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10/20/2017

大分県教育庁チャンネル英語授業についての論評 その(1) 信じがたいほどに質の低い発音

大東文化大学 英語教員養成担当 靜 哲人

YouTubeに公開されている以下の授業の、担当者の英語発音について論評する。




はじめに

ことさらに、一高校の一英語教師を取り上げて、このように公開で批判するのはいかがなものか、大人げないのではないか、という気持ちはある。

しかし、これは授業をした側(大分県公立学校および教育庁)が自らYouTubeに公開した映像であり、かつ県立高校の授業であり、教師は公務員である。そしてこの授業の発信もとの官庁である大分教育庁が、キャプションで、

学力向上支援教員・指導教諭らによる優れた授業をノーカットでお届けする「シリーズ授業まるごと!」

として、この授業を endorse している、となると、日本の英語教育の質の向上という公益を願うものとして、看過できない。

このように、公開の場で、明示的に批判し、その問題点を指摘することは、公益にかなうものであり、価値があり、適切であると判断し、ここに意見を公開する。



意見(結論):

この授業担当者の発音は、あまりにも不適切であり、その1点だけで、「優れた授業」とはとても考えがたい。授業の内容や運びがどうであっても、それをすべて帳消しにするほどの、質の低い発音であり、英語教員であるとは信じたくないほどのレベルである。

英語教員を養成している立場として、この授業を見て「優れている」と感じるような学生を絶対に育ててはならないし、世の中の英語教師にも、この授業をみて「優れている」とおもって欲しくないと心から願う。

幸い、私の教えている学生、過去に教えた学生、私の知っている現職教師には、この授業を見て、発音の質の低さに唖然とし、憤りを感じる者はいても、「優れている」などと感じる者は皆無だろうと思われる。ただ残念ながら世の中には発音を軽視している英語教師は多いので、この公開授業がそれらの発音べたな教師たちに、「あれでもいいのだ」と、一種の免罪符というかお墨付きになってしまうことを危惧するものである。

また、この授業は2014年に公開されているが、もし現在も、同授業者がこのレベルの英語発音で授業を続けているとするならば、担当してる生徒たちに質の悪い英語発音を毎日のように浴びせているということであり、公教育の現場として極めて望ましくない状況である。その後、精進され、今はほとんどカタカナ発音での授業はしていないことを願うのみである。

また、大分県教育庁のご担当者においては、ここで指摘したこの授業の問題点を認識され、すくなくとも、これが「すぐれた授業である」という形での YouTubeでの公開は、日本の英語教育の質の向上という公益に鑑みて、一日も早く中止されることを強く望むものである。


エビデンス(各論):

以下、最初の4分間のなかで、特に不適切である箇所をリストにした。実際に確認していただきたい:

0:47 あたり(以下全て同様)
At first のつもりで、At farst と言っている。発音もカタカナだし、しかもここは「まず」という意味なので、At first は英語として不適切。正しくは、First と言うべきだった。

0:49
ask you to change your way of thinking sinking と言っている

from Japanese to English で、Japaneseは、ジャパnese と日本語。EnglishEngrish
というよりも、ほとんどが単にカタカナで発音している。

0:54
So, all stand up please.は、映像がなければなんと言っている聞き取れないほど不明瞭な英語。standaupuも同じ母音。pleaseは完全な日本語。ひとつひとつの音を音声学的に描写するのも面倒になるくらい、ようするに、すべて日本語の音素を使って英語を話している。


0:57
So pase take out ザ 音読 sheet . 

1:06
the first paragraph ザファースパラグラフ このあたりまったくカタカナ発音で、英語教師とは思えない。

2:10
OKサードパラグラフ

2:35
OK フォースパラグラフ まったくのカタカナ発音。

3:02
Sit down プリーズ

3:11
Let me exprain today’s project ,.. Lの音がまったくできない。おそらく発音しようという意識もない。

3:17
・テンプラチャー・アラウンざわーるd is..

ほんとうに、それこそ、これぞ「ザ・カタカナ英語」だ、というほどのカタカナ英語。

3:22
emission エミッション  schwaがない  典型的なカタカナ発音。

3:45あたり
question クエッション   ションション言ってはいけない。schwaを使うべき。

3:46
If there were only two countries  完全にカタカナで イフ ゼアわ~

3:51あたり
developed / developing countries 完全にカタカナ発音で、デベロップ デベロッピング

3:53
So in that case が、in ザット case…

3:55
CO2を、she oh tsoo と言った。


 これ以上は見ても、無駄に辛く・不快になるだけであるり、ここまでで充分な発音サンプルを検証したと判断されたので、ここで視聴終了。

以上


10/18/2017

ゴジラ と Godzilla

ゴジラはアメリカに輸出され、Godzilla になった。

















dzだから破擦音である。 ガッヅィラ だ。

日本の「ゴジラ」に最も近い発音を英語つづりで表すなら、

Gojilla

だろうか。L/R は無視。 しかし、jだからやはり破擦音なので、正しくは、ゴジラではなく、ゴヂラだろう。破擦音の強調で、

Godgilla としてもいいか。

もしつづりが

Gozilla

なら ガズィLa だ。zだから摩擦音である。

この3(4)種類の「ゴジラ」のつづり:

Godzilla
Gojilla / Gidgilla
Gozilla

を、スペリングは音を表す、という話のときに例に出している。






10/13/2017

千葉県、さらにもう一人合格報告来ました〜!

彼女はまず間違いないとは思ってましたが、良かったです。
嬉しいなぁ!

