英語科指導法をとっている学生から、中学生の妹が習ってる英語教師について聞いた話。スペリングをローマ字で覚えるように指導しているという。
は? たとえば?
baseball は バセバ11
なんじゃそれ? 意味わからんね。
確かに、Wednesday を ウェドゥネスデー とか言って覚えたことはある。それは、Wednesday のスペリングと音の関係が不規則だからである。baseball は、100% フォニックスの規則に合っているのだから、バセバ11はいただけない。
以前書いた、bとdの混同を過度に気にする教員と同じように、一般に日本の英語教師は、「発音はどぅであっても、結果としてのスペリングが合っているか間違っているか」ばかりを気にしすぎているように思う。
だから、こういうローマ字語呂合わせ的なスペリング記憶指導が出るのだ。
発想を変えて、まずきちんと発音を押さえ、その発音を表す(あるいは表し得る)英語のスペリングにはどういうものがあるか、をまともに授業で取り上げたらどうか。
Avril Lavigne に、Sk8er Boi というタイトルの曲があるのだが、もちろん
Skater Boy をもじったつづりである。 こういう、
Skate = Sk+eight
ater = eight + er
のような感覚を、正規の授業でもっともっと取り上げればよいと思うのである。
「でも、そうすると本当のスペリングがどれか、混同するから...」
という発想する人は、バイバイ。以降は読まなくていいです。
「混同」してもいいんだよ。たまたま「現実の」スペリングがどれなのかを「くそ暗記」するより、英語のスペリングの規則を「覚える」ほうが、ずっと応用範囲が広いし、価値がある。
ある、音に対してルールに則ったスペリングに得点を与えるテスト、というのもあっていいでしょう。
さらに進めると、日本語の音をもし仮に英語スペリングで表したらどうなるか、という話にもなる。たとえば、桃太郎の出だしあたり、
「どんぶらこ どんぶらこ と 拾われた 桃から生まれた桃太郎」
を、たとえば、
Don't black coat, don't black coat, oh, hero wallet tar
Momma color womb her let her Momma tarot oh!
というスペリングにすれば、英語ネイティブが発音すると原語の日本語音に近くなる、
というような話を正規の授業でやってみるのだ。
たとえば、
http://www2.research.att.com/~ttsweb/tts/demo.php
に、上のテキストを貼り付けて、音を聞いてみてください。
ちなみに、この「桃太郎」は鬼退治するまでのお話全体を、ジャパンライムから発売している、英語発音の達人ワークアウト: English あいうえお (DVD)
http://www.japanlaim.co.jp/fs/jplm/c/486
に ちゃんと収録しているから、興味のある人は是非、みてくださいな。
An English teacher who teaches her students to memorize the spelling of "baseball" by chanting bah-seh-bah-jew-eechie is doing them considerable disservice. Such a practice is evidence that the teacher is only interested in making students to get the spelling, as a series of orthographical symbols, right, ignoring whether or not they get the pronunciation right.