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5/02/2019

教員採用試験問題から透けて見えるその自治体の英語教員の実力

教員採用試験を受ける学生を対象として、各自治体の過去問題を題材にして課外授業を行っていて感じることがある。それは、教員採用試験の問題のクオリティ、なかでも多肢選択項目の正答選択肢および語答選択肢のクオリティに、出題者の英語力(のなさ)や第二言語習得に関する理解度の深さ(というか浅さ)が如実に表れる、ということである。

出題者はおそらくその自治体の教育委員会や教育センターに関係する英語教員なので、ざっくりいうとその県や市のベストの英語教員の実力が、教採の英語問題には表れているということだろう。大学入試とちがって世間の注目度も高くなく、多少妙な問題があっても問題になることもない、という条件もあるのだろうか、微妙に妙な問題はけっこうある。

長文のもとになっているのは英語圏で出版されたSLA関係の文献の一部を切り取ったものがほとんどで、それはいいのだが、本文は読んでわかっても、設問とその選択肢を見ると「はぁ??」と言いたくなることもめずらしくない。実例をあげられないのが残念だが。

誤答選択肢というのは英文としては自然でそれなりに意味もわかり、文法も語法もただしいが、述べている内容が誤っている(本文と異なる、本文にはない)というものであるべきだが、誤答選択肢のなかに英語としてありえないコロケーションが使われていたり、言っている意味が不明であったりというものがあるのだ。「わけがわからないことを言っているから誤答」ってのはダメでしょ。

そういう問題を解かされて、その結果で判別される受験者はいい迷惑である。そういうのを「妥当性がない」っていうんですよ。出題者はよい問題を作ってください。まさか一人だけで作って、第三者が推敲する機会がないまま実施している、なんてことはないですよね?