倒錯的発想としての名誉毀損認識

自分の授業をYouTubeで公開する。それは不特定多数の閲覧者に自分をさらすということである。

閲覧者のみかたは必ず、様々だ。ポジティブなものもあればネガティブなものもある。

しかるに、ネガティブなコメントをネットにアップされると、「名誉毀損」だというのは、いかがなものか。

さまざまな見方やコメントの対象になるのが嫌ならば、そもそもネットに授業公開などすべきではないのではないか。

「いいね!」だけしかつけてはならない、とでも言うのだろうか。発想が幼くないか。

質が低いものは質が低いのである。

デンタルのTH音であるべきところで舌先が前歯についていないことが客観的な事実・真実であることの証明は容易い。接近音であるRであるべきところ、舌先が歯茎に接触してたたき音になっていることは、客観的な事実・真実であり、音響音声学的な手法を用いて証明される。

そして、そういう音をだす英語教員は、質が低い。私の考えでは、給与をもらって教壇にたち、生徒の前で英語を口から出すための、必要条件を満たしていない。

法律論はともかく、そもそも質の低いものに「名誉」があってはいけない。評判は悪くなければいけない。その評判が悪くないならば、消費者が騙されている。

そんな生産者・製造者の「名誉」云々よりも、現実に、質の低い商品を毎日それと知らずに消費させられている生徒たちの、まともな商品を享受する権利を回復することこそが、喫緊の課題であり、「公共の利害に関する」事柄である。

なんといっても税金を用いた公教育の現場なのである。

その商品の質の低さを公に指摘することは、かつて『暮しの手帖』がおこなっていた、有害な、危険な、欠陥のある商品の公表と、本質的に同じことであり、「もっぱら公益を図る目的」のためになされていることである。

ネットに公開された公立学校の授業は公務員の公務執行の様子である。公務員であるならば、その公務執行の様子について国民から質の低さを指摘されたならば、謙虚に受け止め、改善することを考えよ。

質の低さをありがたくも指摘していただいた商品の質はその後、改善されたのだろうか?

向いている方向が違う。自分の生徒のほうを向け。生徒のためのベター、ベストを考え るべきだ。

自分のメンツや保身しか考えられないなら、もうそれは「教師」ではない。

10/12/2017

千葉県もふたり受かりました!

やりましたね〜!! おめでとう!!

今秋は誠に豊作である。


こんなところに! 英語教室Andy

おお! 足立君! 

これは私には初めてのパタンです。かつての教え子が、英語教室を始めているのを、ネットで発見しました。

英語教室Andy

https://englishschool-andy.jimdo.com/

代表・講師の 足立 鋼治 君は、関西大学大学院での私の教え子です。という言い方はおこがましいかもしれませんね。私の外国語教授方法論を履修してくれていた中で、ピカイチの実力の持ち主でした。英語自体も、英語の教え方も。Andyは彼の愛称です。

その彼が中学校の教諭を経て、今年の5月に自分の城をオープンしたということですね。教室の説明にはこうあります。

身につく3つの力
  • 正しい発音に矯正して、正しく話せる&聞ける力をつける!
  • 「話す」「読む」「書く」「聞く」「考える」の5技能が身につく!
  • 一人ひとりにあった効果的な学習法を伝授!
いいですねぇ。

Andy足立君は、ネイティブと変わらない発音と、抜群の英語運用技能を持ち、かつ大学院レベルの言語教授理論にも精通した、英語を教えるプロです。

「英語教室Andyの先生は、「英語ができる先生」ではなく「英語を教えるプロ」です。私たちはみんな日本語を話せますが、必ずしも外国人に日本語を上手に英語を教えられるわけではありませんよね。「英語が得意」「英語が母国語」という先生はよくいますが、実は英語の教え方について専門的に学んできた人は少ないのです。英語教室Andyの先生は、ネイティブに劣らぬ確かな英語力に加え、英語の効果的な教授法について大学院で専門的に学び、小中学校の現場で教諭として教えてきた「教えるプロ」です。」

という彼の自己紹介は、まったくその通りだと思います。

静岡県島田市のみなさん! 英語なら英語教室Andyだと思います。塾より、予備校より、会話学校より、本質的な、4技能バランスのとれた英語力プラス思考力を養成できる、骨太の英語学習スペースだと思います。

私自身は教室を覗いたわけではありませんが、私の知っている足立鋼治君なら、絶対に間違いありません。会話に偏らず、テスト対策に偏らず、英語指導の王道を謳ってくれているのが何より私は嬉しいです。

足立君、教室開設、おめでとう! 多くの生徒さんを幸せに導いてやってください。




10/11/2017

スピーチコンテストを審査して 2017

今年も中学生のスピーチコンテストの県大会の審査をさせていただいた。

会場の開場前に外で、それぞれの出場生徒を囲んで指導の先生とALTが最後のアドバイスをしながら最後の練習に余念がない様子を横目で見ながら、「しっかりとジャッジしなければ . . .」という責任を痛感しながら会場入り。

どの生徒も(指導の先生も)、構想からドラフト執筆、添削、改訂、練習、フィードバックという気の遠くなるような時間と努力を経て、この県大会に至っている。そういう努力の集大成を見せていただくというdutyを毎年頂いているのは本当にありがたく、しあわせなことである。

スピーチコンテストの審査で、最後は内容の(トピックの選択、その論理的な展開、論の深め方、聴衆に対するrelevanceなど)勝負になるのは当然である。その段階では英語的には甲乙つけがたいからそうならざるを得ない。しかしそこにいたるスクリーニングの段階では、「英語」スピーチコンテストである以上、英語の勝負になるのもまた当然といえる。

