昨日、[SETC&ASTEK] 2014年03年例会 に参加させてもらった。話題提供者の二人目は、
学習英文法[用語]を見直したい
というテーマで話をしてくれた。どこまで文法用語は必要なのか、という古くて新しい問題だが、配られた文法用語リストを見て(話題提供者の意図とは別に)思ったことが2つある。
(1)これだけ学校現場で使われる文法用語があり、これらの用語が必要だとか不要だとか議論を呼ぶのにくらべて、次のよな「発音用語」「『音法』?用語」はまったく使われないし、もちろん議論のネタにすらならないなあ。。
声帯・調音点・調音方法・両唇音・唇歯音・閉鎖音・摩擦音・接近音・継続音・帯気音・VOT・同化・順行同化・逆行同化 etc.
(2) (1)は、そういう発音用語をもっと教えろ、と言っているのではない。むしろこういう用語をまったく使わなくとも発音は効果的に教えることは可能だ。しかし使っても別に構わない。大切なのは発音ができるようにすることでである。
それとまったく同じように文法教育の目的は、英語のルールに則った英文が産出でき、英文が理解できるようになることであり、文法用語はそのための手段にすぎない。使ってもいいし、使わなくてもいい。目的は文法を describe できる学習者を育てることではなく、文法を使える学習者を育てることだということがきちんと認識できているならば、文法(用語)に対する教師の態度もおのずと変わってくるのではないかと思われる。
第二言語であっても、効果的な文法ユーザーになるためには、文法用語や文法現象にかんする宣言的な知識、系統だった知識は必ずしも必要ではないと私は考えている。