いわんや「50センチの近距離で相対し、お互いに何かを発音して目に見えない飛沫をとばしあい、時に m やpの両唇音であるべき音で両唇をきちんと合わせない学生(男子限定ですが)の唇を教員がむんずとつまむこともある」などという、大学授業の形態の中では最も接触度が濃厚なグルグルメソッドは、ちょっとそのままでは使えなくなってしまうかもしれない。
COVID-19の猛威の前にグルグルは滅びてしまうのか?!
そうとも限らないように思われる。対面距離の50センチはあくまで理想的な「圧」をかけるためのものであり、2〜3メートルくらい離れても実は十分に発音は「見える」し「聞こえる」。マスクをしていても発音の成否は判定可能だ。そもそも視覚的にダメな発音は、その状態で生成される音がダメだからダメなのであって、視覚データがマスクによって遮られても、聴覚データで判定できるのである。というか、聴覚データ的にOKならば視覚がどうであれ、その発音はOKなのだ、というほうが順序は正しいだろう。
さらに遠隔の装置さえあれば、画面を隔ててもグルグルは問題なくできる。スマホであっても小さい画面を注視するのは疲れはするが、判定に問題はない。以前ちょっとだけNHKのRの法則に出演した時、たしかAKBだったかの誰かに Let It Goの発音をコーチするのをスマホ越しにやったことがある。問題なかった。
また知る人ぞ知る「メールグルグル」というのがある。音声ファイルをメール添付で提出させて合格するまでダメ出し返信を繰り返す、というもはや物理的にグルグルすることはない帰れまテン的なシステムであるが、これもそれなりの効果はある。
要は、ひとりひとりの音ときちんと聞いて、それについてきちんと評価する、というのがグルグルの本質であり、そのほかの部分でのバリエーションはいろいろあり得る、ということなのだ。
新型コロナ感染の拡大は、新型グルグルの誕生の原因となるかもしれない。
先日、卒業生にもらったグラスセット
ビールを入れたり、ワインを飲んだり