そして即興でないpreparedスピーチの宿命で、そのスクリプトには生徒本人の力を超えて、すでに指導者の力も200%加えられており、英文の誤りや不適切さは皆無と考えて良い。そこに残るのは音声の質のバラつきである。

スピーチコンテストの県大会のレベルであるので、/ r / や THができないケースは、私個人は pronunciation に関しては最低点をつける。つぎは / l / ができないケースである。真剣にスピーチを聞いているものにとって、flight が fright になったり、free が flea になったり English が Engrish になったりすると本当に「ズッコケル」のである。せっかくの内容に集中できなくなってしまうのだ。

L/Rの使い分けは、指導の先生にはなんとしても「命をかけて」指導していただきたい部分である。とくにそのスピーチのキーワードにL/Rが含まれていて、その誤りを連呼するようでは致命傷だ。

午後の決勝に進む生徒の中にはそのレベルの発音ミスはなくなる。しかし決勝レベルになってもまだまだあるのが、(語頭、語中、語末の)破擦音の問題だ。今回たまたま、かなりの人数の出場者が、 Imagine. という命令文をつかっていたが、gが破擦音として言えていた生徒はひとりもいない。Japanese の Jも、摩擦音で発音している場合がほとんどだ。large や huge や page などの語末環境でも放っておくと生徒は破擦音でなく摩擦音を使う。ネイティブであるALTは違和感を感じているはずなので、そこまでは無理だろうと最初からあきらめずに指導していただきたい。指導すれば必ずできるようになる。

音声面の評価は、まずまず一次元的にできるので比較的 straightforward だが、内容つまりcontent の比較は本当に難しい。グローバルイッシューが、ご近所イッシューよりも評価が高いとは限らないし、また低いとは限らない。emotionalにならざるをえないトピックの選択も、rational  にならざるを得ないトピックの選択も、どちらも by and of itself としては一概にはプラスであるともマイナスであるとも言えないだろう。

しかし、結果としての評価と連動したともしなかったとも言えないが、審査しながらもおもわず私個人が emotional にならざるを得なかったスピーチが確かに存在した。また審査を離れて、純粋に聞くのを楽しめた、これを聞く機会があってよかった、と思わせてくれるスピーチも確かに存在した。

いずれにせよ、今回は例年にも増して、聞いていて楽しくなるスピーチが多かった。一部の生徒の声色の使い分けや表情の豊かさに、純粋に魅了された。

入賞し、全国大会に進む皆さんには、ぜひ上にあげた破擦音までマスターし、母音弱化をマスターし、プロソディに磨きをかけ、さらに英語らしい英語で、聴衆を魅了されることを望みます。頑張ってください。

10/10/2017

スピーチコンテストまで

11月3日までは、またしばらく、毎年恒例の、スピーチコンテスト出場者の特訓に心血を注ぐ日々が続きます。

再開したウェイト、始めた岩登り

最近再開したこと: マシンおよびフリーウェイトによるウェイトトレーニング

最近はじめたこと: ボルダリング


埼玉県の小学校、中学校、高等学校にも合格しました!

昨年以上の豊作だ。

10/04/2017

群馬の星、合格しました!

あれだけやったんだから、合格しかないとは思ったけれど、良かったです。

9/29/2017

さいたま市 受かりました!

あれから3ヶ月 . . . いやぁ良かった。

9/20/2017

平均年齢83歳に Let It Be を教えた!

といっても、教えたのは私ではなく、私の「教え子」です。教え子と言っても私などよりマチュアな方で、小学校教諭を定年退職された後、今は同年代以上で英語にあまり縁がなかった方々に地域の集会場のような所で英語の歌を教える「シニア歌会」を運営していらっしゃいます。

小学校の先生ですからもともとピアノ伴奏や歌はお手のものですし、児童に対する英語の指導もずっと以前から実践していて、大学院で私の授業をとったことによって、さらにブラッシュアップされたと思います。

その彼女が男性ボーカリストとユニットを組んで敬老の日に慰問としてホームに行き、一時間のパフォーマンスの一部として、なんと Let It Be を教えた、というのが、上のタイトル。以下、ご本人の了解を得て、メールの一部を紹介します:


Let It Be だけホームのみなさんに歌っていただくために、概ね80代の方達相手に L の指導。 
「今誤嚥性肺炎が問題になってますが、舌の体操や口の周りの筋肉を鍛えるのは大切、英語は普段使わない舌の動きをするのでいいですよ~」といって、前歯の裏に舌を押し付けて Lぅ~~ 
比較的元気な入居者が多かったのですが、30名近い方が一斉に、Let It Be . 
個人にマイク向けてもちゃんと応えてくれて感動しました。
おお、お年寄りたちが Let It Beを歌っている情景を想像するといいですね。確かに使わない口内筋肉を鍛えるのは誤嚥性肺炎の予防にいいかも。

少し話がはずれますが、10年ほど前、アイルランドでワーキングホリデー中の次女を訪ねて、コークからダブリン行きの列車の切符を買おうとしたら、駅員が、カードを持ってるならそこのコンピュータから予約すると安い、とすぐそばのコンピュータを指差しました。 
それが半端な割引じゃなくて、ほとんど窓口で買う料金の半額だったんです。英語ができて、コンピュータが使えて、カードが持てる人間は、そうじゃない人間の半額の値段で列車に乗れる。アイルランドは移民も多いし、全ての人がパソコンを扱えるわけでもないのに、こんなことはおかしい、間違ってると思いましたが現実でした。 
帰ってから教室でこの話を子どもたちにしました。自分は、里山にこもって、土地を耕して一生外国に行かないし英語を使わないというのは、それはそれで素晴らしいし立派な生き方だけど、自分でそれを選ぶ、というのとそれしかない、というのとは違う。なんになるかわからないから、可能性は広げおけ、と言いました。 

