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6/28/2020

発表動画にどこまでの完成度を求めるべきか、求めるべきでないか、問題

オール遠隔授業になって以来、ゼミの授業はzoomで行い、そのなかで3本の動画(学生が作った発表動画)を流す、ということをやっている。

どうせzoomでやるならその場でリアルタイム発表をやればよい、と思われるかもしれないが、録画にするには理由がある。

それは発表を7〜8分間、発表させっぱなしにさせずに、なにか(文法もしくは発音)あったら間髪をいれず介入してフィードバックしたいからだ。それをせずに発表させるのは罪だと考えている。

第1に、そういう間髪入れないダメ出しにはzoomは適していない。タイムラグが生じる。第2に、リアルタイム発表だと音声が証拠として残らず消えてしまう。「今の発音は◯◯だから△△になおせ」と言っても、すでにその◯◯発音は戻ってこない。その点、あらかじめ動画にしてあれば、必要に応じてダメな◯◯発音を何度でも再生できる。

動画にするもう第3ののメリットは事前に提出させればそれに対してフィードバックして、よりよいクオリティの発表にしてやることができるからだ。

今回のこのポストのテーマは、この事前フィードバックに是非、である。

事前フィードバックはその発表者個人に対してだけ行う。フィードバックを繰り返せば、その度にクオリティは確かに向上する。そして、それを突き詰めていけば、zoom本番の日に流す発表動画は、ダメ出しが必要のないほど、クオリティの高いものにすることが可能だ。

そのように低いクオリティから高いクオリティへの変化を体験できる発表者個人にとってはこのプロセスは間違いなく有用で有効だ。しかし、私の悩みは、ゼミ生全体にとってどうか、ということだ。ダメ出しの必要ないプロダクトを見せられた他の学生は、「良い例」はわかるが「悪い例」がわからないことになる。しかし「ある程度はクオリティが高いが、まだツッコミどころがあるクオリティ」の発表動画であれば、zoom本番当日に、その場で動画を止めて、「ここは◯◯だから、△△に直さないとだめだ」とフィードバックすることで、本人はもちろん他の学生にとっても、学習の題材を提供できるのだ。

事前にどこまで完成度を求めるか、求めないか、のバランスが考えどころだ、と思っている。