Total Pageviews

9/20/2017

平均年齢83歳に Let It Be を教えた!

といっても、教えたのは私ではなく、私の「教え子」です。教え子と言っても私などよりマチュアな方で、小学校教諭を定年退職された後、今は同年代以上で英語にあまり縁がなかった方々に地域の集会場のような所で英語の歌を教える「シニア歌会」を運営していらっしゃいます。

小学校の先生ですからもともとピアノ伴奏や歌はお手のものですし、児童に対する英語の指導もずっと以前から実践していて、大学院で私の授業をとったことによって、さらにブラッシュアップされたと思います。

その彼女が男性ボーカリストとユニットを組んで敬老の日に慰問としてホームに行き、一時間のパフォーマンスの一部として、なんと Let It Be を教えた、というのが、上のタイトル。以下、ご本人の了解を得て、メールの一部を紹介します:


Let It Be だけホームのみなさんに歌っていただくために、概ね80代の方達相手に L の指導。 
「今誤嚥性肺炎が問題になってますが、舌の体操や口の周りの筋肉を鍛えるのは大切、英語は普段使わない舌の動きをするのでいいですよ~」といって、前歯の裏に舌を押し付けて Lぅ~~ 
比較的元気な入居者が多かったのですが、30名近い方が一斉に、Let It Be . 
個人にマイク向けてもちゃんと応えてくれて感動しました。
おお、お年寄りたちが Let It Beを歌っている情景を想像するといいですね。確かに使わない口内筋肉を鍛えるのは誤嚥性肺炎の予防にいいかも。

少し話がはずれますが、10年ほど前、アイルランドでワーキングホリデー中の次女を訪ねて、コークからダブリン行きの列車の切符を買おうとしたら、駅員が、カードを持ってるならそこのコンピュータから予約すると安い、とすぐそばのコンピュータを指差しました。 
それが半端な割引じゃなくて、ほとんど窓口で買う料金の半額だったんです。英語ができて、コンピュータが使えて、カードが持てる人間は、そうじゃない人間の半額の値段で列車に乗れる。アイルランドは移民も多いし、全ての人がパソコンを扱えるわけでもないのに、こんなことはおかしい、間違ってると思いましたが現実でした。 
帰ってから教室でこの話を子どもたちにしました。自分は、里山にこもって、土地を耕して一生外国に行かないし英語を使わないというのは、それはそれで素晴らしいし立派な生き方だけど、自分でそれを選ぶ、というのとそれしかない、というのとは違う。なんになるかわからないから、可能性は広げおけ、と言いました。 

人生の選択肢を広げるために、英語はやる価値がある。説得力がありますね。

小学校で本格的に英語教育が始まるにあたって、いわゆるリベラルといわれる知識人のなかにも、英語は全ての人が身につける必要はない、というのを聞くことがあります。英語は楽器や絵画とは違うと思うし、少なくとも現職の英語教師がこれを口にするのは許せない思いです 
もちろん、すべての人が通訳者や、音声学者になる必要はないというならわかります。でも、小学校3年から始めて、5年から教科として、4年間、中学校で3年間、高校で3年間。まともな英語教育が、10年間行われて、全員2級レベルがそんなに難しいことでしょうか。目標がそこに置かれたなら、全員そのレベルに達するように奮闘するのが、英語教師の仕事でしょう。 
それがその子に大きな意味をもたらすか、誤嚥性肺炎の予防程度に役に立つかはその人の人生であって、英語教師の仕事ではないと思います。小学校英語教科化を機にまともな英語教育が進みますように。 

実際に小学校で音声面を中心にしたかなりの英語教育を長年実践してきた彼女の「目標がそこに置かれたなら、全員がそのレベルに達するよう奮闘するのが、英語教師の仕事でしょう」という言葉に、現場教員としての私は強く共感するものがありましたので、ここで紹介させていただきました。

「シニア歌会」ますますの発展を祈っています。


9/16/2017

「音声学者による発音矯正サイト」の稀有さ

いろいろ検索しているうちに、音声学者による発音矯正のサイトを見つけた。

http://www.hatsuon-kyosei.com/profile-st.html

http://hatsuon-kyosei.com/blog/

少し解説を読み、ご本人によるアップロード音声を聞いてみたが、いや恐れ入りました、と言いたくなるくらい、解説も音声も確かなものである。

ロンドン大学の修士があり、もともと大学の専任教員で、音声学会の会員であるということなのでクオリティが確かなのは当然といえば当然かもしれない。

しかし、音声学を専門としている研究者が「発音矯正」をメインにすえたサイトとブログを運営しているのがなぜか新鮮に感じられた。

なぜだろうか、と考えてみたのだが、それはたぶんこういうわけだ。私がいままで知っている音声学者のイメージは、「自分の発音はもちろん(そこそこ)うまいのだが、重箱のすみをつつくような問題に研究上の関心があって、お膝元にいる学生の発音を直そうという気はそもそも(あまり)ない」というものだからだ。

研究者レベルでの音声学の知識とスキルがあり、学習者の発音矯正に意欲があり、おまけに音楽をやっていて英語の歌もうまい、というのは大変稀有な存在であるように思われる。

上記のサイトとブログは私の学生にも読むことを勧めたい。

9/12/2017

高島5小で「英語で歌おう!ド・レ・ミ」を実施しました

「ヒゲ先生」(私)と「ボーズ先生」(淡路佳昌先生)で、高島平第5小学校の3年生、4年生、5年生、全106名を対象に、体育館で、ドレミの歌を練習し、グルグル的発音チェックを実施しました。