人生の選択肢を広げるために、英語はやる価値がある。説得力がありますね。

小学校で本格的に英語教育が始まるにあたって、いわゆるリベラルといわれる知識人のなかにも、英語は全ての人が身につける必要はない、というのを聞くことがあります。英語は楽器や絵画とは違うと思うし、少なくとも現職の英語教師がこれを口にするのは許せない思いです 
もちろん、すべての人が通訳者や、音声学者になる必要はないというならわかります。でも、小学校3年から始めて、5年から教科として、4年間、中学校で3年間、高校で3年間。まともな英語教育が、10年間行われて、全員2級レベルがそんなに難しいことでしょうか。目標がそこに置かれたなら、全員そのレベルに達するように奮闘するのが、英語教師の仕事でしょう。 
それがその子に大きな意味をもたらすか、誤嚥性肺炎の予防程度に役に立つかはその人の人生であって、英語教師の仕事ではないと思います。小学校英語教科化を機にまともな英語教育が進みますように。 

実際に小学校で音声面を中心にしたかなりの英語教育を長年実践してきた彼女の「目標がそこに置かれたなら、全員がそのレベルに達するよう奮闘するのが、英語教師の仕事でしょう」という言葉に、現場教員としての私は強く共感するものがありましたので、ここで紹介させていただきました。

「シニア歌会」ますますの発展を祈っています。


9/16/2017

「音声学者による発音矯正サイト」の稀有さ

いろいろ検索しているうちに、音声学者による発音矯正のサイトを見つけた。

http://www.hatsuon-kyosei.com/profile-st.html

http://hatsuon-kyosei.com/blog/

少し解説を読み、ご本人によるアップロード音声を聞いてみたが、いや恐れ入りました、と言いたくなるくらい、解説も音声も確かなものである。

ロンドン大学の修士があり、もともと大学の専任教員で、音声学会の会員であるということなのでクオリティが確かなのは当然といえば当然かもしれない。

しかし、音声学を専門としている研究者が「発音矯正」をメインにすえたサイトとブログを運営しているのがなぜか新鮮に感じられた。

なぜだろうか、と考えてみたのだが、それはたぶんこういうわけだ。私がいままで知っている音声学者のイメージは、「自分の発音はもちろん(そこそこ)うまいのだが、重箱のすみをつつくような問題に研究上の関心があって、お膝元にいる学生の発音を直そうという気はそもそも(あまり)ない」というものだからだ。

研究者レベルでの音声学の知識とスキルがあり、学習者の発音矯正に意欲があり、おまけに音楽をやっていて英語の歌もうまい、というのは大変稀有な存在であるように思われる。

上記のサイトとブログは私の学生にも読むことを勧めたい。

9/12/2017

高島5小で「英語で歌おう!ド・レ・ミ」を実施しました

「ヒゲ先生」(私)と「ボーズ先生」(淡路佳昌先生)で、高島平第5小学校の3年生、4年生、5年生、全106名を対象に、体育館で、ドレミの歌を練習し、グルグル的発音チェックを実施しました。

グルグル発音チェックの担当は、英語学科の教職履修中の学生8名です。

50分間の流れは、

  1. ドレミとDo Re Miの発音の異同を軽く意識させる
  2. Sound of Music 視聴
  3. イントロのバイリンガル練習 (ヒゲが日本語、ボーズが英語)
  4. 本編の全体練習 (ヒゲが日本語、ボーズが英語)
  5. Do, Re, Mi, Fa, So, La, Ti, Doのブース(学生担当)にわかれてのグルグル的発音チェック
  6. 仕上げとして Sound of Musicに合わせての全体で合唱

と言う感じです。


グルグルでマルをもらった児童は、中央にもうけたスタンプコーナーで、マルをもらった音の名前が始まる文字(Do なら D)のスタンプを該当箇所に押しました。15分くらいのチェックでしたが、多い子は6つもスタンプを集めていたようです。

まずまずスムーズに行うことができ、最後は多くの生徒がまずまず英語らしい発音でドレミの歌を口ずさむことができていたように思われます。

アシスタントの学生たちは、ふだんされることはあっても、自分のほうがするのは初体験であっただろうグルグル実習から、感じることが多かったに違いありません。

3年生、4年生、5年生と微妙に異なる発達段階の児童を一緒に見ることのできる貴重な機会でもありました。

欲を言えば、各ブースに並んでいる時の児童たちにモデルを示し続けるアシスタントがあと8名いれば理想的だったかと思います。

いずれにしても、有意義なイベントになったと思います。子どもたち、小学校の先生方、学生たち、みなさん、お疲れ様でした。




9/11/2017

VELCテストによるプレイスメントの適切さについて日本言語テスト学会で発表してきました

昨日会津大学で行われた日本言語テスト学会で、VELCテストが、いかにきちんと、受験してくれた大学さんごとに、その集団内を弁別してレベル分けしているか、という発表を行ってきました。

以下に、スライドをピックアップして貼っておきます。









質疑応答で、「プレイスメントには適しているのはわかりましたが、授業効果のプレとポストの測定などには使わないのでしょうか」という質問がありましたので、熟達度テストですから、プレイスメントだけでなく、授業効果の測定にももちろん使えますし、診断テストとして使える詳しいフィードバックがあります、というご説明をいたしました。

今後とも、VELC Test をよろしくお願いいたします。



9/06/2017

音声イメージの蓄積が足らないのでは?

