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9/11/2017

VELCテストによるプレイスメントの適切さについて日本言語テスト学会で発表してきました

昨日会津大学で行われた日本言語テスト学会で、VELCテストが、いかにきちんと、受験してくれた大学さんごとに、その集団内を弁別してレベル分けしているか、という発表を行ってきました。

以下に、スライドをピックアップして貼っておきます。









質疑応答で、「プレイスメントには適しているのはわかりましたが、授業効果のプレとポストの測定などには使わないのでしょうか」という質問がありましたので、熟達度テストですから、プレイスメントだけでなく、授業効果の測定にももちろん使えますし、診断テストとして使える詳しいフィードバックがあります、というご説明をいたしました。

今後とも、VELC Test をよろしくお願いいたします。



9/06/2017

音声イメージの蓄積が足らないのでは?

個々の子音や母音に大きなもんだいはないのですが、英語としてのリズムがおかしかったり、文全体のアクセントの置き方が悪かったり、イントネーションがおかしかったりするために、せっかくの内容がわかりにくい、という印象を持ちます。

現時点で、「この学生は、英語はまあまあ聞ける、まあまあ聞くに耐える音声だ」と言える人は残念ながらいません。自分の指導力のなさ、も感じました。

ここから先は、私がひとつひとつ教えるのは限界があります。きみたちの頭のなかに、「英語の音声はこんなイメージだ、英語のリズムはこんな感じだ」というストックがどれだけあるか、というのが決め手なのです。

情報源が教師だけ、では限界があるのです。

毎日英語を、聞いているでしょうか? 英語音声というもののイメージを蓄積する努力をしているでしょうか。

その気になれば、ネットには適当な題材があふれています。ニュースもあるし、Podcastもあるし、いくらでも音声教材はあります。その方向の努力もしてみたらどうでしょう。

英語のリズムの力強さ、心地よさを、自分の手で感じて、それを頭にしみこませてください。それがいつか、自分のものになります。

英語は早口で話さねばならない、と誤解している学習者たちへ

とてもいいことが書いてあるのを見つけたので、シェアします:


<リンキングと早口は違う>


“Linking and speaking fast are _not_ the same thing! You don’t need to speak fast. When native speakers link words, they’re not necessarily speaking faster. The speech is just smoother and less choppy. It’s extremely important to stress the content words when you are linking words because this will force you to slow down at the right place and it’ll make your speech more easily understood.” p.102


Mojsin, L. (2009). Mastering the American accent. Los Angeles, CA: Barron’s.

9/01/2017

地下鉄で発音指導 じゃすなう

三田線で隣になった高校生(たぶん1年くらいか)の4人組。テスト前なのか単語集の学習に余念がない。二人が私の隣に、二人が向い側に座った。

隣の二人の会話が耳に入って来る。

「発音がわからないよね。」

「アプリで聴いたけどすぐ忘れちゃうよね。」

「これなんて発音するんだろう〜」

二人ともここで一瞬沈黙。

横目で見ると 問題の単語はoccupy である。

我慢できず

キュパーイ  

と口から。

ぎょっとして一瞬固まってこちらを見た二人は、その音声を発した主が危険人物ではないと判断したらしく、

「もう一回言って下さい」と言うので、つづりを指差しながら、もういちど

キュパーイ  あるいはアメリカ人なら、キュパーイ

だね、などと始めてしまった。

向こう側に座っている子は

(みんな教えてもらおうよ)

などと言っている。

それからこちらが下車するまでの数分間、

dominate (最後に e がくると、nateはネイt ね。)

pursue  (いやいや、パーシュー じゃないよ。プァス~だよ。)

urge  (いやいや、アージ じゃなくて、もっとウに近くね、ウァ~ヂ)

などの指導を行なったのだった。

ちょっと楽しい秋の昼下がりの出来事。

やっぱ俺はオカシイね。。(^^)



8/30/2017

靜病 Part 3 : BiVi とは何事だ!

