Seven Myths about Education
by Daisy Christodoulou
の訳書である
7つの神話との決別
21世紀の教育に向けたイングランドからの提言
(東海大学出版部)
です。
送ってくださったのは訳者のうちのおひとりです。その方からのお手紙が同封されており、それを読んで私は嬉しくなりました。
その方は私のこのブログである文面を見て「そうなの、そうなの。だから私はこの翻訳書を日本にて出したいと思ったのだ」と叫びたくなった、そうです。その記述とは「ホンモノに出会った喜び」の中の以下の部分です:
たとえば「心」に関しては、文科省主導の「アクティブ・ラーニング」やら「対話的でドウチャラコウチャラの学び」やらの騒ぎのせいで、英語と同様その教科でも、すべての基礎となるはずの知識を教師がきちんと教えることがまるで悪いことであるかのように扱われるようになり、思考の材料たる正しい知識がないまま生徒たちは「話し合い」「学びあい」を強制させられるために無知や勘違いや感情に基づくトンデモ話し合いがまかり通り、その結果を発表して授業が終わる、という教科教育の崩壊が起こっている惨憺たる現状を厳しく糾弾し、その教科における『授業道』を確立の必要性を叫んでいる。そして、イングランドで起こっている同様の惨状を看破し、その誤りを説いているのが、この『7つの神話との決別』であるため、相通ずるものを感じて、急遽本書をご恵贈くださった、とのことです。
現在文科省が必死に旗を振っているような教育政策は根本的に誤っているからやめよ、という主張をイングランドの現状のデータに基づいて行っているのが本書だ、ということです。
帯にはこうあります。
イングランドで盲信されていた教育神話を打破する。
神話1 事実学習は理解を妨げる
神話2 教師主導の授業により生徒は受け身になる
神話3 21世紀はすべてを根本的に変えてしまう
神話4 調べようと思えばいつでも調べられる
神話5 転移可能なスキルを教えるべきである
神話6 プロジェクトとアクティビティが学びの最良の方法である
神話7 知識を教えることは洗脳である
つまりこれらすべてが誤っており、
- 事実を学習することは大切で
- 教師主導の授業こそ効果的で
- 何世紀になろうが教育で大切なことは変わることはなく
- 生徒任せの「調べ学習」は当てにならず
- 将来役立つスキル云々ではなく、現在必要なスキルこそ教えるべきで
- PBLなどは非効率的であり
- 知識を教えることこそ教育の根幹だ
ということを述べている本であると推測します(まだちゃんと読んでませんので。)
そうだとすれば、すばらしい!
内輪話によればこの本は出版社を見つけるのに苦労したそうです。つまり「アクティブ・ラーニング」を批判するような内容の本は出版されたがらなかった、ということのようです。それ自体が恐ろしいことですね。
今日から私はじっくりこの本を読んでみたいと思います。調べてみてもこの訳書はアマゾンにはないようですが、東海大学出版部から直接購入できるようです。みなさんぜひ!この本をみんなで読んで、出版をためらった出版社を悔しがらせようではありませんか!
ご献本、ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。