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12/27/2011

All I Want for Christmas Is You の授業を見て

マライアのAll I Want for Christmas Is You を使った グルグル/ライティング授業(中3)のビデオを見た「英語科指導法B」の受講者のコメントから:

■今回の授業映像では、静先生が生徒を実際に叱っている場面が見られたところが今までと違い、印象に残りました。
授業が始まる前にざわついている(普段使わないパソコンを使った授業だからか?)、「遊びでやるんじゃないんだ。真剣にやらなければ意味がないぞ」と言って教室の空気を引き締めたところと、グルグルの最中に何度も同じところを間違える生徒が(特に男子?)多いことに対して「何度も同じ事を言わせるな!」と全体に対して注意したところ、まじめにやろうとしない1人の男子生徒に対して「まじめにやれ!」と叱っていたところです。これらは普段先生がおっしゃっていたけれど今まであまり見る機会がなかったので特に印象に残りました。
授業の内容はグルグルをやるグループとflip writingをやるグループに分けて交代で実施していて、生徒に暇な時間をほとんど与えていないところもいつもおっしゃっていることが実現されていました。教室をグループに分けてそれぞれ違う活動をさせると、どちらかのグループが(特に先生の監視がないほうのグループ)先にやるべきことを終えてしまって暇になるということが自分の中学ではありましたが、映像ではそういう場面はほとんど見られませんでした。授業中、生徒があれだけずっと英語の文を発音する、または書いている授業はほとんどないのではないかと思いました。心技体に書かれている一斉授業とグルグルの使い分けの見本のような授業だ、と全体を通して感じました。


■ビデオを観て気付いたこと

1、先生の動きに無駄がないということ。

「1秒も無駄にしない」という感じで、先生がすたすた歩いている。やらない生徒は置いていく。

2、1回に多くの生徒をグルグルの対象にしない。

30人程度?(→靜訂正:40人)のクラスで、男女に分けてグルグルをやる。限られた時間の中、グルグルに充てる時間を半分にしているので、一人当たりの時間が長くなるわけではないが、次に自分の所に先生が来るまでの時間が短い。その短い時間の中で集中して練習に取り組まないと、いつまで経っても○が貰えない。グルグルをやっていない方は、問題を解きながら時間を有効に使える。

3、容赦ない。

特に男子のときに見受けられたが、どこか発音で失敗してしまうと、容赦なく切るということ。時間節約という点や、甘えは許されないので1回にかける集中力が大きくなるという利点があると思った。自分だったら、きっとつい立ち止まって指導してしまいそうなので、気をつけようと思った。

4、中学生男子は照れ屋さん。

女子は、グルグルも空き時間の問題演習も一生懸命取り組んでいるが、男子はまじめな生徒とふざけてしまう生徒の差が激しい。問題演習中も騒がしかったし、特にグルグルのときは、ビデオ撮影もあり恥ずかしかったのかもしれないが、1回も先生の前で発音をしなかった生徒もいるし、○をもらえなかったことに腹を立て舌打ちをした生徒もいた。○をもらえなかった悔しさと気恥ずかしさが入り混じっていたのだろうと思うが、このようなタイプの生徒をある意味でおいてきぼりにしてしまうのがグルグルの弱点でもあり、反面、「頑張る生徒を評価する」と言う意思が明確であるという、長所でもあるのかなと思った。


■私は今回ビデオ授業を見て感じたのは使えるものを十分に活用することの重要性だ。今回の授業はPCルームのようなところで行われていた。そこで静先生はPCを用いて事前に撮影した教材を見せることをしていた。特に私はこの複数のPCがある環境で生徒が1人1台の割合でPCを見れるときの静先生の発音の指導に感銘を受けた。なかなか通常の教室で1対多の授業を行うとき、発音を音で聴かせることはできても、口の形を近くで生徒に見せることはできない。しかし撮影する際に自分の口をカメラに近づけ撮影することで生徒はしっかりと発音の際の口の形を見ることができる。これは発音の指導の時非常に有効であると考える。また、生徒は発音や歌を聴き、口の形を見て、英文を読み、英語をしゃべり、英語の歌詞を書くことを授業でしていた。45分の中で聴いて、見て、読んで、しゃべって、書く活動をまんべんなくしていた。このような活動を続けることにより、生徒は自然と英語力を養うのに必要な学習をしっかりしているのではないか。私の高校の英語は文法と長文という授業に分かれていた。しかし、この授業ならばそんな必要はなく、英語の歌をしっかり歌えるようになろうとするだけで自然と様々な力を伸ばすことができる。言語はやはり生活とは切っても切り離せないものであるのだから、身近なものを教材とすることが習得には大事なことなのだと改めて感じた。

