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7/14/2011

ビヨヨ~ンと伸び縮みさせよ

今年の新入生を見て、また話を聞いて特に感じるのは、

英語はとにかく速く話すのがエライんだ

ペラペラと話すのが目標なんだ

流暢に話すのがダイジなんだ


と、思い込まされて中学高校時代を過ごす生徒が、思った以上に多いのじゃないか、

ということです。

もちろん、速く話せるなら話せばいいのですが、英語的な話し方を教わっていないで、むやみにCDについてシャドーイングされたりしているので、

無理な「早口英語」になっている場合がほとんです。

ざっくり言うと、日本語と比べた時の英語の特徴は、

1)基本、単語と単語はリンクする

2)音節の長さが伸びたり縮んだりする

です。1)はよく知っていると思うので省略しますが、たぶんほとんど意識されていないのが、2)です。

ストレスのある音節は、ストレスのない音節に比べて強いだけでなく、長いんです。

Japanese の第1音節のa は、第2音節のa に比べて、長い、です。

two to two の 第1音節、第3音節は、第2音節に比べて、長いです。

そして、長いだけでなく、高い、です。

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などでも、おなじ o でも 同じ a でも、ストレスのあるなしによって、強さだけでなく、長さ、高さ、そして、母音の質の鮮明さ、が全然かわります。

日本語が、原稿用紙に象徴されるように、1マス1マスが等しい大きさのモーラで構成されているのと対象的に、びよよ~ん と

伸びたち縮んだりする、ゴム風船みたいな言語ですね。

そういうことをきちんと教えて、手とり足取り、教えて、口移しで教えて、

その上で、さらに仕上げるためにやるシャドーイングならいいと思いますが、

今、聞こえてくるのは、人間教師がそういうことをきちんと教えることなしに、(つ~か、知らねえヤツが多いんだろ)

ただ闇雲にCDにまかせて、同じスピードで読め、みたいなことをやるから、母音挿入しながら、ただただ原稿用紙の升目を埋めるがごとく、歩幅の変わらないピッチ走法みたいな喋り方をする生徒ばかりが育っているのだと、思います。

歌でもそうですね。きちんとリンキングとか音節の伸縮具合とかを教えずに、ただ「じゃあ、CDに合わせて歌ってみましょう」というオザナリ指導しかしないから、

少数のモノマネ上手な天才を除き、英語らしい英語音声が身につかないのだろう、

と強く思います。

その結果、またリスニングの伸びにも限界が...

みなさんは、自分の生徒には、きちんと「伸びたり縮んだり」、あるいは「スキップするように歩幅を変えて」というのを、丁寧に教えてあげてください。

早口でごまかすのは誰でもできます。ゆっくり、うまく読めるようにトレーニングするのが最も効果的です。