個々の子音や母音に大きなもんだいはないのですが、英語としてのリズムがおかしかったり、文全体のアクセントの置き方が悪かったり、イントネーションがおかしかったりするために、せっかくの内容がわかりにくい、という印象を持ちます。

現時点で、「この学生は、英語はまあまあ聞ける、まあまあ聞くに耐える音声だ」と言える人は残念ながらいません。自分の指導力のなさ、も感じました。

ここから先は、私がひとつひとつ教えるのは限界があります。きみたちの頭のなかに、「英語の音声はこんなイメージだ、英語のリズムはこんな感じだ」というストックがどれだけあるか、というのが決め手なのです。

情報源が教師だけ、では限界があるのです。

毎日英語を、聞いているでしょうか? 英語音声というもののイメージを蓄積する努力をしているでしょうか。

その気になれば、ネットには適当な題材があふれています。ニュースもあるし、Podcastもあるし、いくらでも音声教材はあります。その方向の努力もしてみたらどうでしょう。

英語のリズムの力強さ、心地よさを、自分の手で感じて、それを頭にしみこませてください。それがいつか、自分のものになります。

英語は早口で話さねばならない、と誤解している学習者たちへ

とてもいいことが書いてあるのを見つけたので、シェアします:


<リンキングと早口は違う>


“Linking and speaking fast are _not_ the same thing! You don’t need to speak fast. When native speakers link words, they’re not necessarily speaking faster. The speech is just smoother and less choppy. It’s extremely important to stress the content words when you are linking words because this will force you to slow down at the right place and it’ll make your speech more easily understood.” p.102


Mojsin, L. (2009). Mastering the American accent. Los Angeles, CA: Barron’s.

9/01/2017

地下鉄で発音指導 じゃすなう

三田線で隣になった高校生(たぶん1年くらいか)の4人組。テスト前なのか単語集の学習に余念がない。二人が私の隣に、二人が向い側に座った。

隣の二人の会話が耳に入って来る。

「発音がわからないよね。」

「アプリで聴いたけどすぐ忘れちゃうよね。」

「これなんて発音するんだろう〜」

二人ともここで一瞬沈黙。

横目で見ると 問題の単語はoccupy である。

我慢できず

キュパーイ  

と口から。

ぎょっとして一瞬固まってこちらを見た二人は、その音声を発した主が危険人物ではないと判断したらしく、

「もう一回言って下さい」と言うので、つづりを指差しながら、もういちど

キュパーイ  あるいはアメリカ人なら、キュパーイ

だね、などと始めてしまった。

向こう側に座っている子は

(みんな教えてもらおうよ)

などと言っている。

それからこちらが下車するまでの数分間、

dominate (最後に e がくると、nateはネイt ね。)

pursue  (いやいや、パーシュー じゃないよ。プァス~だよ。)

urge  (いやいや、アージ じゃなくて、もっとウに近くね、ウァ~ヂ)

などの指導を行なったのだった。

ちょっと楽しい秋の昼下がりの出来事。

やっぱ俺はオカシイね。。(^^)



8/30/2017

靜病 Part 3 : BiVi とは何事だ!

もうしばらく前だが、夜中にゼミ生からのメールで、何かと思えば、面白いものを見つけて腹が立った、という。

添付されていたのがこの写真。


なにが腹が立ったか、というと、



個人的に、気にくわない点として、
BiViのカタカナ表記が

ビビ

となっていることです。
日本語ゆえ、ヴィ、というのはあまり馴染みのないものなので、不自然かと思うのですが、
ビビとあたかも同じ音のように表記しているのが、腹が立ちました。


とのこと。

こういうことに「腹が立つ」ようになるとは、かなり「病気」が進んでるね(苦笑)。。

4技能統合型グレード別教科書 Ambitions シリーズ完成しました!



このたび、VELC研究会教材開発グループ(望月正道先生、熊澤孝昭先生、と靜)として、上記の3冊を完成することができ、数日前にようやく現物を手にしました。

ひとりの著作ではとても無理なくらいの手間暇をかけて作成したものなので、達成感もひとしおです。

題材はテーマを指定してネイティブチームに書き下ろしを発注しましたが、上がってきた英文をそのまま使ったものはむしろ少なく、表現だけでなく、パラグラフの構成から論理の展開まで、我々が納得のゆくまで何度もかなりしつこい(^^)やりとりを経て最終的に完成したものです。語彙面での統制はその分野の第一人者である望月先生が目を光らせました。

扱う題材の広さといいバランスといい、3レベルのグレーディング(英文素材の語彙レベル・コントロールはもちろんのこと、タスクの難易度のグレーディングも)といい、タスクの「地に足のついた多彩さ」(日本人大学生の実情を踏まえた上での多様なタスク設定)といい、かなり高いレベルでバランスがとれたもの仕上がったと思います。

リーディング・リスニング中心にも使えるし、本格的にスピーキングやライティングにも使えますよ。内容ももちろんですが、表紙の装丁もカッコイイでしょ? 

