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3/11/2020

グルグルの見える化に関する論文を公刊しました!

靜哲人・淡路佳昌・小山内滉(2020)
『大東文化大学紀要』 第58号 <社会科学> pp. 311-329

考察

本研究は靜(2009)が命名・紹介したグルグルの実態をより詳細かつ客観的に理解するために、 図表および数値による見える化の可能性を模索したものである。あるワークショップの一環として 実施したグルグルのデータを記述、分析した結果、以下の図表および数値がグルグルの見える化に 役立ちそうである、という感触を得た。

(1)カスケード・テーブル:学習者別に周回毎のGEの時間情報、内容、結果をエクセルのセル に入力してカスケード(小さな連続する滝)のような外観となる表。

(2)ミルフィーユ・チャート:GEの所要時間を縦軸に、周回数を横軸にとり、すべての参加者 のGEの所要時間を積み上げ面グラフにしたもの。

(3)MMMチャート:GE所要時間を縦軸に、周回数を横軸にとり、グループでの最大値、最小 値、平均値を折れ線グラフにしたもの。

(4)ブランチング・ダイアグラム:目標文番号を縦軸に、周回数を横軸にとり、全参加者の折 れ線グラフを重ね、枝分かれしてゆくような外観となるグラフ。

(5)プログレス・デイフイカルテイ・インデックス(PDI):参加者がグルグルセッションで経 験したGE数すなわち周回数を、その中で合格して進捗した目標文の数で割った値。

これらの図表や数値により、講師を務めた第一著者と第二著者が自分たちでも認識していなかっ た事実や傾向を発見することができた。また感覚的に認識していたに過ぎなかった傾向を視覚的、 数値的に再確認することもあった。見える化はある程度成功し、また見える化の効果も確認できたと言えよう。