もうしばらく前だが、夜中にゼミ生からのメールで、何かと思えば、面白いものを見つけて腹が立った、という。

添付されていたのがこの写真。


なにが腹が立ったか、というと、



個人的に、気にくわない点として、
BiViのカタカナ表記が

ビビ

となっていることです。
日本語ゆえ、ヴィ、というのはあまり馴染みのないものなので、不自然かと思うのですが、
ビビとあたかも同じ音のように表記しているのが、腹が立ちました。


とのこと。

こういうことに「腹が立つ」ようになるとは、かなり「病気」が進んでるね(苦笑)。。

4技能統合型グレード別教科書 Ambitions シリーズ完成しました!



このたび、VELC研究会教材開発グループ(望月正道先生、熊澤孝昭先生、と靜)として、上記の3冊を完成することができ、数日前にようやく現物を手にしました。

ひとりの著作ではとても無理なくらいの手間暇をかけて作成したものなので、達成感もひとしおです。

題材はテーマを指定してネイティブチームに書き下ろしを発注しましたが、上がってきた英文をそのまま使ったものはむしろ少なく、表現だけでなく、パラグラフの構成から論理の展開まで、我々が納得のゆくまで何度もかなりしつこい(^^)やりとりを経て最終的に完成したものです。語彙面での統制はその分野の第一人者である望月先生が目を光らせました。

扱う題材の広さといいバランスといい、3レベルのグレーディング(英文素材の語彙レベル・コントロールはもちろんのこと、タスクの難易度のグレーディングも)といい、タスクの「地に足のついた多彩さ」(日本人大学生の実情を踏まえた上での多様なタスク設定)といい、かなり高いレベルでバランスがとれたもの仕上がったと思います。

リーディング・リスニング中心にも使えるし、本格的にスピーキングやライティングにも使えますよ。内容ももちろんですが、表紙の装丁もカッコイイでしょ? 

是非、ご利用ください。私が中心となった真ん中のレベル(Pre-intermediate)のはしがきを以下に貼り付けておきます。

******

はしがき


ベルクテストから見えてきたこと

私たちベルク研究会は、The VELC Test®という日本人大学生の総合的英語熟達度をリスニング面とリーディング面から推定する標準テストを開発し、実施・運営をしているグループです。The VELC Test®は2013年度より全国各地の多くの大学生のみなさんに受験していただいています。

私たちは毎年、大学名や個人名が削除された解答データを分析し、テストの信頼性・妥当性をチェックしつつ、多くの受験者に共通して見られる学力プロファイル(リスニング、リーディングのスキル別の熟達度パターン)を調べています。その中から、日本人大学生にはどのような点で「伸びしろ」があるのか、どのような点を補強すればさらに英語力が伸びるのかについて、次のようなヒントを得ました。

<リスニング>

まず単語レベルですが、自己流の発音ではなく英語母語話者の発音イメージで単語を記憶しておくことの大切さです。そうでない人は、目で見た場合の語彙力と耳で聞いた場合の語彙力がアンバランスなものになります。
つぎに目で見た場合の英文と耳で聞いた場合の英文のイメージのギャップを埋めることです。書いてある英文では、単語の切れ目はスペースによってわかり、すべての単語がはっきりとした黒い文字で印刷してあります。しかしリスニングでは機能語が弱く発音されたり、語と語がつながって発音されたりと、書いてある英文とはかなり異なったイメージになります。そのような現実の音声に慣れておくことが必要なのです。

<リーディング>

 単語レベルでは何といっても語彙のサイズを増やすことが大切です。一瞬見ただけで意味が想起できるようになっている単語を増やしておくことがリーディング力の地力となります。
 つぎに文構造を見抜く力です。リスニングに比べて一つの文が長くなる傾向にあるリーディングにおいては文法力が重要になります。なんとなく単語の意味をつなげて文の意味をとろうとせず、主語と述語の対応や、修飾語句の範囲などを常にきちんと押さえながら、厳密に意味をとろうとする姿勢が大切です。
 また、文レベルの明示的な意味を理解することに加えて、その理解をもとに文と文のつながりをつかみ、テキスト全体の大意を読み取り、さらに暗示的なニュアンスまでも読み取ることが重要です。

