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6/12/2025

「完璧な構成で、最後は完璧にダメ音声で終わる」の巻

ある意味で典型的な授業だった。

生徒の音声クオリティに対してまったくフィードバックせず、野放しな点が。

段取り・構成自体はよいのだが、最後の発表のあのクオリティがすべてを物語っている。

いっと・いず〜・いんぽーたんと〜・ふぉお・みい〜・とぅ〜・ぷれい・ばすけっとぼーる。

拍手パチパチパチ

全然拍手するようなクオリティではない。あれで教員として満足なのか?こころから拍手できるのか?あれでよい教員ならば、それでも良い。それならもう私は何も言う事はない。だいたいそういう教員は日本中にごまんといるのだから。そういうダメ教員がひとり増えるだけだ。その結果日本中にどういう英語が溢れているかは言うまでもない。

私個人はあれが嫌なので、あれをなくすすために40年間やってきたし、いまもやっている。

これまで教科教育法やらゼミやらで3年間、いろいろな手法を教えてきたはず。

ポンポンパタンも教えた。

It is important は、oooOo   for meは  oO(もしくはoo)   to eat sweetsは  oOO

最近は、oを小(しょ) Oを大(だ〜い)と言わせる練習もやっている。

It is fun for me to bake bread.は、

ooOoOoOO (あるいは ooOoooOO)なので、

しょしょだ〜い、しょだ〜い、しょだ〜いだ〜い (小小大 小大 小大大)と言わせた直後に、「それと同じリズムで」と言って、t is FUN for ME to BAKE BREAD. と言わせる、などやっている。

手の上下動をつかって、ピッチ変化を示すこともやっている。

importantの、O(つまり音節)の数を聞く(oOoだから3).そういう小さな問、クイズを常に繰り返す。そうすると母音挿入をしているから正解できないのだ、といことがわかってくる。

生徒の発話にはつねに、いつでもどこでも、にこやかに、ときに厳しく、つねに、フィードバックしなければダメだ。変えたいなら。変わらなくてもいいならほっておけ。でも変えたいならフィードバックしろ。私は変えたい。だからフィードバックする。

いつフィードバックすればいいか? いつでも、だ。一斉リピートの時。ゲームをやっているのを巡視しているとき。インタビューを巡視しているとき。いつでも、だ。ひとりひとりの発話が耳にはいって、いっと〜 いず〜 というのが耳にはいったら、いつでも、違う!本当は〜だ、というフィードバックをしなければだめだ。

歌と同じ。カラオケと同じ。メロディが違う。音程が違う。そういう意識をもたせるのは教員しかできない。他の生徒がみんな「いっといず〜」と言っているとき、ひとりだけ英語らしい発音をすることは、心理的にできない。

だから、みんなが英語らしい発音をしよう、という雰囲気を作り出せるのは教員だけ。それが教員の最大の責任だと私はずっと考えている。

そのイズムを受け継いで欲しいのだ。

少なくとも「しずかチルドレン」には。






3/15/2025

「終わらせる」じゃない

 ハードディスクを整理していたら、以前ブログに一旦書いた後に削除した(らしい)文章が出てきた。もう記憶が定かではないが、教育実習の訪問指導に行き、そこで聞いた出来事に憤慨してブログにアップしたが、当該の実習生が特定されて差支えがあるかも、と思い直してお蔵入りにしたようだ。しかし自分で記憶が薄れたくらいなのでもう少なくとも5年はまえだろうからもはや差し支えはないので、ここにアップする。自画自賛だが、今見直しても、なかなか良いことを書いていると(私は)思っている。

--ここから---
実習生が授業したところ、review の教材の発音が出来ていない生徒が多いことを発見したので、その発音を全員ができるようになるまでガンバり、結果的にその時間は review で終わったそうな。

すると指導教員にオコラレタそうな。曰く、「それでは決まった単元が終わらない」
実習生、エライ。
指導教員、アホか。
単元が終わる、って何なんだろね。
発音に限らないけど、身につけるべきスキルが身につかないのに、単元だの範囲だのを「終わらせる」ことに何の意味がある?
ないよ。
そういう姿勢だから1年たっても3年たっても、マトモな英語が使える生徒が育たないのだ。
決まった単元って何だ? 誰が決めたんだ? 他人が作った教科書の単元だろう。そんなものを「終わらせる」より、目の前の生徒が「できる」ようにならせてやることのほうが、ずっと大切だろ。
そんなに「終わらせる」のが気になるなら、前から言っているように、1年の最初に、教科書のすべての本文の丁寧な解説と和訳とCDを与えておけ。それなら最初から「終わっている」だろ。
その上で、教室では、対面のコーチングでしか向上しないスキルに集中して、ひとつでもふたつでも「できる」ようにしてやれよ。
「範囲がどうの、終わらせるのどうの」ということを言う教師は、何かを根本的に考え違いしている。
目の前の生徒を見ろよ。