グルグル発音チェックの担当は、英語学科の教職履修中の学生8名です。

50分間の流れは、

  1. ドレミとDo Re Miの発音の異同を軽く意識させる
  2. Sound of Music 視聴
  3. イントロのバイリンガル練習 (ヒゲが日本語、ボーズが英語)
  4. 本編の全体練習 (ヒゲが日本語、ボーズが英語)
  5. Do, Re, Mi, Fa, So, La, Ti, Doのブース(学生担当)にわかれてのグルグル的発音チェック
  6. 仕上げとして Sound of Musicに合わせての全体で合唱

と言う感じです。


グルグルでマルをもらった児童は、中央にもうけたスタンプコーナーで、マルをもらった音の名前が始まる文字(Do なら D)のスタンプを該当箇所に押しました。15分くらいのチェックでしたが、多い子は6つもスタンプを集めていたようです。

まずまずスムーズに行うことができ、最後は多くの生徒がまずまず英語らしい発音でドレミの歌を口ずさむことができていたように思われます。

アシスタントの学生たちは、ふだんされることはあっても、自分のほうがするのは初体験であっただろうグルグル実習から、感じることが多かったに違いありません。

3年生、4年生、5年生と微妙に異なる発達段階の児童を一緒に見ることのできる貴重な機会でもありました。

欲を言えば、各ブースに並んでいる時の児童たちにモデルを示し続けるアシスタントがあと8名いれば理想的だったかと思います。

いずれにしても、有意義なイベントになったと思います。子どもたち、小学校の先生方、学生たち、みなさん、お疲れ様でした。




9/11/2017

VELCテストによるプレイスメントの適切さについて日本言語テスト学会で発表してきました

昨日会津大学で行われた日本言語テスト学会で、VELCテストが、いかにきちんと、受験してくれた大学さんごとに、その集団内を弁別してレベル分けしているか、という発表を行ってきました。

以下に、スライドをピックアップして貼っておきます。









質疑応答で、「プレイスメントには適しているのはわかりましたが、授業効果のプレとポストの測定などには使わないのでしょうか」という質問がありましたので、熟達度テストですから、プレイスメントだけでなく、授業効果の測定にももちろん使えますし、診断テストとして使える詳しいフィードバックがあります、というご説明をいたしました。

今後とも、VELC Test をよろしくお願いいたします。



9/06/2017

音声イメージの蓄積が足らないのでは?

個々の子音や母音に大きなもんだいはないのですが、英語としてのリズムがおかしかったり、文全体のアクセントの置き方が悪かったり、イントネーションがおかしかったりするために、せっかくの内容がわかりにくい、という印象を持ちます。

現時点で、「この学生は、英語はまあまあ聞ける、まあまあ聞くに耐える音声だ」と言える人は残念ながらいません。自分の指導力のなさ、も感じました。

ここから先は、私がひとつひとつ教えるのは限界があります。きみたちの頭のなかに、「英語の音声はこんなイメージだ、英語のリズムはこんな感じだ」というストックがどれだけあるか、というのが決め手なのです。

情報源が教師だけ、では限界があるのです。

毎日英語を、聞いているでしょうか? 英語音声というもののイメージを蓄積する努力をしているでしょうか。

その気になれば、ネットには適当な題材があふれています。ニュースもあるし、Podcastもあるし、いくらでも音声教材はあります。その方向の努力もしてみたらどうでしょう。

英語のリズムの力強さ、心地よさを、自分の手で感じて、それを頭にしみこませてください。それがいつか、自分のものになります。

英語は早口で話さねばならない、と誤解している学習者たちへ

とてもいいことが書いてあるのを見つけたので、シェアします:


<リンキングと早口は違う>


“Linking and speaking fast are _not_ the same thing! You don’t need to speak fast. When native speakers link words, they’re not necessarily speaking faster. The speech is just smoother and less choppy. It’s extremely important to stress the content words when you are linking words because this will force you to slow down at the right place and it’ll make your speech more easily understood.” p.102


Mojsin, L. (2009). Mastering the American accent. Los Angeles, CA: Barron’s.

9/01/2017

地下鉄で発音指導 じゃすなう

三田線で隣になった高校生(たぶん1年くらいか)の4人組。テスト前なのか単語集の学習に余念がない。二人が私の隣に、二人が向い側に座った。

隣の二人の会話が耳に入って来る。

「発音がわからないよね。」

「アプリで聴いたけどすぐ忘れちゃうよね。」

「これなんて発音するんだろう〜」

二人ともここで一瞬沈黙。

横目で見ると 問題の単語はoccupy である。

我慢できず

キュパーイ  

と口から。

ぎょっとして一瞬固まってこちらを見た二人は、その音声を発した主が危険人物ではないと判断したらしく、

「もう一回言って下さい」と言うので、つづりを指差しながら、もういちど

キュパーイ  あるいはアメリカ人なら、キュパーイ

だね、などと始めてしまった。

向こう側に座っている子は

(みんな教えてもらおうよ)

などと言っている。

それからこちらが下車するまでの数分間、

dominate (最後に e がくると、nateはネイt ね。)

pursue  (いやいや、パーシュー じゃないよ。プァス~だよ。)

urge  (いやいや、アージ じゃなくて、もっとウに近くね、ウァ~ヂ)

などの指導を行なったのだった。

ちょっと楽しい秋の昼下がりの出来事。

やっぱ俺はオカシイね。。(^^)