ふと見ればまわりは野球部の高校生とかだらけである。食いすぎだ。。 腹ごしらえもできたので新宿に戻り、吉祥寺に。本日3度めのバスで成蹊大学に。お、正門わきに大きくポスターを貼ってもらっている。。
到着したときには阿部先生の講演が始まったところ。後ろの方で拝聴。
あのご著書から受ける攻撃的な感じはなく、ごくごくまっとうな、英語を習得するとはどういうことかについてのかなり本質的な話をされている、と私は聞いた。とくに、英語を読む(黙読)とはすなわち音声である、英語を読むとはすなわち「アクセント」である(この「アクセント」というのはおそらく文ストレスのことを指していると推測する)、読む、書くを本当に極めていけばそれがすなわちスピーキングを極めるにつながるのである、のあたりには我が意を得たり、の感があった。
私の講演は、入りは午前中の高校生相手のプレゼンのまったくの流用の音節とはなにか、から入り、要旨は以下の通り:
² 音節の単位は英語スピーキングにとって根本的に重要
² 音節数は、語がどう聞かれるかに大いに関係している(ステーキ大実験)
² 今の英語教育では音節感覚は話題になることはほとんどない
² サザエさんと Yesterday の交換
² Perfumeのレーザービームを題材に
² 英語の歌の歌詞の音節数=メロディの音符数
² 英語の歌が歌える=適切な音節数で歌詞を発音している
² 歌はメインの教材にもなりうる
² 単なる雰囲気作りや、リスニングの穴埋めを超えて
² 1回に1〜2行でもいいのでは
² サビの部分だけでもいいのでは
² 同じ覚えるならヒット曲や好きな歌の一節を
² 選曲:教師が好きでアカペラで歌えるもの
² 選曲:語彙・文法・表現的に学習するに足る歌詞であるもの
² 選曲:そのまま歌詞を覚えよ、と言うに値するもの
² 選曲:ストーリー性があり、歌でなく朗読してもよいくらいのもの
² 選曲:スローよりアップテンポのもの
² 選曲:本年度使用している曲目
(1)
前期:You Belong with Me (Taylor
Swift); Can’t Take My Eyes Off of You (Boys Town Gang); One Thing (One
Direction); Do You Hear the People Sing? (映画『レ・ミゼラブル』より) ;
Just the Way You Are (Bruno Mars); Dirty Work (Austin Mahone); Sk8er Boi (Avril
Lavign); Let It Go (映画『Frozen』より)
(2)
後期:Call Me Maybe (Carly Rae
Jepsen) ; Loser Like Me (from Glee); Beauty and the Beast (映画『美女と野獣』より); Marry You (Bruno Mars); Shape of
You (Ed Sheeran) ; Born This Way (Lady Gaga); Baby (Justin Bieber); All I Want
for Christmas Is You (Mariah Carey) ; What Makes You Beautiful (One Direction)
² 「英語教育学入門A/B」の授業手順
1.
歌詞は事前に配布しておき、手書きしてこさせる
2.
まず音源を視聴(映像に歌詞を加える編集済み)
3.
教師が歌い方を一斉に指導
4.
グループで練習(スマートフォンでの音源確認を推奨)
5.
グルグル(4人ひとくみ)約1時間
6.
集計してシートを提出→これが評価データのすべて
² 判定:重要音素は厳しく、メロディ・音程は甘く、しかし音素と音符の対応(リズム)は厳格に
² グルグル:一斉授業のなかでの個人指導・テスティングのシステム
² グルグル:教師が特定学生の相手をしている時、他の学生は自分の練習をしている
² グルグル:「もう来ちゃう」感を出す→ひとり5秒、一周2分、を目安に
この日のために、苦労して最近の授業を編集しておいたのだが、う〜ん、動画とプロジェクターの相性というのはなかなか難しいものがあり、いくつかは再生できなかったのが残念。まあ夏の全国英語教育学会でもこの歌授業の発表をするので、その時こそ。聴衆の中に、埼玉大での教え子の現職教員がふたり。中のひとりは、教え子(大学2年生)が教員志望なんです、というわけで同道してきていた。私から見ると孫弟子である。大学でグルグルで教えた学生が教師になり、彼にグルグルで教わった高校生が教師を目指している。。。 大変に嬉しいことである。
もう教師7年めのアリピー
「アリトピア」は築けたのかな?