この企画の、スピーチコンテスト中のもともとの位置づけは、すべてのスピーチを終えて審査員が入賞者を討議・決定する30分ほどの幕間に行う、いわば刺身のツマのようなとは言わないまでも、空き時間の Filler です。
近年では外部のスピーカーを招いての英語の講演、プロによる英語落語、学内のフォトコンテストの表彰、などさまざまな企画を行ってきました。それぞれ興味深いイベントだったのですが、個人的には英語スピーチコンテストとの相性がどうなんだろうか、という思いがありました。
スピーチコンテストは興味深い催しですが、張り詰めた雰囲気のため、決してリラックスして見られるものとは言えないでしょう。そこにもってきていわば「休憩」時間にまで英語のシリアスな講演では、観客もしんどいと思われます。また外部スピーカーを招くのでは当然謝金も必要となり、持続可能性という点からも課題を感じておりました。英語でのスピーキングのメインディッシュには、英語での歌で箸休めがいいのではないか、とずっと思っていました。
そこで今年は、学生有志を募って。。。というのは表向き、実態は自分のゼミで「君たちさあ、全員スピコンのサポーターになってさあ、英語の歌歌わない? 歌うだろ?いいよね?いいだろ?やりたいだろ?やりたいよな?!」と、例によって
こうしてゼミ生にとっては外発的に始まった企画ですが、その後は完全に学生が主体的に取り組んでくれました。外発的動機づけも内発的動機づけに変わる、の典型例だったかと思います。
曲数、曲目の選定、メンバーの割り振り、全体練習、パート練習、はこの半年、ゼミの授業時間の最後の30分をあてて取り組んできました。留学するため本番には in person では参加できないメンバーは、事前に作成した動画で出演してもらう、という徹底ぶりで「ゼミ生総出演」を貫いています。
その結果、私が当初思い描いていたレベルをはるかに超えた、コスプレ要素などもあるエンターテインメント性の高い舞台が完成したのです。「きちんとした発音」は担保した上での遊びであることは言う前もありません。
コンテストの中での位置づけも、刺し身のツマどころか、
それを目当てにくる客がいてもおかしくない極上のデザート、
といった趣に仕上がっています。
しかも凄いのは、このショーのパフォーマーのなかには、コンテスト自体でスピーチを行うコンテスタントも複数いる、ということです。当日は自分のスピーチのことと、ショーの出番のことで大変だとは思いますが、二足のわらじをしっかりと全うして欲しいです。
今日の最終リハーサルを終えて撮った出演者一同(若干名欠席者いますが)記念写真は、私にとっても特別な一枚になりそうです。みんな最高にいい顔してます。
これは私とって紛れもなく仕事です。しかし仕事でこれほど楽しい思いをさせてもらえるのは本当に稀有な贅沢でしょう。仕事でしんどい思いをされている方々が多いことを考えれば、天国にいるようなものです。文字通り、ありがたい、ことだと思います。
土曜日は、是非、彼らのパフォーマンスを見にいらしてください。