Total Pageviews

10/04/2010

CDプレーヤーは捨てよう

カセットがCDになって、語学の授業から失われたものは大きい。

授業に関する限り、カセットのほうがずっと良かった。

例えばリスニングで、partial dictationをするとき、一度で聞き取れなかった箇所を、即座に2秒だけ巻き戻して何度も聞かせたり、正解を教えてから、本当にそう言っているか確認するために、さらにもう一回聞かせるために3秒巻き戻したり、という作業が、カセットは造作もなかった。

それがCDになってから、数十秒の区切りのトラックごとにしかアクセスができなくなってしまい、きめ細かいリスニング授業が成立しなくなった。

リスニングだけでない。スピーキングに関わる音読を、録音音源の後をついてリピートさせるときも、生徒のリピートの発音やリズムがまずく、それに対して即座にフィードバックし、その上で、もういちどその文だけを聴かせる、などという作業も、カセット時代は容易かったが、CDになってから、なにもなくなった。

だから、CDプレーヤーを使って授業している限り、その点に関してはロクなことはできない。

CDプレーヤーを使うのはやめよう。

選択肢は二つ。

(1)カセットに戻る。まだ販売されている。

(2)CDの音源をPCに取り込んで、PCの音声プレーヤー、もしくはiPodなどで再生する。そうすれば、バーが走るので、カセットと同様のきめ細かい「巻き戻し」(レトロな語ですが)が可能になる。

CDプレーヤーを捨てよう。

このまえテレビ番組で、アダルトタレントが平成の歌を、ヤングタレントが昭和の歌を練習して歌う、という企画を見た。出場したタレントは短期間で50曲の(自分にとっては)新曲をマスターしなければならない、という状況だったのだが、その中で森口博子さんが、携帯用のカセットプレーヤーを使って練習していたシーンがあり、非常に印象的だった。

あるフレーズのメロディがわからなくなると即座にそこだけ巻き戻して何度も何度も聴きこむのである。私はこれでないとだめですね、という言葉が印象的であった。

まさにあれが授業にも当てはまる。

CDプレーヤーを使っている限り、きめ細かい音声提示は不可能だ。

Cassette tape players were ten times more useful than a CD player in presenting recorded stimuli  in English classes.  It was a piece of cake to playing the same phrase again and again and again by using a tape player, which is impossibility for a CD player.