1/24/2025

『音読の教科書』アマゾンに情報がアップされました。

 https://www.amazon.co.jp/dp/4887842694/


★正しい音読を身につけるための完全ガイド
 音読は、効果的な英語学習法の一つとして広く知られています。多くの方が一度は挑戦した経験があるでしょう。しかし、音読の効果を十分に得るためには注意が必要です。発音やイントネーションを軽視した自己流の練習では悪い癖がついてしまい、話しても相手に伝わらなかったり、リスニングで苦労したりすることになりかねません。本書は、発音やイントネーションを徹底的に重視し、正しい音読を身につけるための本格的な「教科書」です。

――本書の構成――
序章 あなたの英語力は音読に表れる―音読でわかる5つの能力
 音読には、なぜ学習者の英語力が表れるのかについて、文法力、読解力、語彙サイズ、フォニックスの感覚(英単語への慣れ)、発音力とリスニング力の5つの能力の観点から理解を深めます。
 ・Point 1:文法力が、だいたいわかる
 ・Point 2:実は読解力も結構わかる
 ・Point 3:語彙サイズが、だいたいわかる
 ・Point 4:フォニックスの感覚(=英単語への慣れ)が、だいたいわかる
 ・Point 5:発音力はもちろん、リスニング力も推測できる

第1章 音読のための基礎トレーニング
 本格的な音読トレーニングの前に、9つのレッスンで基礎的なトレーニングを行います。最短期間で効率的に音読をものにするための準備として、英語の「要注意ポイント」を確認します。
 ・Lesson 01:音読で文法構造を表現する
 ・Lesson 02:音読で情報構造を表現する
 ・Lesson 03:余分な母音を入れるのを避ける
 ・Lesson 04:子音と母音をリンキングする
 ・Lesson 05:子音と子音をリンキングする
 ・Lesson 06:日本語にない子音を身につける
 ・Lesson 07:発音できる母音の種類を増やす
 ・Lesson 08:子音連結に慣れる
 ・Lesson 09:リズムとイントネーションを整える
 ・音読トレーニングの10ステップ
 ・カナ・英文字併用発音表記について

第2章 対話文の音読
 日常的な7つの場面での対話文を取り上げました。対話に使える数多くの表現が含まれていますので、積極的に覚えるようにすると良いでしょう。
 ・Lesson 10:レストランにて/注文をとるウェイトレスと客
 ・Lesson 11:観光案内所にて/宿を探す客とスタッフ
 ・Lesson 12:散歩にて/散歩の道順を決める父と娘
 ・Lesson 13:お店にて/プレゼントを探す客と店員
 ・Lesson 14:オフィスにて/コピー機の不具合を解決しようとする同僚
 ・Lesson 15:スポーツクラブにて/希望を伝える客とトレーナー
 ・Lesson 16:病院にて/検査結果を伝える医者と患者

第3章 スピーチの音読
 5つの名演説を題材として取り上げました。良いスピーチとは、初めて聞く聴衆にも内容がよく理解され、メッセージがよく伝わるものです。原稿を見ないで全文が言えるようになるまで練習を繰り返すのが理想です。
 ・Lesson 17:盲目者のための騎士になって欲しい/ヘレン・ケラー
 ・Lesson 18:最も輝かしい時と言われよう/ウィンストン・チャーチル
 ・Lesson 19:難民を尊重せよ/緒方貞子
 ・Lesson 20:航空学と女性/アメリア・イアハート
 ・Lesson 21:すべての子どもに食を/デイビッド・ビーズリー

第4章 物語の音読
 子ども向けの童話から大人向けのシリアスな小説まで、5つの名作を取り上げました。物語の音読は、対話文やスピーチの音読とはまた違った味わい深い作業です。文章が描き出している状況や情景を、情感豊かに音声で表現してみましょう。
 ・Lesson 22:ピーターラビットのお話/ヘレン・ビアトリクス・ポター
 ・Lesson 23:星の王子さま/サン・テグジュペリ
 ・Lesson 24:老人と海/アーネスト・ヘミングウェイ
 ・Lesson 25:華麗なるギャッツビー/スコット・フィッツジェラルド
 ・Lesson 26:1984年/ジョージ・オーウェル

第5章 テストと音読
 4つの英語テストのスピーキングセクションを題材として取り上げました。これらのテストでは、文法力、語彙力、背景知識等を総動員し、設問に沿った内容を短時間で構成する総合力が問われますが、そのうえで作り上げた解答を英語らしい音声で発表できる能力が重要です。そのような音声力を日頃の音読練習で養っておくことが大切です。
 ・Lesson 27:英検 準1級
 ・Lesson 28:TOEICテスト
 ・Lesson 29:TOEFL iBTテスト
 ・Lesson 30:IELTS