■パソコン室?の使い方がとても印象的でした。自分自身が英語の歌の発音指導を受ける際に、解説されている先生の方を見なくてはいけないけれど手元にある歌詞を必死で追ってしまう・・・というように視点が定まらないことがよくあるので、先生が発音解説している画面にそのままカラオケのように歌詞が表示されるのがとてもわかりやすくて良いなと思いました。また、一人一人に自分の口元を見せることは時間的にも厳しいところがありますが、1人1台、目の前にパソコン画面があることを生かして、一人一人により近い距離で口の動きをみせることができる素晴らしい方法だと思いました。また、そのねらいを生徒に対してしっかり説明することで、生徒がちゃんと口の動きに注目できているのが分かり、指示の出し方や説明の工夫次第で教材の効果を最大限に引き出せるのだと思いました。もちろん映像だけで授業を進めるわけではなく、VTRの中での注意点に加えてさらに先生が注意をしていくため、より多くの情報を生徒に伝えられると思いました。more than you の発音を説明するのに「牛乳」と言わせてから発音させるなど、日本語のイメージをうまく利用した靜先生の発音指導にはいつも驚かされます。グルグルではクラスを半分に分け、片方は文の書き書き取りをさせていて、ある程度の人数があってもグルグルの授業はできるのだと思いました。ビデオ撮影や発表会では、とにかく生徒が楽しそうに歌っているのが印象的で、正しい発音で歌えることのうれしさにあふれているようでした。緊張するなど負担がかかった時に発音が崩れてしまいやすいということを聞いたことがあるので、このように大勢の前で緊張しながら発表することは自信をつける意味でも非常に良い機会だと思いました。歌やダンスなどの芸事では、何十回の練習と1回の本番は同じくらい効果があるというようなことを聞きますが、英語の発音も同様に実践・発表などする機会があると効果的なんだなと思いました。 

■クラスを2つに分けてグルグルを行っている点に工夫を感じました。中学生ということからも、40人一斉では回ってくる頻度が低くなり飽きが予想されますが、半分に分けてグルグルをやっていない方も集中して英語の文章を覚える環境があることで、授業時間目いっぱい無駄のない時間を過ごすことができているのだと思います。中には文句をいう生徒も見受けられましたが、結局、一切やらないという生徒がいないというのも事実でした。集団授業ながらも個別授業のように、死角がないというのか、やらざるを得ない状況ができているのでしょう。口の悪い生徒はうまく無視をする(笑)靜先生は強靭な精神の持ち主、もしくはどんなことを言われても余裕でいられる自信、信念がおありなのではないでしょうか。さすがです!しかし、flip writingの活動でズルをする中学生はいないのでしょうか。成績に関わればより集中して取り組める子もいれば、答えを見ながら写す子もいそうな気がします。そこのところ、どうされているのかが知りたいです。 
 グループでの発表や学年発表会など恥ずかしさや緊張などもあると思いますが、日頃のグルグルのお陰で自分の発音が良くなってくるのも実感できるだろうし、英語で歌が歌えるようになって楽しんでいるように感じました。先生のお人柄もそれを助長させていると思います。教師は俳優、女優でいるべきだと思いました。 





授業ビデオの中でグルグルをやっているのを観て感じたのは、誰一人暇な(無駄な)時間を与えていないということです。40人という大人数でグルグルを行う場合、全員でやると一人ひとりの練習時間は増えるが、無駄な会話をしたり集中が他のことに向いてしまったりする生徒が出てくるのではないかと思います。また、一人当たりを見られる回数が減ってしまい、生徒に与えられるチャンスも少なくなってしまいます。しかし、男女に分けて人数を減らすことで、一人ひとりを見る回数を増やし、少ない時間でも一生懸命練習しようという生徒の意欲が伝わってきました。これは、「ちゃんと練習しなきゃすぐに先生が回ってきちゃう!」という生徒の意識を引き出しているからだと思います。グルグルをやっていない方のグループにも課題を与えて点数化させることも、とても効果的だと思いました。生徒はおそらく、成績を意識したときに「やろう!」という意識が出てくると思うので、点数をつけることは生徒にとって大事なことだと思います。

グループごとのグルグルでは、なにより生徒が楽しそうに歌っていたのが印象的です。ビデオを観て、やはり楽しく英語を学ぶ事は必要だと思いました。生徒たちの活き活きとした表情と歌声が、グループグルグルへのやる気を表していると感じました。そして、学年発表会のような機会を与えることによって、練習の成果を皆の前で伝えることができ、さらなる意欲を生み出すと思います。発音の大切さを早い段階で学ぶ事ができるのは大切なことであり、幸せなことだと思いました。



今回見た授業ビデオの中にもたくさんの工夫が見られた。特に、発音しているときの口元がよく見えるようにと、前もって作成しておいたビデオを使うというのはすごくいいアイディアだと思った。実際の授業では、生徒たちは先生の発音を聞くことはできても、発音している口元を正確に見ることはできない。たとえ、できたとしても前の方に座っている生徒のみであり、後ろに座っている生徒には不可能である。もちろん「舌をつけて」など、発音の仕方について具体的な指示を与えることはあるが、説明だけ聞くより実際に見るほうが明らかに分かりやすい。だから、あのようなビデオを使って授業をすることは、効果的だと思った。

また、グルグルをやる時間も、グルグルをやるグループと書き取りをやるグループに分かれていて、とても効率がよかった。教室よりも狭いパソコン室を使っていたので、全員でやるとなると移動時間などの無駄な時間が出てしまうが、この方法なら移動時間が少なくて済み、効率よく行うことが出来ると思う。加えて、グルグルと書き取りで扱う英文を同じにすることで2つの学習がつながるので、生徒たちの意欲をより高めることができると感じた。このような点からも、靜先生が常に「与えられた環境の中で、いかに効率よく、生徒たちのためになる授業をするか」を考えていらっしゃるということが分かった。そして、教員は毎日ただ授業を行うのではなく、いろいろな状況を考慮しながら、授業について日々追求していくことが大切だと感じた。

さらに、授業で学習した内容(歌)を発表させる場を作るというのは、生徒たちに対して、よい動機付けになると思った。グルグル合格バージョンや学年発表会を見たが、生徒たちがいきいきと歌っている姿が印象的だった。このように、授業だけで終わらせるのではなく、学習効果を評価してもらえるような場を提供することで、生徒たちはより真剣に、より高い質を求めて授業に取り組むようになると感じた。