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5/19/2012

自力と他力の2ラウンド制

たとえば指定した英文を要約してくるという課題を出した時、英語としてかなりまずいグローバルエラー(たとえば主語がない、述語がない)を含むような文を書いてくる学生がいたとします。

(ただし、書いてある英語はまずいのですが、本文の内容は概ね正しく把握しているようだ、というレベルです)

もちろんある程度の添削というかフィードバックはしますが、部分的なフィードバックで済まないようなレベルの場合、そもそも自力で要約してこい、という課題を出すのが時期尚早なのではないか、と思ったりもします。

こういう場合は、あらかじめ私のほうで作成してしまった要約文を提示して、それを暗記してくる、という課題のほうが実は長い目で見て有効なのではないか、とも思い始めました。

でもそれだと、今までは自力で本文を読解して曲がりなりにも要約していたのが、こんどは本文を読解しなくても当たらえれた要約文を単に暗記すればよい、ということになって、自力での読解作業を止めてしまうかもしれません。

ではこうすればどうでしょうか。

最初は自力で読解した結果を英語で要約させてくる。そしてある程度のフィードバックを与える。その上で教師が作成した要約文を与えて、今度はそれを暗記させてくる。暗記できた語数を点数にする。このサイクルを繰り返す。

すると、ひとつのテキストに対して、1回目は自力で要約、2回目はお仕着せの要約を暗記、という作業になります。

1回目は産出する英文はボロボロかもしれませんが、自力で要約しようとする過程で何らかの力がつく、と期待します。

2回目はあまりクリエイテイブな頭の使い方はしないですが、表現を覚えようとする過程で、力がつくと期待します。

この2種類の作業を繰り返すことで、どちらか1種類よりも力がつく、と期待します。

ここまで書いてきて、要約でなく、自分の意見を書く「自己表現」についても同じ2ラウンド制が適用できることに気づきました。

ひとつの素材について、1回目は自力で意見を書く。2回目は教師が与えた特定の意見英文を暗記する。

なお、「教師の意見を書いた英文」の一種として、「心技体」の要点をひとつ100~150語の英文30にまとめたものを作成して、英語教育学系の授業の学生に暗記させるというのを今年はやっています。

ここ↓
https://sites.google.com/site/zukesdownloads/home/1-shin-gi-tai