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12/23/2019

あっち向きリピーティング・トランスレーション・パラフレージング

最近使っている技。名付けて「あっち向きリピーティング・トランスレーション・パラフレージング」。生徒・学生の実力に対して、教材英文のレベルがちょうどよいか、やや易しめくらいのときに使えます。

一人指名して、立たせますが、「あっち向いて」と指示し、教室の後方を向かせます。状況としては私の授業では教室前方のスクリーンに英文が投影されていますので、他の生徒は英文が見えていて、指名された生徒だけは見えていない、ということです。

その状態で、私が1文英語を音読します。1文と言ってもある程度の長さで区切ってですが。たとえば、次は某県の教員採用試験の長文の冒頭です。

What makes people happy? The question, which has been debated by philosophers for centuries, now is being tackled by international bureaucrats and the results are interesting, to say the least.

これを、以下のように私が音読し、それを立っている学生が「あっち向いて」リピートします。つまり音だけでリピート。他の学生は英文が見えているのが味噌。

教師:What makes people happy? 
[学生リピート]
教師:The question, which has been debated by philosophers for centuries,
[学生リピート]
教師:now is being tackled by international bureaucrats
[学生リピート]
教師:and the results are interesting, to say the least.
[学生リピート]

でこれができたらその学生に「あっち向いた」まま、日本語で意味を言わせます。

教師:What makes people happy? 
[学生:訳]

教師:The question, which has been debated by philosophers for centuries,
[学生:訳]

教師:now is being tackled by international bureaucrats
[学生:訳]

教師:and the results are interesting, to say the least.
[学生:訳]

ひとつの文が終わったら、その学生は座らせ、別の学生を指名して次の文も同様にやります。

これがすらすら行くならオーケーですが、リピート時に明らかに無理があったり、訳にも明らかに無理があったならば、そこでタオルを投げ、「じゃあいいから前を向いて、その上で答えてごらん」と、英文を見ながら答えるのを許可します。

当たり前ですが、目で見てわからない英文を、耳で聞いてわかることはほとんどありません。その学生とその英文のレベル的相性の瞬間的見極めが大切です。

逆に、さらに難易度を上げたいときは、日本語で意味を言わせた後に(あるいは日本語で意味を言わせる代わりに)より「平たいイングリッシュ」で意味を言わせてみます。

教師:What makes people happy? 
[学生:When do people feel happy/happiness? ]

教師:The question, which has been debated by philosophers for centuries,
[学生:Philosophers have been thinking and talking about this for hundreds of years . . .]

教師:now is being tackled by international bureaucrats
[学生:But today, international officials are trying to find answers to this question]

教師:and the results are interesting, to say the least.
[学生:and what they have found is very interesting.]

なんどかやっていますが、一斉授業のなかの活動としては、引き出しの一つにあってよいものだと感じます。当たった学生はある程度のドキドキ感がありますし、見ている学生は、当該学生がどういうところでリピーティングできないかから学ぶものがあります。また聞く力と読む力と文法力と単語力(もちろん発音力もですが)のすべてが動員されますので、技能統合的な活動とも言えます。

シンプルですが、やってみてください。

言わずもがなですが、リピーティング時の発音は厳しく指導します。というか、英文を見せた状態で音読させるのと違って、キューは教師の音声だけなので、耳を頼りにその音声を真似することに成るので、変な発音は抑制されるように思いますね。