<リスニング&リーディング>

 最後にどちらにも共通するのは、その時点までに理解した内容から、次の部分を予測しながら進んでゆくという姿勢です。これまでの内容をさらに詳しく説明する内容が来そうか、対立する論点が出されそうか、あるいは話題が転換しそうなのか、などをつねに考えながら聞く、また読む習慣が必要なのです。

このような現状分析を踏まえ、日本人大学生のみなさんが、自分たちの弱点を克服し、総合的な英語力をさらに伸ばしてもらえるレベル別のコースブックを作りたい、という私たちの思いを形にしたのが、このAmbitionsシリーズです。

レベルの設定 

 このpre-intermediate(準中級) レベルでは、一定レベルの基礎力のある人が、その力をさらに強固なものにすることを目標としています。使用している語彙は、日本人大学生のための標準的な単語リスト『新JACET8000』の1000~4000語レベルで90%以上をカバーしています。

テーマと英文素材

題材のテーマは「異文化理解」「食」「外国語学習」「スポーツ」「ファッション」「生物」「芸術」「グローバル・イッシュー」「日本文化」「人権」「健康・医療」「環境問題」「経済・産業」「法律」「サイエンス・テクノロジー」と多岐にわたっています。現代に生きるみなさんにぜひ知っておいてほしい事実、問題意識を深めてもらいたい事柄を厳選しました。文系のみなさんにも理系のみなさんにも興味をもって取り組んでもらえると思います。
  素材はすべてネイティブスピーカーが、みなさんに適したレベルの語彙と表現を用いてあらたに書き下ろしました。対話文,エッセイ,ブログ,新聞記事,インタビュー,スピーチと英文ジャンルも多彩であり、オーセンティックな(世の中にある本物の英文の)香りを楽しみながら、さまざまなタイプのリスニング、リーディングが体験できます。

ユニットの構成

ひとつのUnitはListening PartとReading Partからなっています。さらに詳しくどのような構成になっているかは「使い方のヒント」に述べますが、リスニングに関してもリーディングに関しても単に内容の理解にとどまらず、使われている表現を自分で言ってみる/書いてみる、題材に対する自分の意見を言ってみる/書いてみるという活動ができる構成となっているのが本書の特長です。積極的にスピーキングとライティングにも取り組むことで、4技能を統合的に伸ばすことができるでしょう。
本書を使うことでみなさんが英語運用能力のみならず、情報を収集し、批判的に考え、自分の考えをまとめて発表する力を伸ばしてくださることが私たちの望みです。

著者一同

8/27/2017

ブートキャンプで学んだこと:本当の意味での教師の愛情


4日間の大阪ブートキャンプに参加したなかに、勤続8年目の小学校の先生がいた。終了後の感想を書いてくれるよう頼んだところ、長文の、内容の非常に濃いコメントを寄せてくれた。

小学校の先生がこれだけ多く学んでくれて、これだけ大きく成長してくれるなら、このキャンプはやる側としても大いにやり甲斐があるな、と感じさせられる。

以下、ご本人の了解を得て、一部紹介する:

******************

先生の授業で心に残ったことと共に私の感想を追記し、感謝の言葉に代えたいと思います。

 授業は稽古である。子どもを高めるために教師がいる。ためらわずに指導し、高まったら褒め、できてなかったらできるようになるまで手を変えてできるようにさせよ。それが教師の仕事だ。

