、Rイ、Rウ、Rエ、Rオ」という人はほとんおらず、例外なく、こんかいのように「ア~r」という間抜けな反応ばかりだ。

以前別の番組でも、「LとRの区別」と言って、「エ l」vs「ア~r」とやっていたから、文字の名前と文字の読み方が未分化だ、という観察は残念ながら確かだと思われる。

で、その後、司会者に、何かRの入った単語を発音してみるよう促された芦田さんは

/ trævl /

と立派に発音した。さすが愛菜さん、きちんとした発音であった。

これを聞いた小峠さんは、受けを狙ったのだろう、「なんかトラブルみたいですね?!」と発言した。

こういうくだらないツッコミ?が出たのは、芦田さんの発音が、小峠氏のような一般的日本人がなぜか思い込んでいるように  

/ trævel /

ではなく、英語らしい

/ trævl /

だったからに他ならない。

これをもってして「トラブルみたいですね」という間抜けなコメントが出るのは、ストレスのない音節は母音がシュワになったり、あるいは完全に脱落したりする、という英語音声の普遍的なパタンが、いかに一般日本人に浸透していないか、という証である。

(travel の発音は、実際にトラブルみたいなんだよ!)

以上、芦田愛菜さんのインタビューを見ながら思わず感じた日本の英語教育のいまだに残念な点、ふたつ、である。

これから教師になる君たちは、以上の基本的な2点、しっかりと自分の生徒たちだけには伝えて欲しい。