是非、ご利用ください。私が中心となった真ん中のレベル(Pre-intermediate)のはしがきを以下に貼り付けておきます。

******

はしがき


ベルクテストから見えてきたこと

私たちベルク研究会は、The VELC Test®という日本人大学生の総合的英語熟達度をリスニング面とリーディング面から推定する標準テストを開発し、実施・運営をしているグループです。The VELC Test®は2013年度より全国各地の多くの大学生のみなさんに受験していただいています。

私たちは毎年、大学名や個人名が削除された解答データを分析し、テストの信頼性・妥当性をチェックしつつ、多くの受験者に共通して見られる学力プロファイル(リスニング、リーディングのスキル別の熟達度パターン)を調べています。その中から、日本人大学生にはどのような点で「伸びしろ」があるのか、どのような点を補強すればさらに英語力が伸びるのかについて、次のようなヒントを得ました。

<リスニング>

まず単語レベルですが、自己流の発音ではなく英語母語話者の発音イメージで単語を記憶しておくことの大切さです。そうでない人は、目で見た場合の語彙力と耳で聞いた場合の語彙力がアンバランスなものになります。
つぎに目で見た場合の英文と耳で聞いた場合の英文のイメージのギャップを埋めることです。書いてある英文では、単語の切れ目はスペースによってわかり、すべての単語がはっきりとした黒い文字で印刷してあります。しかしリスニングでは機能語が弱く発音されたり、語と語がつながって発音されたりと、書いてある英文とはかなり異なったイメージになります。そのような現実の音声に慣れておくことが必要なのです。

<リーディング>

 単語レベルでは何といっても語彙のサイズを増やすことが大切です。一瞬見ただけで意味が想起できるようになっている単語を増やしておくことがリーディング力の地力となります。
 つぎに文構造を見抜く力です。リスニングに比べて一つの文が長くなる傾向にあるリーディングにおいては文法力が重要になります。なんとなく単語の意味をつなげて文の意味をとろうとせず、主語と述語の対応や、修飾語句の範囲などを常にきちんと押さえながら、厳密に意味をとろうとする姿勢が大切です。
 また、文レベルの明示的な意味を理解することに加えて、その理解をもとに文と文のつながりをつかみ、テキスト全体の大意を読み取り、さらに暗示的なニュアンスまでも読み取ることが重要です。

<リスニング&リーディング>

 最後にどちらにも共通するのは、その時点までに理解した内容から、次の部分を予測しながら進んでゆくという姿勢です。これまでの内容をさらに詳しく説明する内容が来そうか、対立する論点が出されそうか、あるいは話題が転換しそうなのか、などをつねに考えながら聞く、また読む習慣が必要なのです。

このような現状分析を踏まえ、日本人大学生のみなさんが、自分たちの弱点を克服し、総合的な英語力をさらに伸ばしてもらえるレベル別のコースブックを作りたい、という私たちの思いを形にしたのが、このAmbitionsシリーズです。

レベルの設定 

 このpre-intermediate(準中級) レベルでは、一定レベルの基礎力のある人が、その力をさらに強固なものにすることを目標としています。使用している語彙は、日本人大学生のための標準的な単語リスト『新JACET8000』の1000~4000語レベルで90%以上をカバーしています。

テーマと英文素材

題材のテーマは「異文化理解」「食」「外国語学習」「スポーツ」「ファッション」「生物」「芸術」「グローバル・イッシュー」「日本文化」「人権」「健康・医療」「環境問題」「経済・産業」「法律」「サイエンス・テクノロジー」と多岐にわたっています。現代に生きるみなさんにぜひ知っておいてほしい事実、問題意識を深めてもらいたい事柄を厳選しました。文系のみなさんにも理系のみなさんにも興味をもって取り組んでもらえると思います。
  素材はすべてネイティブスピーカーが、みなさんに適したレベルの語彙と表現を用いてあらたに書き下ろしました。対話文,エッセイ,ブログ,新聞記事,インタビュー,スピーチと英文ジャンルも多彩であり、オーセンティックな(世の中にある本物の英文の)香りを楽しみながら、さまざまなタイプのリスニング、リーディングが体験できます。

ユニットの構成

ひとつのUnitはListening PartとReading Partからなっています。さらに詳しくどのような構成になっているかは「使い方のヒント」に述べますが、リスニングに関してもリーディングに関しても単に内容の理解にとどまらず、使われている表現を自分で言ってみる/書いてみる、題材に対する自分の意見を言ってみる/書いてみるという活動ができる構成となっているのが本書の特長です。積極的にスピーキングとライティングにも取り組むことで、4技能を統合的に伸ばすことができるでしょう。
本書を使うことでみなさんが英語運用能力のみならず、情報を収集し、批判的に考え、自分の考えをまとめて発表する力を伸ばしてくださることが私たちの望みです。

著者一同

8/27/2017

ブートキャンプで学んだこと:本当の意味での教師の愛情


4日間の大阪ブートキャンプに参加したなかに、勤続8年目の小学校の先生がいた。終了後の感想を書いてくれるよう頼んだところ、長文の、内容の非常に濃いコメントを寄せてくれた。

小学校の先生がこれだけ多く学んでくれて、これだけ大きく成長してくれるなら、このキャンプはやる側としても大いにやり甲斐があるな、と感じさせられる。

以下、ご本人の了解を得て、一部紹介する:

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先生の授業で心に残ったことと共に私の感想を追記し、感謝の言葉に代えたいと思います。

 授業は稽古である。子どもを高めるために教師がいる。ためらわずに指導し、高まったら褒め、できてなかったらできるようになるまで手を変えてできるようにさせよ。それが教師の仕事だ。

この言葉は、大変重い言葉でした。子供たちの伸びは、教師の[力量に]規定されるということだからです。同じ子供でも受けている授業や指導者がちがうと同じ時間授業を受けても伸びがちがってきます。教師には、何よりも「モデル」を堂々と示せる力、子供のパフォーマンスを即時に「白黒」「○×」と判断する力、子供のパフォーマンスが×→○になるように複数の指導オプションを即興的に魅力的に示せる力が問われているのだと感じました。今後、このことを頭に入れて、大学で学んでいきたいです。