12/24/2024

『単語の教科書』に関する訂正とお詫び

靜哲人(2023)『日本語ネイティブが苦手な英語の音とリズムの作り方がいちばんよくわかる単語の教科書』(テイエス企画)の中に、誤った記述がありましたので、お詫びして訂正いたします。

該当ページ:p. 363

GAとRPの比較対照表のなかで、new、studentとともに、fewを挙げて「ew部分の発音がGAとRPで異なる」としていますが、fewの発音に関してそのような事実はありません。私自身fewの発音に2種類あると考えたことはなく、なぜこうなってしまったのか今となっては理解できないところです。いずれにせよ本書の読者の方々には、お詫びして訂正させていただきます。申し訳ありませんでした。

なお、次回の増刷においては、fewをtube に変える予定でおります。

2024年12月24日
靜 哲人

12/18/2024

『音読の教科書』2月17日に出版予定です。乞うご期待!

ジャン!シリーズ4冊目『音読の教科書』出版日が2月17日(予定)に決まりました。装丁はまだ変わるかもですが、嬉しいのでアップしちゃいます😄
今まで音読の本というと、(1)四方読みがどうのこうの等の教室で何度も読ませるためのパターンか、(2)背景理論がどうのこうのという理屈っぽいパターンか、(3)ただひたすら読みましょうという芸のないパターンか、だったと思います(個人の感想です)。
でもこの『音読の教科書』は全然違いますよ。実際に読者の英語音読のクオリティを上げるための具体的ノウハウがぎゅっと詰まった「理論的実用書」です。
ではクオリティの高い音読とは何か?それはもちろん書かれている意味内容がよ〜く伝わるような音声化のことです。詳しくは本書をお読みください!




12/11/2024

12/25(水)にELECさんで、「生徒の発音を鍛えるための教師 の発音力を鍛える靜流発音道場」やります

発音指導の重要性と授業内での位置づけを確認し、英語音声を可視化 するためのマークアップ法をいくつか提案した後、小説、スピーチ、歌など をつかって参加の先生方の音声クオリティ(個別音およびプロソディ)が (さらに)向上するよう、個別にフィードバックしていきます。

*定員30名 


 https://www.elec.or.jp/wp-content/uploads/2024/10/c0e65cbe93796182fbaaa68a8825ab8d.pdf



10/23/2024

6回目の共愛学園特別授業は、Sugar にしました!

今日は群馬県前橋市の共愛学園高等学校で、「英語科進学コース  英語体験型授業」をさせていただきました。実は呼んでもらうのは今回で実に6回目!今までの5回を振り返ってみると:

第1回 2014.10 You belong with me

第2回 2016.10 What makes you beautiful

第3回 2018.12 All I want for Christmas is you

第4回 2022.1.28 2002 (←これ曲名です) コロナ禍のため、リモート実施

第5回 2023.10.25 Just the Way You Are (Bruno Mars のほうです)

ときて、今回の曲は

Sugar / Maroon 5

で、授業のタイトルは

Maroon 5を歌って学ぶ、英語の超重要音声変化

としました。


今回もグループグルグルをやろうかな、と漠然と思っていたところ、行ってびっくり今回の「お客様」は、英語科進学コース1年+2年+3年の、200人超だとのこと!実際に会場の礼拝堂に生徒が揃うと超満員状態。これはとてもじゃないが人数的にもスペース的にもグループグルグルは無理。(なお、スペースに余裕があれば大学の授業では115人でも4人グループグルグルはやっていました。)

考えた末に、最近大学でも多用している、「マイクが回ってきたひとが一人で発音する/歌う」パタンで行くことにしました。すぐわかると思いますが、よく知らない200人超が聞いているなかでマイクで一人で発音したり歌ったりする、というのはかなりプレッシャーがかかる状況です。そしてもし一人に歌うのを拒否されてしまうと、私も、私も、という拒否の連鎖になってしまい、そこで授業が止まってしまいます。だからそうならないようにうまく持っていくのが鍵です。

果たしてうまくいくだろうか? ... と一抹の不安が、というのは嘘で、まったく不安はありませんでした。いつも共愛の生徒たちとはなぜかケミストリーが良いので、今回もうまくいかないはずはないからです。

蓋を開けてみるとやはり50分✕2の2コマはあっという間に終わってしまいました。Sugarはサビは簡単ですが、そこに行くまでに結構、音節と音符の関係をきちっと押さえないと歌えない箇所があるのですが、彼女ら・彼らは難なくクリアしてしまいました。さすが共愛。もちろん私の指導が良いからなのですけどね(笑)。

最後は会場を暗くしてカラオケ動画に合わせて200人超の大合唱。楽しみつつ、かなり「歌えるようになったな」感は持ってもらえたと思います。後で聞けば、直後の放課後の掃除の時間に、歌いながら掃除をしていた生徒たちがいたとか。

今回もまた、とっても幸せな時間でした。積極的に参加してくれたみなさん、ありがとう!