この言葉は、大変重い言葉でした。子供たちの伸びは、教師の[力量に]規定されるということだからです。同じ子供でも受けている授業や指導者がちがうと同じ時間授業を受けても伸びがちがってきます。教師には、何よりも「モデル」を堂々と示せる力、子供のパフォーマンスを即時に「白黒」「○×」と判断する力、子供のパフォーマンスが×→○になるように複数の指導オプションを即興的に魅力的に示せる力が問われているのだと感じました。今後、このことを頭に入れて、大学で学んでいきたいです。

 いかに使えるようにするか、何を使えるようにするか

靜先生の授業は、体育のようでした。小学校で体育を教えるときも、私がいつも考えることは、「いかに運動量を確保するか、汗をかかせるか、動きのポイントを意識して練習するか、友達とのやり取りを入れるか」です。靜先生の英語授業もいかに「英語を使わせるか」「英語を聞かせるか」「英語の音素、リズムやイントネーションを意識させるか」「何をパフォーマンスさせるか」ということを重視しておられるように感じました。

しかも、ただ言えるようになればよいのではなく、その英語の表現や内容が「使うに値するか」を教師が事前に判断し、教材にしていることも大事にされているのだと思いました。小学校で指導するときも、ただ言えるようにするだけでなく、子どもたちの生活で、また興味に合わせて実用的であるか、また覚えるに値するかを考えながら、子供に示す英語も精選していきたいと思いました。

 好きなことを好きなように楽しむ

先生は、本当に授業が好きなのだと感じました。私も授業が好きですが、先生は、CMを見て指導法を思いつくだけでなく、実際に形に落とし込み、実際にやってみて、指導法を振り返るところまで「やり切」られます。この点が私が足りないところだと感じました。「~ができるかもしれない」と思ったら、形にして授業をやってみること、ここから何かが生まれるのであり、「~ができるかもしれないな」というレベルでは何も生まれないのだと思いました。

We are the World の先生のラップビデオや 一本満足バーのビデオを見て、本当に先生は授業が好きなのだと、また英語が好きで、楽しそうで、いいなぁと思いました。この視点を私も忘れずに授業をやっていきたいです。この1年は大学ですが、私もこの集中講義を終えて、早く授業がしたくなってきました。

 愛情を与える

先生の著作に『英語授業の心技愛』がありますが、「愛」の部分を感じました。それは、生徒を「できるようにしたい」「少しでも次のレベルに引き上げたい」「そのためにとことんつきあう」という愛情です。子供が好きとかかわいいとかそういうことは大切ですが、本当の意味での教師の愛情とは、生徒は「適切な指導さえすればできるようになるものだ」ということを信じ、生徒ができるようになるまで時間を割く、手間をかける、指導をとことんする、できるまで面倒を見るということが愛情なのだと先生の姿を見て思いました。この点を忘れずに小学校での英語に限らず、教師として過ごしていきたいと思いました。

 自分でリズムを作れる、自分でできるようになるとは教材を自作できることだ

私は、これまでの自分の英語学習歴を見てきたときに、先生のような授業を受けたことがありませんでした。もちろん発音やその時々の教科書の読み方などは習いましたが、「では、この文ではどういうリズムで読めば英語らしいリズムになる?」にはこれまでなら、なんとなくそれぞれの単語を一生懸命読んでいるだけだったでしょう。それは、英語独特のリズムの特徴とポンポンメソッドの知識を知らなかったからだと思います。

英語は強弱・長短のリズムがあること、そして、ポンポンメソッドが自分で意識して分かれば、初めての文でもこのようなリズムで読んでみよう。このような読み方で読むと7拍で1拍休んでいい感じにおさまるぞ、と練習できます。このことを知り、できるようになった(はず?)ことがこの集中講義の自分の中での大きな成果のひとつです。これまで小学校でチャンツの指導をしていたときに、「このリズム言いやすいわー」と漠然と思っていたことが、おそらく今後は説明できます。そして、そのようなチャンツのようなリズムを今後は少しは自作できるはずです。

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こういう学びを経た彼が、また自分の子どもたちに向かうときが楽しみである。