 いかに使えるようにするか、何を使えるようにするか

靜先生の授業は、体育のようでした。小学校で体育を教えるときも、私がいつも考えることは、「いかに運動量を確保するか、汗をかかせるか、動きのポイントを意識して練習するか、友達とのやり取りを入れるか」です。靜先生の英語授業もいかに「英語を使わせるか」「英語を聞かせるか」「英語の音素、リズムやイントネーションを意識させるか」「何をパフォーマンスさせるか」ということを重視しておられるように感じました。

しかも、ただ言えるようになればよいのではなく、その英語の表現や内容が「使うに値するか」を教師が事前に判断し、教材にしていることも大事にされているのだと思いました。小学校で指導するときも、ただ言えるようにするだけでなく、子どもたちの生活で、また興味に合わせて実用的であるか、また覚えるに値するかを考えながら、子供に示す英語も精選していきたいと思いました。

 好きなことを好きなように楽しむ

先生は、本当に授業が好きなのだと感じました。私も授業が好きですが、先生は、CMを見て指導法を思いつくだけでなく、実際に形に落とし込み、実際にやってみて、指導法を振り返るところまで「やり切」られます。この点が私が足りないところだと感じました。「~ができるかもしれない」と思ったら、形にして授業をやってみること、ここから何かが生まれるのであり、「~ができるかもしれないな」というレベルでは何も生まれないのだと思いました。

We are the World の先生のラップビデオや 一本満足バーのビデオを見て、本当に先生は授業が好きなのだと、また英語が好きで、楽しそうで、いいなぁと思いました。この視点を私も忘れずに授業をやっていきたいです。この1年は大学ですが、私もこの集中講義を終えて、早く授業がしたくなってきました。

 愛情を与える

先生の著作に『英語授業の心技愛』がありますが、「愛」の部分を感じました。それは、生徒を「できるようにしたい」「少しでも次のレベルに引き上げたい」「そのためにとことんつきあう」という愛情です。子供が好きとかかわいいとかそういうことは大切ですが、本当の意味での教師の愛情とは、生徒は「適切な指導さえすればできるようになるものだ」ということを信じ、生徒ができるようになるまで時間を割く、手間をかける、指導をとことんする、できるまで面倒を見るということが愛情なのだと先生の姿を見て思いました。この点を忘れずに小学校での英語に限らず、教師として過ごしていきたいと思いました。

 自分でリズムを作れる、自分でできるようになるとは教材を自作できることだ

私は、これまでの自分の英語学習歴を見てきたときに、先生のような授業を受けたことがありませんでした。もちろん発音やその時々の教科書の読み方などは習いましたが、「では、この文ではどういうリズムで読めば英語らしいリズムになる?」にはこれまでなら、なんとなくそれぞれの単語を一生懸命読んでいるだけだったでしょう。それは、英語独特のリズムの特徴とポンポンメソッドの知識を知らなかったからだと思います。

英語は強弱・長短のリズムがあること、そして、ポンポンメソッドが自分で意識して分かれば、初めての文でもこのようなリズムで読んでみよう。このような読み方で読むと7拍で1拍休んでいい感じにおさまるぞ、と練習できます。このことを知り、できるようになった(はず?)ことがこの集中講義の自分の中での大きな成果のひとつです。これまで小学校でチャンツの指導をしていたときに、「このリズム言いやすいわー」と漠然と思っていたことが、おそらく今後は説明できます。そして、そのようなチャンツのようなリズムを今後は少しは自作できるはずです。

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こういう学びを経た彼が、また自分の子どもたちに向かうときが楽しみである。






KATEで発表しました「小学校の先生に対するグルグルの効果」


本日、新潟大学五十嵐キャンパスで行われた関東甲信越英語教育学会で、淡路先生と共同で

小学校教員対象のグルグル発音指導の効果
音素別、状況別の自己認識と実際のパフォーマンス

を発表いたしました。スライドが下記からダウンロードできるので、ご利用ください。

http://www.st.daito.ac.jp/~t068421/slides/KATE2017-Awaji-Shizuka.pdf

質疑の中で、「先生方が発音の良し悪しを判定する基準はどういうものだったのですか?発音の評価の基準はよく問題になると思うのですが。」というものがあり、私は正直、すこし気になりました。

「発音の評価の基準が問題になる」というのは私には同意できませんし、理解できません。三単現の-sがあるか、ないかと同じくらい、明らかだと思います。

例えば、/ r / ができているか、いないかは、白か黒、1か0、であって、迷いなく判定できます。

THも dental になっているか、いないかは、やはり、dichotomous です。

/ v/ も、labio-dental になっているか、いないかは、グレーゾーンはありません。

そういうblack or whiteなことがらについて、確信を抱けないでいる英語教員がいる、とすればそれは情けないことです。


8/24/2017

大阪場所2017   暑〜い!!

