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3/03/2019

ホンモノに出会った喜び

それは、突然、やってきた。

英語以外の教科を専門とする、ある若い先生がレポート否、論文を送ってきてくれたのである。学期末で極めて忙しいはずのこの時期にまとめられた20ページにわたる長大な論考のテーマは、『英語授業の心・技・体』での私の主張が、いかに自分の教科にも当てはまるか、である。

たとえば「心」に関しては、文科省主導の「アクティブ・ラーニング」やら「対話的でドウチャラコウチャラの学び」やらの騒ぎのせいで、英語と同様その教科でも、すべての基礎となるはずの知識を教師がきちんと教えることがまるで悪いことであるかのように扱われるようになり、思考の材料たる正しい知識がないまま生徒たちは「話し合い」「学びあい」を強制させられるために無知や勘違いや感情に基づくトンデモ話し合いがまかり通り、その結果を発表して授業が終わる、という教科教育の崩壊が起こっている惨憺たる現状を厳しく糾弾し、その教科における『授業道』を確立の必要性を叫んでいる。

英語教師が職員室の机においておいた『心・技・体』の「十五戒」を他教科の教師が読んで、「これはすべての教科にもあてはまることだ」と言っていた、といったエピソードはこれまでも何度か聞いたことがあったが、これほどまでに包括的に自分の教科に『英語授業の心・技・体』を当てはめて論じる考察にであったのは初めてである。その論考は深く鋭く多岐にわたり、表現は巧みで、当該教科の内容には門外漢である私にとっても震えるほど刺激的なものである。

これほどの豊かなコンテンツを私だけが読んで終わるのではあまりにももったいない、と確信した。