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5/15/2017

「have to の to は トゥーじゃないぞ、タ だ!」に見るアホらしさ

もうちょっとしばらく前の話ではあるが、書いておく価値はあると思うので書く。

○○サプリとかいうスマホで英語授業(いわく「神授業」(!))のテレビCMで、講師が、

have to の発音は、ハフトゥーじゃなくて、ハフタ だ。これで英語は聞き取れるように成る! I have to go!  アイ ハフ タ ゴー!だ。

的なことをドヤ顔で力説している、という場面があり、おもわず吹き出した。ナゼ吹き出したかというと、このカタカナ表記をそのままカタカナ読みして、

アイハフタゴー

とすべての音節・モーラをを力強く、同じ長さで発音しながらそういうことを言っていたからである。

言うまでもなく、have to の toは機能語だし、この文脈では弱形で発音されるので、カタカナ表記するなら、トゥー は多少ミスリーディングである。短く軽く、曖昧母音で、というのを教えるのは大切である。それを伝えるためにカタカナ表記で、「タ」とやるのもアリではあろう。「トゥ」でもよいと思う。

しかし表記はあくまで表記。本質は、この単語の音声が、(1)短くなり、(2)低いピッチになり、(3)母音の音価があいまいになる、ということである。よって、力強く、もろ明確な日本語の母音の音価を保ったママまで

タ!

と言っていたのでは意味がないのである。逆に

              
     ヘァ      
ア      f
       トゥ
                

的な発音をしながら、ならば、カタカナ表記はタでもトゥでもいいのだ。

こういう英語音声の伸び縮み(音節による長短・高低・音価の明確化あるいは曖昧化)についての一般的英語教師の基礎知識が本当に低いのだ、ということをこの○○サプリの神授業から読み取ることができた。

ついでに書くと、この講師は、あの前の授業CMでは、

on は上じゃない。接触だ。だから、on the wall も on the ceiling も onだ!

と力説するとき、バリバリカタカナで、  on za wall も  on za ceiling も ...! と言っていたのと同じ輩である。

その程度の音声軽視はその辺の授業の縮図なんだろうが、しかしあれを全国放送されるとねぇ。。

嘆かわしい。