毎年恒例の大阪場所ナウ。

いつもながら、始まる前には会ったこともない学生たちと連日昼から夜まで濃密に時間を共有すると、二日間だけ終わった現在で、すでにかなりの emotional/personal attachment が感じられるのは集中講義ならでは。

あと2日も濃密に楽しもう。


8/23/2017

『英語は英語で、しかもリズミカルに教えたい!』について




みなさんこんにちは。靜哲人(大東文化大学)です。

「英語は英語で教える」ことが言われています。が、「英語で」行われている公開授業を見てみると、単なる指示(クラスルームイングリッシュ)が英語、オーラル・イントロダクションだけが英語、理解の確認のためのTFが英語、であることがほとんどのように見えます。

つまり単なる授業運営のための指示や、本文理解後の「ポスト・リーディング活動」だけは英語でなされていますが、本文自体を細かく読み解いてゆくという、本当は英語授業の核である部分は、たんにスラッシュをつけて音読して終わり、のように、ほぼ無視されているのが現状のように思えます。

また音読の大切さは言われていますが、その指導に関しては、立って音読させるとか、前、右、後ろ、左を向いて音読させる「4方読み」とか、ペア音読、とか、繰り返し音読させるための、いわば「小手先」のテクニックが多く、音読を繰り返した結果、生徒の口から出てくる音声の質が、より英語らしくなる、ためのノウハウはほとんど取り上げられていないと思います。

「アクティブ・ラーニング」の名のもとに、見せかけは「生徒の動きが派手な」、授業、たとえばゲームやらディベートやらをメインに据えた授業は多いですが、その「アクティブ」に活動している生徒の口から出ている英語は、音声的には泣きたくなるほどお粗末である場合がほとんではないですか?

そのような現状分析にもとづいて、この度、DVD2枚組『英語は英語で、しかもリズミカルに教えたい!』を制作いたしました。

検定教科書を使いながら、英語で授業をすすめ、そのなかで生徒の英語音声のプロソディを向上させるためのノウハウを提案する、のがコンセプトです。

中学編と高校編があり、どちらも中学ないし高校の検定教科書の本文(各1パラグラフ程度5レッスン)とオバマ大統領の広島スピーチから5箇所(各50語程度)をとりあげ、(1)「英語を英語で噛みくだく」「英語プロソディを意識させるリズミック音読」という2つを柱としています。

各レッスンの構成は:

(1)本文を私が音読
(2)本文を1文ごとに英語でかみくだき
(3)生徒役をたてて実際の授業風インタラクション
(4)本文のリズミック音読

です。
(2)「英語でかみくだき」では、

(a)難しい語を別の語で言い換える、
(b)長く複雑な文はそのもとになっている構成要素に分解する、
(c) 抽象的な内容は具体例を出す、
(d)行間にあるものを補う、
(e)身振り手振りを活用する、

などを行っています。たんなるClassroom Englishだけの「なんちゃってオールイングリッシュ授業」から一歩踏み出すヒントにしていただくことを意図しています。

私のかみ砕きを視聴してから、2度目は音声を消して画面にあわせて「かみ砕き」をご自分なりに再現してみる、などの使い方もできると思います。

また高校編では使用しているパワーポイント画面も工夫しました。高校では1文が長いため、修飾関係を立体的に表せば生徒にも理解しやすくなります。しかし凝った枝分かれ図を毎日の授業に準備していられないでしょう。

そこで、単に長い文をベタ打ちしたものチャンク毎に改行し、かつその行頭の位置を工夫することで、文の中の階層構造を表すシンプルな方法を考案しました。

作成も手軽で、かつ単にチャンクを縦に並べたものよりも格段にわかりやすくなっています。ぜひ実際に御覧ください。

(3)「授業風インタラクション」は、

「意味を重視したやりとりをしていると、発音指導までできない」と誤解している先生に是非見ていただきたいです。内容理解のやりとりや発表をしている最中でこそ音声的フィードバックをしないと、生徒の発音は永遠に変わりません。流れをこわさない、それぞれ1秒で終わるピンポイント発音指導を、インタラクション中に入れ込んでゆく実際を是非盗んでください。
(4)「リズミック音読」は

「教科書の本文でどうやってリズムの指導をしたらいいだろう」「高校は本文が長いから音読なんか暇がない」と思っている先生に見てほしいセクションです。本文中の重要文を抜き出して、徹底的にリズムを重視した音読練習を楽しく行います。リズムを体感するために、

  • l   バレエ風の踊り、
  • l   柔道のうちこみ、
  • l   空手の正拳突き、
  • l   剣道の素振り、
  • l   指揮棒を使った指揮、
  • l   楽器のボンゴ、
  • l   サッカーのリフティング、
  • l   縄跳び、
  • l   ペアでの花いちもんめ、


などさまざまな身体動作を取り入れています。ご自分のキャラにあったもの、ご自分の生徒にあいそうなものもきっと見つかるでしょう。
是非手にとって御覧ください。
また過去に作成した以下のDVDもきっとお役にたつことと信じています。あわせてご利用ください。

『英語発音の達人ワークアウト「Englishあいうえお」(全2枚セット)』
主要な母音、子音を楽しく身につけるための、他では決して見られないユニークなエクササイズの数々。「Englishあいうえお」「English五・七・五」「English三三七拍子」などなど。エクササイズの作り方を盗んでオリジナルのエクササイズを作ってみてください。

『リズムで体感!重要構文~ABCから仮定法まで~(全2枚セット)』
入門期から高校レベルまでの題材を使って、What、Howなどを使った疑問文、不定詞、比較級、現在完了、仮定法などの主要な重要表現を、すべて「リズムを体感」しながら身につけよう、というもの。投げ込み教材の宝庫といえます。

『英語授業の3形態:一斉、ペア、そしてグルグル(全3枚セット)』
研究社から出した『英語授業の心・技・体』の内容を著者として実演したものです。一斉授業、ペアワーク、グルグル活動でコツや注意すべき点を、実際に生徒役を立ててデモンストレーションしています。書籍だけではわからないテンポを理解していただき、ぜひ「グルグル」にチャレンジしてみてください。


(以上)